DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第50話:正義の味方は手加減知らず!
前書き
サブタイトルからして誰の台詞か解るね(笑)
そうです、あの娘が再登場します。
(コーミズ周辺)
マーニャSIDE
驚くべき事が多数あった洞窟探索だったが、目的の魔法の鍵も手に入れたし、さっさと地上へ出る私達。
本来なら疲れた身体をコーミズの村で癒し、日を改めてからキングレオ城へ突入するのが良いのだろうけど……
私達はお尋ね者として手配されているだろうから、村に迷惑を掛けない為にも、直ぐに城を目指す事になりました。
洞窟内で一晩を過ごしたので、まだ日は真上にも来てないけど、憎きバルザックとキングレオを倒す為、街道を突き進む。
すると当然、前方で大きな爆発が聞こえてきた!
誰かが誰かと戦っているらしく、複数の人間の叫び声が聞こえてくる。
「うわぁ……アイツだ」
リュカと視線を合わせたウルフが、端正な顔を顰めて呟く。
二人は騒動の原因を知っているのか?
状況の解らない私達は、駆け足で騒動の中心地へと赴く……
するとそこには、複数のキングレオ兵に追われる1人の女性の姿が。
悔しいが凄い美人だ!
「やっぱりマリーだ……」
黒髪の美女を見たウルフが、呆れた口調で言い捨てる。
え……彼女がウルフの恋人さん!?
やっべ……マジで凄ー美女だわ!
「あー、ウルフだー♡ タスケテーん……醜男にイヤラシしい事をされちゃうわ~ん!」
美女はウルフの事に気付くと、舐めた口調で叫びながら彼の胸に抱き付き、凄くディープなキスをする。
状況を解ってるのかな?
「イヤラシい事なんかせんわー! 不審者だったから、職務質問をしただけだろ!」
「うっさいボケぇ! 醜男が集団で職権を乱用し、美少女を物陰に連れて行こうとすれば、それはイヤラシい事をする以外に答えはないんだ! 従って私は、自己防衛の為にお前等モブを吹き飛ばしても、『正義の行い』と言い切れるんだ!」
酷い言い分だ……
でも何故だかリュカの娘である事に納得のいく言い分だ。
彼女が逃げてきた方向に目をやると、彼方此方に吹き飛ばされた兵士達の四肢が散らばっている……
一体何人居たのか判らない……
激しく飛び散りすぎて、人型を留めてないので判らない。
リュカの娘は非常識的だと感じていたが、彼女は極めつけだろう……
一体何処に惚れたんだウルフ……
私に手を出しておいた方が良かったんじゃないのかウルフ?
マーニャSIDE END
(キングレオ城付近)
マリーSIDE
道端で傷だらけのオーリンを拾う。
ビビアンがササニシキ……一目惚れで、オーリンをハバリアに匿い甲斐甲斐しく世話をする。
ある程度回復したオーリンに、この国の状況を聞き、怒りに燃える正義のピンク。
放っておいても勇者ちゃん達がやって来れば、チョロッと解決してくれるのだろうし、面倒事には拘わらない方が良いと思っている現実的美少女な私。
でも『ライアン様、一緒にこの国を救いましょう! 僕もお手伝いしますぅ!』って、正義のピンクを煽る青いブヨブヨ。
あとは時が経つのを待つしかないので、無意味にキングレオ地方を移動させ、時間を稼ぐ私。
『いきなりお城に飛び込んでも、状況を詳しく理解してなきゃ正しい事は出来ないので、取り敢えず情報収集をしましょう! まずはキングレオ最南の町、モンバーバラから!』
と言って、劇場のパノンを楽しもうと思ったのだが、『そんな低俗な施設に足を運ぶのは関心せんなぁ……それに、そんな場所にこの国を救う為の情報があるとは思えん!』と言われ、パノンを楽しむ事が出来ませんでした。
癪に障ったから、アッテムトへピンクを導き、用も無いのに鉱山へ入らせる私。
勿論、私は中に入りません。
だって毒ガスで苦しいし、面倒臭いんだモン♥
そんなこんなで国中を歩き回り、碌な情報も得られないピンクちゃん達は、お城が見える森の中に潜み作戦会議を開始します。
ちなみに私が提案した作戦は、もう一度モンバーバラに赴く事です。
だってパノンを諦めきれなかったから!
