IS ~インフィニット・ストラトス~ 日常を奪い去られた少年
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第02話
前書き
第02話です。
少しイベントがごちゃごちゃしてますが、ご勘弁を。
それでは、どうぞ。
「あぁ、そうだ大海。放課後、話がある。少し残れ」
学園生活2日目。朝のSHRで連絡事項を報告していた千冬が、ふとそんなことを言った。
あぁ、また何か教えられたりするのか、と思い俊吾は
「分かりました」
と返した。
その後、千冬と麻耶が教室から出てから一夏達が集まってきた。
「なぁ、俊吾。昨日、千冬姉から話聞いたんじゃないのか?
「いやまぁ、聞いたし色々質問あったから聞いたんだけど、まだ何かあるのかね……」
「千冬さんのことだから、話忘れは無いだろうが……」
「確かに、織斑先生が話忘れるとは思えませんね」
と、意外とみんな親身になって考えてくれる。以外に良い奴だな、こいつら。
「ま、その時になれば分かるだろ」
俊吾はそう言って、その話題を打ち切った。
◇ ◆ ◇ ◆
そして、時は流れ放課後。千冬に連れられて来たのは応接室だった。何でわざわざここに?と思ったが気にしないことにした。
二人はソファーに座り、話し始めた。
「話というのは、お前のISの実機試験を行っていなかったから行うというものだ」
「え、そんなものやってたんですか?」
「ここに入学する際に必ず行うものなんだが、いかんせん、急だったために後回しにされていたというわけだ」
千冬は溜息を付きながらそう言うと、続けた。
「私はやらなくても良いと思っていたんだが、上からの要望でな。行うことになった。全く、面倒なことを押し付けてくれる」
「ははは」
乾いた笑みしか出てこない。だって、本当にこの人イライラしてるんだもん。
「そ、それで、日程とかって決まってるんですか?」
「ああ、明日だ」
「そうか、明日かぁ…………。って、早くないですか!?」
「急遽決めたといっただろう。それに、早く記録が欲しいらしい」
「いくらなんでも急すぎじゃ……」
「そう言うな。面倒ごとは早く済ませるに越したことはない」
確かにそうなんだけど、明日って……。まぁ、気にしたら負けなんだろうな、これも。
「明日までに専用機も届くらしい。だから、明日の試験は専用機で行ってもらう。
「って、そんな急に出来るものなんですか?」
「上から圧力が掛かっているから完成させるだろう、無理にでもな」
災難やな、開発部……。
「明日やるのは分かったんですけど、相手は誰ですか?」
「本来なら教員が行うんだが、それだとつまらない。だから、相手は一夏にする」
「って、いいんですか?そんな勝手に」
「上のわがままに付き合ったんだ、多少の路線変更は問題ないだろう」
良いのかなぁ、そんなんで……。まぁ、俺は逃げられないから関係ないけどさ。
「……とりあえず、了解です。明日、一夏と戦えばいいんですね?」
「ああ。一夏には言っていないからお前から言っといてくれ。二日続けて残らせて悪いな。もう、帰っていいぞ」
「じゃあ、失礼します」
俊吾は応接室から出ていった。
「さて、明日の事務処理をしないとな……」
千冬も応接からでて職員室に向かった。
◇ ◆ ◇ ◆
「お~い、一夏~」
俊吾は部屋に入りながら、一夏の名前を呼んだ。だが、返事がなかった。
「あれ、まだ戻ってないのか……。何やってんだ、あいつ…………」
ベットに座って、携帯をいじっていると入口から音がした。
「あれ、俊吾。もう戻ってたのか」
入ってきてそういった人物は、一夏だった。現在時刻、午後6時。一体、何をしていたんだ?
