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IS 〈インフィニット・ストラトス〉×トリコ 食を探求する夏の毒!

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予期された脅威 後編

「てめぇなんぞの攻撃を何で俺が素直に食らったと思ってんだ・・・。燃えろ!ブレイズナックル!!!」

一夏の腕はよりいっそう燃え上がっていく。そして超高温の炎を纏った拳はジュラングへと振り抜かれた。

『グウッ!!』

ジュラングの腹部をもろに捉えた拳は一瞬右に回転して更に腕を腹部へとねじ込んだ後に再び回転して更に奥へと突き刺さっていく。

「ちとは堪えたか糞野郎!!何時ぞやの腕の借りを返えさせてもらうぜ!!」
『しつこい男は嫌われますよ?』
「てめぇみたいな奴に好かれて何も嬉しくねぇんだよ!!」
『同感です!!』

ジュラングはダメージを受けながらもまだ右膝が一夏に掴まれている事を利用して、左足を大きく上げて一夏の顎を蹴った。

「あがっ!!?」
『幾ら身体が丈夫でも人体の急所は護りきれないでしょう?顎が強く揺れれば脳も揺れる』
「がっ・・・ああう・・・」

一夏は掴んでいる膝を離してしまい、膝を付いてしまう。その隙にジュラングは一夏から距離を取る。この隙に一夏に攻撃するのは簡単だがそれでは真剣勝負ではない、ただの一方的な虐殺だ。ジュラングはライバルと認めているものとは簡潔に、本気の力同士、相手と殺しあう事を好む性格なのだ。

一夏は揺れる意識をハッキリさせる為に強く腹部を殴る。

何故顎を蹴ると脳が揺れるのか、骨格標本などを見て貰えば分かりやすいだろうが頭と首がくっ付いている場所は頭蓋骨の真ん中辺りになっている。頭は頭蓋骨の中心部、首の骨の上に乗っているという事になる。よって中心にから遠い部分を強い衝撃を与えると、てこの原理で揺れ幅が大きくなってしまう。脳は人体の他の部分と一緒で水分を多く含み、周りが大きく揺れれば当然中で細かく揺れてしまう。因みに格闘家が首を鍛えるのは、この衝撃を首の筋肉で抑え込むため。

「くっそ・・・急所狙ってきやがって」
『戦いに卑怯も糞もありません、あるのは強い者が勝者という事だけです』
「違い無い。んじゃ・・いくぞぉぉおおお!!!」『いきますよぉぉおおおお!!!』

二人は同時にダッシュし、互いに拳をぶつけ合う。それによって衝撃波が発生している辺りお互いの力がどれだけ強いという事が良くわかる。一夏は右足を上げてそのままジュラングのこめかみを狙うがジュラングは腕を上げてをそれをガードする。今度は左腕で殴りかかるがそれも軽くガードするジュラング、防御したままあいた右腕で一夏の腹部を殴る。続け様に胸を殴る、一夏はそれを食らって少したぢろぐ。そこを逃さないジュラングは腹部を蹴りつけて、連続で肩を蹴り飛ばす。一夏が体勢を崩すとジュラングがしゃがんだ一夏の背後から近づき、背後から組み付く。

『この程度ですかねぇ!』
「なめぇんなぁ!!」

一夏は組み付いてきたジュラングを腕を掴んで引き離そうとするがジュラングは離れようとしない。そこで一夏は身体を丸め、その勢いを利用してジュラングを投げ飛ばす。が、ジュラングはそのままくるくると回転して綺麗に着地する。

『まだまだですよ炎覇龍!!』

ジュラングはGTロボの手を丸くすると、そこから実剣が飛び出しそれを握る。が刃の部分は怪しくオレンジ色に光っている。それを見た一夏自らも手に炎を集中させて、炎を収束させた炎の刃を作り出す。

「おもしれぇ!かかってしやがれ!!」

ジュラングは軽快な走りで一夏に接近し剣で斬りかかる。それを身体を引いて回避して炎剣で一閃する。それをジャンプして華麗に避けるジュラング、今度は上段から振り下ろす二人。剣は強い音と光を発生させながらお互いを斬り合う。下段、中段と斬り合うとお互いにバックステップをし距離を取る。そしてジュラングが再び突進の勢いで突きを繰り出す。それを軽くいなした一夏は一気に距離を詰めてジュラングの頭を狙う。がジュラングもそれを呼んでいたのか剣を縦にしてそれを受け止め、両者は一気に近寄ってつばぜり合いを始める。

『剣の腕も中々ですねぇ!』
「黙って戦いができねぇのかお前は!!」
『出来ますけどやるからには話してやったの方が楽しいじゃないですか、会話しないと寂しくて死んじゃうんですよ私』
「お前は兎か付き合いたての彼女か!!」

