黒子のバスケ 無名の守護神
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第十六話 信じてました
『これから第4Qを始めます。』
ここから今まで以上に過酷な試合になると思います。
王者としてのプライドがある秀徳。
去年の雪辱をはらし、決勝リーグに駒を進めたい誠凛。
どちらも譲れない思念が激突しているようです。
そして火神と緑間くんが一対一と言う状況になってます。
監督がいうには「第4Q最初のシュートをひっぱたけ。」だそうです。
と言うことなので僕も一旦緑間くんのマークから外れています。
でもすぐにマークに戻る予定でいるけどね~。
僕は緑間くんをチラ見すると緑間くんはシュートを打とうとしていた。
これを取ろうと思うひとが僕以外にいることにはじめて知ったよ。
そして火神のジャンプ力は緑間くんのシュートを軽々止めている。
信じがたい事実だよ。
「火神~。ナイスカット~。」
とか言っておこう。
そして
「伊月先輩。ナイスシュート。」
いいプレイだよね~。
僕には真似のできない連携プレイだよ~。
だってカットしたボールすぐゴールなんて出来ないでしょ。
そろそろかな。
「クロちゃん。」
「はい。」
イグナイトパスを出してもらう。
最初は火神に出してもらって。
それ以降は僕に出してもらう。
多分イグナイトパスを使うのはさっき話していたから間違いない。
そして火神のジャンプも勝負どころで使うから可能性が高いのはパスが火神に渡ったとき。
高尾くんが困ってるようだね。
それもそうか。
狭まった視野ではクロちゃんをとらえることはできないもんね~。
でも高尾くんの対応もスゴいね。
火神とボールの間に入るなんて。
でも次のパスは加速するはず。
だからそんなところにいても意味がないよ~。
そこから打つんだから。
「うぉおおお!!」
すげぇ声。
でも火神はこの試合ではもうジャンプができない。
「火神。ナイスシュート。」
次からは僕が火神をカバーしないと。
火神が偽守備で僕が本守備で行こう。
緑間くんはいままで以上にシュートを打てないはずだから。
それでこのままいけば勝てる!
と言うのは甘い考え方であろう。
実際は火神のハッタリがバレるのは時間の問題だから計画通りにはいかない。
そこをどおするかは監督の指示しだい。
残り3分か~。
このままだと不味いな~。
点差はちょっとだけど秀徳も必死に守ってくるはず。
でもクロちゃんが自由になれたから攻撃の幅は広がったはず。
それにクロちゃん絶好行みたいでいまも二戸部先輩にパスが繋がったようだし。
「これで2点差か~。」
『ビーーーー。秀徳、タイムアウトです。』
ここでタイムアウトか~。
まぁ当然か~。
ここで抑えないといけないんだからね~。
そしてここからは本当に緑間くんだけで来ると思うんだよね~。
だってそれが最良の一手なんだから。
そうなると僕が緑間くん相手に全力でいかないといけないみたいだよね~。
「だり~、けど頑張るか~。」
そうなると緑間くんの動き以外にも周囲の動きも見ないといけないから鷲の目を使っておかないと行けないし、絶対守備と呼ばれる守備をしないといけない。
でも勝てればこれくらいのことは気にしない。
てか絶対勝つから。
「よし。残りも頑張っていこう~。」
残り時間は2分51秒。
「最初から緑間くんかよ~。」
「それはこっちの台詞なのだよ。またお前が俺のマークだなんてとことんついてないのだよ。」
「でも今回は僕じゃ無いみたいだよ。」
そ僕が言い切るとクロちゃんが緑間くんに渡る予定だったパスをカットした。
影が薄くて気づかれなかったようです。
そしてボールは日向先輩に渡ったけどあのセンターの前じゃレイアップは無理だよね~。
今の得点は70対68かぁ。
でもスリーポイントを打てば・・・あっ!
緑間くんヴがスリーポイントを好む理由は確かブザービーターでとどめをさすためだっけ。
良かった~、思い出せて。
それならシュートは任せて緑間くんのマークに専念しないと。
残り15秒。
点差はいまだに2点。
でも日向先輩たちが頑張っている。
火神も大型センターのスクリーンにすぐに徹している。
これはいけるかも。
「入った。」
観客も凄い歓声だ。
ここまで白熱するなんて誰も思って無かったでしょう。
でもこれで終わりではない。
だってまだ緑間くんのブザービーターの可能性が有るのだから。
だから僕は緑間くんからずっと離れていない。
「勝ってねーよ、まだ。」
来た!
しかも高尾くんのパスか~。
と言うことはクロちゃんのマークはしてなかったんだ~。
それともマークをしていたけど速攻が出来るように準備をしていたのかな?
どちらにせよ。
「打たせないよ。」
と僕はパスをカットしようとしたが緑間くんにボールを取られてしまった。
「ヤバッ。」
しかし緑間くんの前に火神がいる。
「火神―!」
火神は限界を超えてジャンプをしたが緑間くんはボールを一旦下げた。
「だろうな。信じていたのだよ。たとえ限界でもお前はそれを超えて飛ぶと。」
僕も信じていたよ。
クロちゃんがすぐに来ると
「ボクも信じていました。火神くんなら飛べると。そしてそれを信じた緑間君が一度ボールを下げると。」
そう言ってクロちゃんはシュート体制の緑間くんのボールを叩きました。
『ビーーーーーー。試合終了ーーー!!!』
70対71。
ギリギリの勝利。
「70対71で誠凛高校の勝ち。」
「「「ありがとうございました!!!」」」
後書き
次回はお好み焼き屋での会話と勉強会です。
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