「随分遅かったな。何やってたんだ、一夏?」
「ん?俺は、ISの練習だよ」
「放課後に練習なんて出来るのか?」
「ああ。基本、専用機持ちはやってるぞ。他のみんなも、量産機の使用許可もらってやってるし」
「毎日やってたりするのか?」
「ああ、基本的に毎日だな」
入学当初からやってるとしたら、結構な時間になるんじゃないんだろうか。そんなのと、俺は明日実機試験をやるのか。気が滅入るな……。
「ああ、一夏。明日の放課後、俺と実機試験だとよ。先生が言ってた」
「ごふっ!……ごほごほっ…………!何だって……!?」
一夏は飲んでいた飲み物を気管に詰まらせ、むせっていた。
「いや、言ったとおりだよ」
「いや、でも、急すぎないか?」
「何か、この学校は入学するときにISに乗って教官と戦うんだって?」
「ああ、確かにやるな」
「それを俺はやってなくてな、急だったからさ」
「なるほど……。で、何で俺が俊吾の相手なんだ?」
「織斑先生が面白そうだからって」
一夏はそれを聞くと、ガックリと項垂れていた。
「千冬姉……何でそんなことやるんだよ」
「決定事項らしいから仕方ないだろ」
「って、俊吾は良いのか?」
「いや、文句あってもあの人には反抗できないだろ」
「……ああ、確かに」
一夏はどこか諦めたようにそう言った。
「そいや、一夏。放課後の練習、誰とやってるんだ?」
「ん?セシリアと箒と鈴だぞ」
何か、今聞きなれない名前があったような……。
「なぁ、鈴って誰だ?一組にそんな奴いなかったと思うんだけど」
「ああ、そっか。俊吾は知らないか。鳳鈴音って言って、2組のクラス代表の奴だ」
あえて、何で2組の奴が……とは聞かない。面倒だし。それよりも、気になることが他に。
「鳳って事は、中国人か?」
「ああ、良く分かったな。ちなみに、鈴は中国の代表候補生だ。」
「へぇ、凄いな。お前の回り、ほとんど代表候補生しかいないじゃん」
「確かに。あ、でも箒は違うぞ」
「じゃあ、篠ノ之さんは練習にどうやって参加してるんだ?」
「打鉄を借りて一緒に訓練してるんだ」
へぇ、打鉄か……。確かに、打鉄の方が扱いやすいから初心者向けのISではあるな。というか、よく専用機しかいないのに量産機で参加する気になるな。ある意味尊敬するよ。
「それで話を戻すけど」
一夏は一息入れ話し始めた。
「鈴とは小学校高学年からの幼馴染で中学三年の時に中国に帰ったんだ。それで、ここで再開したんだ」
いや話戻すってそれかよ。別に、お前とその鳳さんとの関係は聞いてないんだが……。まぁ、聞く手間が省けたと思おう。
そこで、入口のドアからノック音が聞こえてきた。
「はーい」
一夏が返事をすると、誰かが部屋に入ってきた。
「一夏~、ご飯食べに行こ~」
そこには小柄な少女がいた。ツインテールの小柄な少女。色々小さい小柄な少女。大事なことなので三回言いました。
その少女が、俊吾の方を見る。
「……あんた誰?」
予想通りである。この少女もまた一夏にしか興味がないのだろう。だって、俺のこと見えてないんだもん。一夏しか見えてなかったもん、さっきまで。
うん、分かってたけどやっぱり少し悲しいかな、ここまで無関心だと。
何とも言えない表情をしていると一夏がフォローをしてくれた。
「鈴、こいつは大海俊吾って言って、俺以外のISが使える男なんだ。前にニュースでやってただろ?」
そう一夏に言われ、思い出したように言った。
「ああ、あんたが……。何か普通ね」
畜生……普通で何が悪いんだよ…………普通が何したって言うんだ、畜生……!
心にダメージを負っている俊吾を無視するかのように一夏は続ける。
「俊吾、こいつがさっき話してた鳳鈴音だ」
無視ですか、一夏さん。予想はしてたけど。それはそうと、やっぱりこのちっこいのが鳳さんか。何か日本人っぽい感じしなかったんだよな。まぁ、納得。まぁ、それはそうと挨拶だけはしておこうか。
「まぁ、取り敢えずなんだ。よろしく、鳳さん」
「最初の気になるけど、別にいいわ。こちらこそ、よろしくね」
名目上、挨拶だけはした。俺の仕事終わり!