でも青いのが『僕が空からお城に忍び込んで、城内を偵察してきます!』って、やる気を全面に押しだし、ピンクちゃんに提案しました。
『いや……それは……危険……』等々、お髭のピンクはモゴモゴ何か言ってるんで、『流石は正義のホイミスライム、ホイミン君ね! 君の持ち帰る情報がこの国を平和に導くのよ!』って、面白半分で煽っちゃった。
そしたら『じゃぁボク頑張ってくるね!』って飛んで行っちゃった……
後を追ってお城に入る訳にもいかず、私とライアンちゃんは呆然とホイミン君を見送るだけです。
わ、私の所為じゃないわよ!
「う~む……丸一日経過したのに、ホイミンが戻ってこない。隠密行動で情報収集を行っているにしても、少しばかり時間がかかりすぎだ!」
ホイミン君が任務に出てから約24時間……
当初から落ち着きの無かったライアンちゃんのイライラも、臨界点を突破して危険状態だ。
「き、きっともうすぐ戻って来るわよ……」
私の所為ではないはずなのだけど、気を遣って根拠のない慰めを口にする。
こんな遣り取りが数十回……
「いや、何かあったに違いない! 私は突入するぞ……何とかホイミンを救出してくるから、マリーはここで待機していてくれ!」
言うが早いかライアンちゃんは、「ぬおおおぉぉぉぉ…………」という掛け声と共に、キングレオ城へと突入して行っちゃった。
確か原作でも、一人で突入したライアンちゃんと城内で合流する勇者一行だったわよね。
つー事はもうそろそろウルフ達とも合流出来るって事かしら?
うん。私はライアンちゃんの後を追わず、言われたとおりこの場で待機しちゃいます。
でもでも、世の中そう思い通りに行かないのが常……
超美少女が一人でポツンと佇んでいれば、股間を膨らませたお馬鹿ちゃんが群がってくる物……
私の目の前にも、キングレオ城から出張ってきた醜男ズが集まってます。
「おい女……怪しい奴だな! こんな所で何をしている!? 先程城に侵入してきた奴の仲間ではないのか?」
う~ん……“うん。ピンクの鎧とはお友達!”って言っちゃうと100%面倒い事が待っているので……
「おほほほほ、私は怪しい者じゃございませんことよ。こんな美少女が怪しい訳ございませんじゃありませんか! 私はここで、イケメンの彼氏を待っておりますの。皆様の様なNotイケメンには用がございませんことよ! ですから私の前から消えちゃって下さいまし」
私はできる限り丁寧に退散を促したのだが……
「何だと怪しい女め……ちょっと我々の詰め所までご同行してもらおうか!」
NOです! NOですわ醜男共!
お前等間違いなくこの美少女にエッチな事をする気満々じゃん!
真面目くさった面してても分かっちゃいます。美少女の私には分かってしまいますよ!
「さあ来てもらおうか!」
私の手を掴み、エッチな場所へと連れて行こうとする醜男!
良い女へ簡単に乗れると思うなよ!
「きゃあ止めてよ、メラミ!」
「ぎゃあぁぁぁぁ…………」
私の手を掴んだ醜男は、掴んだ腕の肘より先を消し炭にされ、あえなくお空に舞い上がる。
「キ、キサマ……て、抵抗するのか!?」
「何を言いやがる! 抵抗してるのではない。自己防衛を行っているんだ! 美少女が大勢の醜男共に犯されない様に、正義の名の下に自身を守っているんだ!」
「ふ、ふざけるなー! こ、このテロリストめー!」
自己防衛だってんだろ!
私の事をテロリスト判定した醜男共が、一斉に襲いかかってくる!
「私の身体はウルフ以外、乗り入れ禁止じゃボケぇ!」
ってな感じでイオラを唱える正義の美少女マリーちゃん。
手加減をしたつもりなんだけど、醜男共の臓物を目の当たりにして、ちょびっとビビっちゃったお茶目なワ・タ・シ♥
ベギラゴンで焼き払えば良かったと、後悔しながら踵を返して逃げ出しますぅ!
マリーSIDE END
後書き
ストッパー役が側に居ないと大変な事になる女……
リュカ・ポピーとの違いはここだね!
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