そして強い力を込めるとお互いの剣が砕け散り、互いの身体に突き刺さっていく。

「ぐっ!!」『むぅ!!』

一夏には炎の剣の欠片が、ジュラングには実剣の破片が突き刺さるが。ジュラングはそのまま破片を放置。元々ジュラングの身体はGTロボ、ロボの身体なのに破片が刺さってもさほど問題など無い。が一夏は素早く炎を取り込み破片を消した。一夏の剣の破片は砕けても相手を焼きつくと言うものだからだ。自分は焼き付かされないが、ダメージの回避はしておくに越した事はない。

『むぅ・・・このままでは負けてしまいそうです。仕方ありません、この新型は犠牲する覚悟で挑みましょう。リミッター解除、フルスペックで戦わせて頂きます』

その言葉の次の瞬間、ジュラングのGTロボの雰囲気が変った。ぼんやりとしていたイメージがハッキリするようにジュラングがこの場にいるように感じられる。

「なるほど・・・それが新型の性能か、お前ほどの実力者の実力を100%伝える事が出来るとは技術がだいぶ向上したなおい」
『お褒めに頂感謝しますよ炎覇龍。所で、私たちのお仲間になる気はまだありませんか?料理人ランキング64位という実力もありますし、ボスもお喜びになると思いm「くどい!!」・・・残念ですねぇ・・・では力づくにでもお連れしましょう!!』

といってジュラングはダッシュするがそのスピードが以上に上昇しているのだ。まるで残像を作りながら走っているかのような速度だ。一夏も先程とは違うと思いながら向かうが、ジュラングは一夏の胸に一撃を加えてそのまま走り去る。一夏はその一撃を食らい、ジュラングの腕の上を一回転して地面に落ちる。一夏は素早く立ち上がりジュラングの攻撃を防ぐ。お返しとキックをかまそうとするがジュラングは軽々と後ろへと避けてしまう。今度は一夏はジャンプしてからのハイキックをお見舞いするが、それさえも軽く身を翻して避わされてしまう。一夏は踏ん張りをつけてブレーキをつけて、ジュラングの背中に組み付く。ジュラングは一旦身を沈めてから思いっきり跳ね上げて一夏を振り切る。一夏は毒ついてからスライディングでジュラングの足を狙うが、ジュラングは軽々と避けてしまう。

「おいおい、軽々と避けすぎだろ?」
『一発でも食らった危ないですからね。では行きますよ!!』

ジュラングは一瞬で一夏の懐に飛び込み、一回、二回と一夏の身体をつめで引っかき、身体が大きく揺れた所狙って一夏を投げ飛ばす。一夏は立ち上がるがジュラングは立ち上がってきたところを狙って走りこんできて、一夏を押し倒す勢いで回転し、そのまま投げ飛ばす。

「やるなぁ・・・さて、こっちもそろそろ反撃と行きますかぁ?」
『望む所です』

一夏は意気込むと、両肘に付いているプロテクター触りこう言った

獣化(ビーストオン)!グレイヴァ!!」

そういった瞬間、一夏の周囲の空気が変わる。まるでその周囲に超大型の猛獣がいるかのようなそんな空気だった。そして一夏を紫の光が包み込む。

「うぉぉおおおおおおおおおヴァァァァアアアアアアアアアアアア!!!!!」

全身の筋肉が膨れ上がり、その上に鱗の様な皮のようなものが広がっていく。青空のような蒼に緑が薄く混ざったような色。そしてそれは腕、手にまで広がっていく。指先は超振動クローが組み込まれたような鋭利な爪、肩にもまるで爪ようなショルダーカバーが付く。そして頭部は鎧のようなものが広がって行き、そこからはオレンジ色の鬣のようなものが広がる。最後には先が黒い尾が現れ、変化は終わった。獣、今の姿を現すには適切すぎる言葉だろう。

ジュラングもそれ変化を見ていたが驚きだった。

『ほう・・・少々驚かされましたが面白いものを見られました』
「それで済めば良いけどな!!」

ジュラングと一夏は再び同時に走り出すか、一夏は同等以上のスピードで走っていた。それに加えて体の切り替えが異常に早く、身体を恐ろしい速度で回転させて回し蹴りをジュラングの胸部に決める。ジュラングは思わず倒れこむ、一夏はその隙を逃さず組み付きに掛かるが、ジュラングが足蹴りで一夏を阻み失敗する。一夏はパンチをジュラングに決めるがカウンターでジュラングの拳も食らう。ジュラングは素早い切り替えしで一夏の胸部に蹴りを入れて、そのまま一夏を投げ飛ばす。一夏は投げながらも獣のような四つん這いになって衝撃を殺し、そのままバネが一気に戻るようなものを思わせる跳躍をし、ジュラングの足を持ってそのまま立ち上がって、そのまま背中を使って後ろへと投げる。

『グッ!何ですかこのパワーは!?まるでカイザーゼルヴァのようではありませんか!』
「そうだ、この獣化は俺の相棒の一体、カイザーゼルヴァの『グレイヴァ』の能力を具現化したものだ。まっ、あくまで具現化だからその破壊力を発揮できるかは本人のパワー次第だがな」
『ではこれはどうですか、ピーラー・・・ショット!!』