「さて、飯行くか。二人共行こうぜ」
俺は心の中で思った。『やっぱりか』と。とてつもなく微妙な表情をしていると鳳さんと目があった。
彼女もまた『私の最初のセリフ聞いてなかったの!?』みたいな顔をしていた。
…………さて、ここは空気を読むべきかな。
「悪い、一夏。俺、まだ腹減ってないから鳳さんと二人で行ってきてくれ」
「そうか?だったら鈴、行くか?」
「う、うん、けど……」
鳳さんがこっちを見ながら口ごもる。ああ、変に心配してるのか。別にそんなの気にしなくていいのに。
俊吾は鈴を安心させるように行った。
「俺のことは気にしないで、二人で行ってこいって」
そのセリフを聞くと鈴も安心したのか、一夏に付いていった。
そして、部屋を出る時に
「…………ありがと」
と聞こえた気がした。まぁ、気のせいだろう。
さて、明日の試験の為に少しISの操縦マニュアルを確認しておこう。操縦したことがないから勝手がわからないが、しないよりはマシだろう。
俊吾は机に座り、マニュアル本を取り出し、読み始めた。
その後、二人の女子が部屋を訪ねてきたのは余談である。
◇ ◆ ◇ ◆
「ん~、取り敢えずこんなもんかな……」
長時間、席に座っていたため、首が痛い。クルリと回すと、コキコキと鳴った。
「あいたたた…………。さて、そろそろ飯食いに行こうかな」
と時計を見ると、信じられない時間を指していた。
「8時40分…………だと……!?」
あれ、俺勉強始めたの6時30前だよな?もう2時間も経ってるのか!?
「って、この時間食堂やってないじゃん……」
食堂の夕食提供時間は6時から8時。完全に経営時間外である。
「…………飯、抜きかよ。どうしよ」
夜と早朝は生徒に自炊スペースを提供しているらしいが、俊吾に自炊スキルなどない。
「おにぎりでも作るか……って、米炊くのにも時間掛かるし、1合だけ炊くのも気が引けるな……」
いっそ、自動販売機で炭酸買ってきて腹を無理矢理膨らませるか……。
と、そこで、俊吾が一つ気がついたことがある。
「そいや、一夏のやついないな……。この時間なのに」
部屋にいるのは俊吾だけ。シャワー室から音もしないし、夕飯を食べに出て行ってから戻っていないようだ。
「探すついでに炭酸買ってくるか……」
面倒臭いが、腹は減ったし一夏がいないのも落ち着かないし、さっさと買って探して寝よう。
俊吾は部屋から出ていった。
◇ ◆ ◇ ◆
「う~む、確かに腹は膨れたけど、やっぱり腹減ってるな……」
最初の目的、自動販売機で炭酸を買うと言う目的はクリアしたものの、結果的に腹はそこまで膨れなかった。
コーラだから結構膨れると思ったんだけどな……。
「別に寝れないほど腹減ってるわけじゃないし、一夏でも探しに行くか」
と、歩きだした俊吾あったが一つ問題が発覚。
「どうやって探しますかね……」
一人だし変に歩き回っても疲れるだけ。しかも、たった今摂取したコーラの糖分も消化してしまう。
「ま、その内戻ってくるだろうからもっといてもいいかな」
と思うものの気になるのも確かである。
「最低限、食堂だけは見とくか……」
ついでに、何か食い物あればパクってこよう。
そう思い、食堂に出発した俊吾であった。
◇ ◆ ◇ ◆
食堂に着いた俊吾であったが……。
「一夏もいないし、食い物も無いし、完全に骨折り損じゃないか……」
食堂を少し見て回ったが、食べ物らしい影は見当たらなかった。俊吾自身、後者は期待はしてなかったが、もしかしたらと思っていた。
「はぁ……部屋戻って寝るか」
そう思い踵を返すと、誰からか声を掛けられた。
「俊吾……か…………?」
声の方向を向くと
「……篠ノ之さん?」
箒がいた。俊吾を不審げに見る。
まぁ、男子がこの時間に食堂にいたら不審がるのも頷けるか。つか、さっさと部屋戻って寝たいから少し話して戻ろう。何故かって?決まっているじゃないか。腹が減っているからさ。
そうと決まれば、誤解解いて戻ろう。
「ああ、俺が何でここに居るかっていうと、一夏を探してたんだ。部屋に戻ってないからさ。何か知らない?」
「一夏なら千冬さんの部屋に行ったはずだ。何だか、話があるとか」
織斑先生に話ねぇ……。明日の試験の事だろうな。どうせ、言い負かされて終わりだろうけど。
「分かった。教えてくれてありがとう。じゃあ、俺は部屋に戻るな」
「ああ、分かった。お休み」
「お休み」
そう言って、出口に脚を向け歩き出す。
―――ぐ~
