八条学園怪異譚
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第三十五話 座敷わらしその五
「何か凄く危ないですね
「危ないの?私が言うと」
「はい、それで許嫁の方にも迫るとかは」
「ああ、してるわよ」
当然といった感じでだ、茉莉也は聖花に答えた。
「例えば猫耳メイドとかね、ちゃんと肉球も付けてね」
「猫の手ですか」
「そう、もうこれで彼は悩殺よ」
「何か無茶なことしてますね」
「無茶かしら」
「というか猫耳本当に持っておられるんですね」
「猫耳だけじゃないわよ」
見ればその手に早速猫耳を出しtげきている、猫耳のヘアバンドだ。
「あとメイド服も持ってるから」
「それもですか」
「うちの学校の制服でも。普段着ている赤と黒だけじゃなくて」
それだけではなく、というのだ。
「コギャルみたいなのとか、セーラー服とかね」
「学校の制服も利用してるんですか」
「別にいいじゃない、体操服も半ズボンだけじゃなくてブルマも持ってるわよ」
「ブルマって」
「普通はもう誰も穿いてないけれどね」
最早過去の遺物となっている、今この子供達で実際に見た人間は最早存在しないと言っても過言ではない。
「黒と紺、赤持ってるわよ」
「三つもですか」
「ブルマは」
「そう、上は普通の体操服で下だけね」
半ズボンではなくブルマだというのだ。
「他にはスクール水着にボンテージ、チャイナドレス、バニーガール、浴衣にってね」
「滅茶苦茶持ってません?」
「というかそこまでいくと萌えじゃないですよ」
「風俗ですよ」
「そのままじゃないですか」
二人は茉莉也の意気揚々という言葉にかなり引きだしていた、だがその当人はうきうきとした感じで話している。
「そうかしら」
「そうですよ、何か妖しいですよ」
「そこまでですと」
「脚は今はガーターだけれどね」
黒いストッキングに覆われた脚のスカート、その赤と黒のチェックの制服のスカートを少しめくる。すると太腿のかなり先の辺りでガーターが見えて来た。小柄な茉莉也だが脚はかなり見事だ。
「こんな感じでね」
「ですから高校生でガーターって」
「やり過ぎですよ」
二人は茉莉也に困った顔で言う、その目は彼女の脚に釘付けになっている。
「それもかなり」
「妖し過ぎます」
「これが彼に大人気なのよ」
その彼氏にだというのだ。
「もうコスプレ大好きでね」
「何か許嫁の人も結構なんですね」
「そうした感じなんですね」
「まあね、普段は真面目だけれど」
こうした場合に常に出る言葉だ、まさにいつもである。
「そっちは凄いのよ」
「というか凄過ぎます」
「先輩に合ってる人だと思いますけれど」
「何かもう全然子供じゃないですね」
「完全に大人じゃないですか」
それもかなり妖しい意味で、である。
「先輩って何か本当に」
「子供じゃないですね」
「まあね、背はこんな感じだけれど」
一五一、若しくは一五〇か。それ位だ。
「それでもね、ただ下着は白だから」
「その下着まで見えそうですけれど」
「あの、もう少しで」
茉莉也はまだスカートをめくったままだ、絶対領域の域まで達している。
「白いものはまだ見えてないですけれど」
「かなり危ないですよ」
「おっと、じゃあもうこれでね」
二人に言われてだった、茉莉也もやっとスカートから手を離した。スカートはすぐに元に戻りガーターも見えなくなった。
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