ジュラングは手を手刀の形にして、それを一気に振り切って衝撃波を一夏に向けて放つ。一夏は左腕を地面に突き刺し、右腕をジュラングに向ける。すると右腕は一瞬で変形し、拳大の大きさの銃口を持った銃へと変化する。

「グレイヴァバースト!!」

すると右腕から一気に凄まじい量の炎の弾丸が放たれる、1秒間に200発は下らない量だ。文字通り、炎の弾幕だ。その炎の弾丸は一気にジュラングの放ったピーラーショットを飲み込む灰と化した。そして残った弾丸はジュラングへと降り注いだ。

『ぐぉぉおおおおおお!!!』

凄まじい重圧と燃え上がる炎でジュラングは苦しみの声を上げる。その間も一夏はグレイヴァバーストの連射を止めない。異常ともいえる連射力、まるでマシンガンを構えた集団が一斉射撃を行っているかのようだ。

『うおおぉおおおおおおおお!!!!』

ジュラングは大きく腕を開くと、衝撃波が巻き起こり炎を全て弾き飛ばす。一夏も左腕を地面から抜き、右腕をグレイヴァバーストの上体からもとの腕へと戻す。ジュラングの息は激しく上がっており、かなり疲労の色が見える。

『はぁはぁ・・・恐るべき力ですね・・・。流石はグルメ界でも屈指の実力を持つカイザーゼルヴァの力です・・・』
「カイザーゼルヴァはグルメ界の猛獣の中でもバトルウルフとも互角の力を持った猛獣だ。バトルウルフと異なる点は、一匹狼という点ではなく、群れという集団で行動する事だ、ってお前に語る必要はなかったな。ここでさっさと倒させ貰うぜ」

一夏が爪を強調するようなファイティングポーズを取って相手を威嚇していると

『一夏!男ならそんな奴等に勝てなくてどうする!?』

突如、一夏を激励しているか馬鹿にしているのか良くわからない声が響く。一夏とジュラングが其方を向くと、そこにいたのは放送席を占領して叫ぶ篠ノ之箒の姿だった。

「なにやってんだあいつ・・・」
『邪魔ですね、戦いの邪魔です。消えてもらいましょう』

ジュラングが手を叩くと、左腕が光り始めて電気を帯び始める。異常な放電で空気がバチバチと激しい音を立てている。

『放電(ヴァーリー)!!』

パンチの要領で電撃は箒のいる放送席に放たれる。その攻撃を見た箒は動けなくなってしまう。例え動けたとしても放電を避ける事など出来ないが、放送席に当たる寸前、電撃は何かと激突して消え去ってしまう。

『・・・?ああなるほど、彼女のせいですか』

ジュラングの視線の先には両手剣を持って、周囲のGTロボの残骸の山を作っていたアリトだった。

「ジュラング、貴方の好きにはさせませんよ。正直、あの少女の行動は自ら危険な事をしただけの事。彼女の自業自得ともいえますが貴方の思い通りになると個人的に不快なので邪魔させていただきました」
『やれやれ、正義の味方ではなく現実的な考えは私の好みですが、それで良いのですかね』
「良いんですよ、彼女は一度自分がどれ程愚かな馬鹿な行為をしたと自覚した方が良い。一夏様、お手伝いは要りますか?」
「いや十分だ。それよりあの馬鹿をどけてくれ、これ以上やられたら戦闘の邪魔だ」
「了解しました、仰せのままに」

そう言ってアリトはアリーナから出て行って放送席に向かう。

『さてと、決着をつけますか?』
「そうだな、もう少し遊びたい気もするがそろそろ終わらせるか」

お互いに距離を取ると、互いにある構えを始めた。

ジュラングは両手を合わせ、少し離すとそこへ電撃を集めて巨大な雷撃の塊を作り出す。

一夏は両手を拳を作って胸の前でぶつけ、右腕に巨大な炎の塊を纏わせる。

『食らうが良い!神の雷撃!』「ブレイズム!!バルガァァァア!!!」

巨大な雷撃、膨大な熱少量が同時に射出されぶつかり合う。ぶつかり合いながら電撃と炎は巨大化していく。互いのエネルギーが干渉しあって、危険な状態になっていく。、がここで一夏が動いた。ブレイズムバルガーを放ちながら全身、全身にブレイズムバルガーを鎧として纏いながら雷撃に突っ込んでいく。雷撃と炎は激しく交錯し、遂には一夏の背後で大爆発を起こす
。一夏はその爆発を利用して一気に突進する。

『なにぃ!!?』
「もらったぁ!!ブレイズスラッシュ!!」

一夏の手は炎を纏って巨大化し、そのままジュラングの喉元に炸裂し、そのまま斜めに切り裂き身体を切り裂いた。

『ぐわぁぁあああ!!!・・・ここまでですか・・・残念です』

そういい残したジュラングの言葉はGTロボの爆発とともに消え去った。一夏は背後で起きるGTロボの爆発を受けながら、これから起きるであろうGTロボ、美食會との戦いのことを考えていた。 
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