…………おう、俺の腹よ。何故、今鳴った。何故、今、この状況で、鳴った。恥ずかしいじゃないか!…………ああ、もういい。さっさと戻ろう。
どうにでもなれと思い、部屋に向かおうとすると箒から声が掛かった。
「……俊吾、もしかして腹が減っているのか?」
「いや、別に減って―――」
―――ぐ~
……くそ、何でこのタイミングで。つか、もう誤魔化して戻れないし。
「夕飯を食べたんじゃないのか?」
箒が俊吾のことを疑問げに見る。
何か嘘言うのも面倒だし、正直に言おうかな。
「……いや、食べ損ねてさ」
「もしかして、さっきやってた勉強をずっとしていて、今の時間に……?」
「まぁ、大方そんな感じ」
大方どころか、全くもってその通りである。
勉強をやっている時に訪ねてきた二人の女子というのは箒と、もう一人は言わずとも分かるだろう。ちなみに、二人共、鈴が部屋を訪ねた目的と全く一緒の目的であった。全く迷惑な話である。まぁ、そのあと直ぐに食堂に向かってくれたから邪魔にはならなかったのだが。
「……全く、馬鹿かお前は」
呆れ気味に言われた。
すいません、完全に正論です、俺は馬鹿です。すいません。取り敢えず、謝ろう。
「……言い返す言葉もありません」
「…………ちょっと待っていろ」
心にダメージを負っていると、いきなりそう言れた。
「え、何で?」
率直な疑問のセリフが出た。腹減ってるから、さっさと寝たいんだ。寝れるかは分からないけど。
「何か軽く作ってやる」
え、やめてよ、そんなこと。その代償に、あとで何を請求されるか分かったものではない。断固拒否しなければ。
「いや、いいよ。悪いし」
「遠慮するな。空腹では寝れなくて、明日寝不足で実力を発揮できなくなったら後味が悪いからな」
「あれ、明日、俺の試験があるって知ってるんだ」
「一夏が言っていたのでな。大方、千冬さんの所にもその事で行ったのだろう」
ああ、同じこと考えてたのね篠ノ之さんも。と言うか、後味が悪いってどういう意味よ。あれか…………。あれかと言っておいて、何が何だかわからんが、あれか。
「いや、気にしないでよ。俺、腹減ってても寝れるタイプの人間だから」
まぁ、実際どうなんだか分からんけど。
「だが、腹が減っているのとそうでないのでは寝つきが違うだろう?」
「確かにそうなんだけどさ……」
あ、口が滑った。
「だったら、待っていろ。10分ちょっとで作れるものを作るから」
そう言って、箒はキッチンへと入っていった。
うわぁ、やらかした。…………ここまで来たら、腹が膨れるから結果オーライって考えるか。
~15分後~
「済まない、思いのほか時間が掛かった」
そう言って箒はプレートを持ってキッチンから出てきた。
ちなみに、待っている間の俊吾は逃げるか逃げないので迷っていた。だが、逃げたら料理が無駄になる。だけど、料理を食わされれば何を要求されるか分かったものではない。逃げよう。いやだけど、料理が無d(省略。
といった感じに迷っていた。
「いや、作って貰ってる側だから文句は言わないよ」
「そう言って貰えると助かる」
箒は持っていたプレートを置いた。
「……チャーハン?」
目の前に置かれているのはチャーハンだった。
篠ノ之さんのことだからてっきり日本食が出てくるだとばっかり思っていたのだが……。
「少ない時間で作れる物がこれくらいしか思いつかなかったからな。手抜きなのは済まない」
「いやいや、手抜きなんてそんな!」
普通に美味しそうだし、さっきから唾液が止まらない。さっさと食べよう。
「いただきます」
スプーンを入れると、ご飯のパラパラ具合がよく分かる。適度に胡椒の香りがして、食欲がそそられる。
救ったチャーハンを口に入れる。
「ど、どうだ……?」
箒が心配そうに俊吾に聞いた。
あ…………味がしない!!!無味無臭じゃないか!あ、匂いはする、すげぇスパイス効いたような超美味しそうな匂いが!だからこそ、驚いているんだが。
というか、何で篠ノ之さんが俺に料理作ってくれたのか何となく分かった。これ、絶対練習中だ。俺、実験台だ。
よし、大体目的は分かった。大方、一夏に作ろうと思っていたのだろう。一夏にこれを食べさせるのも面白いが、やめておこう。
ちゃんと、改善点を教えよう。だけど、ストレートに味がしない、なんて言えるほど俺に度胸はない。ということで、遠回しに味を濃くしようと言うか。
この間、3秒である。
「うん、美味しい。けど、ちょっと味が薄いかな」
こんな感じでどうだ?
