SAOもう一人の聖騎士
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追想~這い迫る白~
前書き
さてさて、追想GGO諞もクライマックスです・・・・・・・・・いつ終わるんだろうこれ。
シュピーゲルがクラディールと共に幾多の機械兵を蹴散らしてシノン達の元へ急いでいる一方、二人が管制室で見た光点はすでにシノン達と接触していた。
「失礼、シノンさんと、そのお連れの方ですね?」
いきなり背後から声を掛けられた。男の声。だがその声の主はシュピーゲルではない。
色素が薄く、白みがかった髪。表情は常に笑みを湛えたまま固定されており、いかなる感情も読み取ることは出来ない。髪と同色の瞳は、能面のように張り付いた笑顔のせいで見えているかどうかすら怪しい。柳の木に手足が生えたような長身を軍服で包んで、見た限り武器らしいものは何一つ帯びていない。布地の同化した漆黒の釦が、仄暗い基地内の照明を反射して粘着質に光る。
「・・・・・・あんた、誰だよ?」
呼び掛けられたシノンの代わりに、ダインがアサルトライフルで男の眉間に照準を付けながら答える。ALOと同じくPKが推奨されているGGOでは、市街地の外でする他人との会話は自然と硝煙が付きまとう。
「で、あんたはどこのスコードロンの人間だ?何故俺達がここに来たと知っている?」
「まあそれは私の話に応じて頂いた後に・・・・・・・」
男の口舌は、ぶおん、という特有の駆動音に遮られた。
「・・・・・・シッ!」
ペイルライダーだ。彼女は『話は別の場所でしたい』と言う言葉を聞いた時点ですぐさまこの男を敵と判断し、首に向かって光剣を振り抜いていたのだ。牽制も何もない、ただ殺すための一撃。
高密度エネルギーで構築された刃が捉えると思われた標的は、彼女の方を見もせずに後ろへ跳躍していた。
「逃げるぞ!」
ペイルライダーの一言で一瞬にして男がやって来た方角と反対方向へ全力疾走する。何度めか分からなくなるほど角を曲がり別れ道を突き進むと、運悪く袋小路に入り込んでしまった。
「・・・・・・・あ!ここ、破壊可能オブジェクトよ。・・・・・・・でもかなり耐久値が高いわ、どうしよう・・・・・・・」
破壊が可能である。と分かっていても、この分厚く堅牢な壁を破れるはずがない。
「いいや、どうにかできる」
・・・・・・・たった一つ、ある例外を除いては。
「ダインッ?どうにかすると言ったってこれじゃ、追い詰められて終わりだぞ!?」
「だから、こいつを使うのさ」
そう言って彼は左手の手袋を外す。そこには、ぎらりと輝く金属の塊があった。
彼の左腕、機械と化しているそれは、もちろん飾りなどではない。武装腕(アームドアーム)と呼ばれる立派な武器である。いちいち装備変更に追加料金が掛かる上、それそのものに重量があるため装備のキャパシティを圧迫してしまうのだが、それを補って余りある攻撃力を持ち、服で簡単に隠せるため隠密性もダントツであるため、使う人間はそう珍しくない。
ガシャン!という音を合図に展開が始まる。五本の指が手の甲に向かって折り畳まれ、手のひらの中心に穴が空き、どんどんと広がっていく。螺旋回転しながらその形は徐々に銃身らしい円筒形態になり、最後、遂に超大口径の銃・・・・・・・いや、銃と呼ぶのもおこがましい化け物が完成した。
「・・・・・・・すごい」
四七式肉体改造兵用滑口砲。それが、ダインの左腕の真の名だった。
「ッ、オオオオオラァァァァァァァ!」
ズドォォォォン!と、銃の限界を越えた量の火薬が撃発し、膨大な煙を上げながら基地全体を揺さぶった。巨大な質量を持った砲弾は瞬時に音速を越え、通路の壁の耐久力を跡形もなく消し飛ばしていた。そこには、かの怪物の破壊力を物語るかのように大穴が空いている。
「よし、行くぞ!」
今度はペイルライダーを先頭に、新たに出来た道を駆けていく。・・・・・・が、
「どちらに行かれるのですか?」
白い絶望は、まだまだ彼女達を手放す気は無いらしい。
後書き
やっべぇ、まだシノンさん達とシュピーゲル君合流できてない・・・・・・
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