インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才
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会談中の事件
Side:真理
「また、ここに来る事になるとはねー」
「ですね。それに設備もキレイですし、私は好きですよ、ここ。」
俺はモニカさんと一緒にIS学園に居る。何故なら、俺達の入学手続きに今度IS学園に配備するジークフリード社のIS5機の手続きの為である。
「お待たせしました神倉様。此方にどうぞ」
IS学園の教員の女性に連れられ俺とモニカさんは学園長室に向かった。中に入ると轡木十蔵が待っていた。
「久振りだね神倉君。この前はなかなかの演説でしたよ」
「内心はかなり焦ってましたけど」
俺はソファーに座って会談を始めた。出された緑茶がなかなかの味でうまく、そして、会談も順調に進めでいると、いきなり停電した。
「停電ですかね?」
「なんかあったんですかね?」
『専用機持ちは全員地下のオペーレーションルームへ集合。今からマップを転送する。防壁に遮られた場合、破壊を許可する』
「今の『ブリュンヒルデ』の織斑千冬ですよね。いいんですか、あんなこと教師が言って?」
「……今の織斑先生を声にかなりの危機感を感じますね。事件ですね」
「本当、最近のIS学園は事件が多いですね。……織斑一夏の存在はIS学園にとっては疫病神かもしれませんよ。轡木学園長」
俺は皮肉を言いながらソファーから立ち、扉の方に向かった。
「おや、どちらに?」
「こういう事件に対処するのは、ジークフリード社の本当の仕事ですからね。ちょっと仕事に。モニカさん。ここで轡木学園長と待っといてください」
「分かりました」
モニカさんの言葉を聞いて、学園長室からでると廊下は薄暗く、防火シャッターが降りていた。
「メンドクサイな、まったく」
俺は左手を前に出して、防火シャッターを黒風の磁力で上に上げ、廊下を歩いて、進み始めた。
ー◇◇◇◇◇◇◇◇◇ー
Side:楯無
「さて、こんなものかしら」
私は織斑先生の命令で、特殊部隊の迎撃に向かい。無力化した特殊部隊の男達を特殊ファイバーロープで縛り上げ終えた。
(国籍はアメリカに違いないわね。無人機の情報のパターン三一に飛びついてきてるから、確実に)
しかし、不可思議なのは学園のシステムが停止したことだった。
あまりに長時間続くようなら、各教室のシャッターを破壊して外気を取り入れなければいけない。
(うーん、生徒会長自ら破壊行為っていうのは、さすがにちょっと……)
しかしまあ、迷ってもいられない。
「いきましょうか」
エネルギー節約のため、ISを待機状態に戻し、一歩、歩み出す。その瞬間、無音銃の弾丸が楯無の腹部を貫通していた。
「え?」
ぶしっと血が噴き出す。そのまま、わけもわからず楯無は前のめりに転倒した。
「やっと隙を見せたな……」
(しまった、私としたことが!)
縛り上げた男たちの拘束が解けていた。おそらく、隠し持っていたプラズマカッターで切り落としたのだろう。その四肢は自由に動いている。
「どうしますか?」
「こいつはロシア代表登録の操縦者だな。日本人のくせにISを手にするために自由国籍権で国籍を変えた尻軽だ」
「では……?」
「止血と応急処置、モルヒネで意識を鈍化、その操縦者ごとISを持ち帰る」
「了解」
リーダーの言葉を聞いてからの男たちの行動は早かった。まずは自殺されないように素早く猿ぐつわを楯無に噛ませる。
「ん、ぐぅっ!」
「抵抗するな。出血が激しくなる」
「…………」
ズキズキと腹部から骨肉をえぐり取るような痛みが響く。楯無は首筋に打ち込まれたモルヒネによって意識が遠のいていった。
(しん……り…………)
無意識のうちにその名前を呼んでいた。そして、楯無はかくんと意識を失う。
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