「そうか、味が薄いか……」
少し、考えるように箒はそう言った。
あんな、真剣な顔をするってことは一夏に作る為の試作の線が有力そうだな。まぁ、腹は膨れるからさっさと食べよう。
数分後、俊吾はチャーハンを完食していた。
「御馳走様でした」
味はしないが食欲はそそられる、という不思議なチャーハンだった。
「……悪いな、失敗作を食べさせたみたいで」
みたいって言うか、完全に試作品という名の失敗作を食べさせられたよね。腹が膨れたから文句は言わないが。
「いやいや、食べさせてもらっただけで俺は十分だよ」
「そうか?」
「そうだよ」
俊吾がそう言うと、箒少し安心したような顔をした。
「それじゃあ、私はこれを洗ってくる」
そう言って箒は立ち上がった。
「俺が洗うよ」
「いや、だが…………」
失敗作を食べさせたという変な引け目を感じているのだろう、箒は迷っていた。
「作ってもらったから洗い物ぐらいはするよ」
俊吾は立ち上がってさっさとプレートを持った。
「それに、そろそろ部屋に戻らないと先生にどやされるんじゃない?」
時刻は9時過ぎ9時30分を指していた。
この学校の寮は、9時半には部屋に戻り10時過ぎには消灯時間となる。だが、10時を過ぎた時点で部屋に入れば、起きていても問題はない。11時を過ぎた語りから起きていると注意されるといった感じだ。
「それだと、お前も怒られるんじゃないのか?」
「俺は大丈夫だよ。バレないように移動するのは慣れてるし。ほら、早く戻りなよ」
俊吾がそう言うと、渋々部屋に戻っていった。
「さて、さっさと洗って戻ろうか」
俊吾は洗い物を始めた。
◇ ◆ ◇ ◆
「ふ~、バレずに戻れた……」
何とか無事に部屋に着くことができた、俊吾。部屋に入ると、既に一夏が戻っていた。
「俊吾、遅かったな」
「まぁ、色々あってな」
「へ~、色々な。そういえば、千冬姉のところ行ったんだけどさ」
やっぱりな、と心の中でそう思った俊吾。一夏の言葉を待った。
「やっぱり明日、俺と試合するのは決定事項だって。もう書類もそれでまとめたらしくて」
早いな、織斑先生。一夏が来るのも見越してたのか。
「ま、仕方ないだろ。もう、今日はさっさと寝ようぜ」
「俺はシャワー浴びたから、俊吾も入れよ」
「ああ、そうする」
俊吾がシャワーを浴びたあと、少し談笑して二人は就寝した。
後書き
やっと、鈴ちゃん登場。
だけど、こんな感じだと出番少ないんだろうな、と自己完結。
色々、ツッコミ所は沢山ありますが気にしないでください。
あと、苦情でも単純な誤字、感想などがありましたら御気軽にどうぞ。
返信は絶対にしますので。
次の更新は、2~4日後になりそうです。
それでは、また。
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