SAOもう一人の聖騎士
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追想~迫る思惑、死銃の残影~
前書き
さて、あと残り三話位です。はてさて、何故クラディールはここにいるのか・・・・・・・
「よう、この姿で会うのは死銃とやりあった時以来だな」
ばさりとコートを翻し、飄々と笑うクラディール。シュピーゲル自身は攻略組としてのクラディールを知らない。しかしかつて審判の騎士として恐れられた彼は、目の醒める様な純白のコートを見に纏っていた。・・・・・・・流石にあの頃はテンガロンハットなど被っていなかったが・・・・・・・
とは言え、彼はここにはいない筈の人間だ。本来なら彼は一日限りでGGOへと舞い戻ったシュピーゲルとシノンをあのユグドラシル・シティのテラスで待っているはずである。
「はは、分かるぜ、何で俺がここにいるのか分からないんだろう?詳しい説明は面倒だから後にするが・・・・・・一言簡潔に言うとこうだ」
そこで一旦話を切り、彼は思いもよらぬ事を口にした。
これは、シュピーゲル自身がまだ、あの骸骨の亡霊に囚われたままであることを、明確に表していた。
「死銃を名乗る奴が、また現れた。しかもそいつはただのモノマネ野郎じゃない、奴と・・・・・・・ザザと同じように、しかしザザよりも遥かに速いスピードでGGOプレイヤーを消している」
どうやら、平和なあのテラスへ戻るのは、当分無理そうだとシュピーゲルは溜め息をついた。
「あとこれは一番お前に伝えなきゃいけなかった事なんだが・・・・・・・その偽死銃のターゲットには、シノンの奴も入っているらしい」
灰色の疾風が、漆黒の壁に受け止められる。
「クラディール!離してくれ!早くシノンのところに行かなきゃ・・・・・・・!」
「落ち着け!今焦ってどうする、そんなんじゃ勝てる相手にも勝てねぇぞ!ほら、マップを見てみろ、あいつらは全員健在・・・・・・・」
だ、と言いかけて、言葉が止まる。クラディールは、踵を返して金属扉に向き直り、ロックが掛かった金属扉をバラバラに斬り刻んだ。
「どうやら、否が応でも急がなきゃいけねぇ事態になっちまったみてぇだな」
シュピーゲルの背後、彼が起動した端末に表示された全体マップには、シノン達であろう光点に近付く光点がはっきりと表示されていた。
「・・・・・・急ごう」
「ああ、久しぶりだな、この感じ・・・・・・!」
今は感情に流されている時ではない。大切な人の元に、一刻も早く駆けつけなければならないのだ。冷静さを取り戻したシュピーゲルと、不敵に笑うクラディールの剣閃が、彼らに気付いた機械兵を瞬時にガラクタに変える。
「「さあ、フィーバータイムのスタートだ!」」
後書き
あら?かなり短い?
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