リリカルなのは~優しき狂王~
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第四十二話~新しき家族~
前書き
お久しぶりですm(_ _)m
今回はあまり話は進みませんがその分、書くのが難しかったです。
あと、今回は最後にアンケートを挟むので答えて頂ければと思っています。
では本編どうぞ
機動六課・隊舎
市街地及び地下道での戦闘から一晩が経った。
ライは戦闘後、寝込む―――なんてことはなく、戦闘が終了したその日の夕方には目を覚ましていた。見た目派手な怪我をしていたため、結局は安静の為にその日は医務室のお世話になることにはなっていたが。
デバイスの方は地下での戦闘の損傷等で、パーツ交換や再調整等のメンテナンスが必要になっていた。
因みに医務室で安静にしなければならなかったライは、蒼月とパラディンの状態を聞いたときにデバイスルームに向かおうとしたが、はやてとシャマルの説得という名の脅しを受けて諦めた。
その後、はやてからは先の戦闘のあらまし、そしてライからは地下に取り残された後に何故ヘリの方に向かっていたのかをそれぞれ説明した。
はやてが話したのは、結果的に容疑者は全員逃走したこと。だが、レリックは確保できたこと。そして―――
「戦闘機人?」
「うん。数年前までは合法的な研究やったんやけど、人道的にも効率的にも問題があって禁止されたもんやったんやけど………」
「実際はジェイル・スカリエッティによって実戦に耐えうるものが出来ていた……ということか」
「それに…………今回保護した、あの子も……」
「……実験のための素材、か」
そう言って2人の間に沈黙が降りた。だが、感傷に浸る思考を振り払い今度はライがはやてに説明を始めた。
「…………僕がフォワード陣と分断された後、その場にいた敵機はすぐに無力化できたんだ」
「うんうん、それで?」
「その後、上に出てフォワード陣に合流しようと思ったんだけど、結局はそれをやめてヘリの方に向かったんだ」
「そこが疑問なんやけど、なんでヘリの方に向かったん?」
「今回の戦闘のガジェットとナイトメアの展開の動きはこれまでと違って戦略的なものを感じた」
そのライの言葉にはやては頷いて返した。
「それで敵の目的がレリック。そしてもし僕が敵の指揮官なら僕もヘリを狙うと考えたからそっちに向かった」
「…………」
「…………」
「…………え、そんだけ?」
「うん」
「ちょ、ならライ君はなんでヘリの方を狙うん?」
「これまでの戦闘で機動六課の戦力の内、何人かは陸戦しかできないことは判明してる。だから、狙うのなら敵の戦力を減らすことが出来る空を狙う」
「でも、空の方には隊長陣がおるやん」
「ナイトメアはガジェットと比べて戦力が桁違いだ。だから、空戦仕様のナイトメアが出てきた場合、隊長陣がそれの対応を優先する。なら、陽動は簡単にできる」
「うっ……」
ライの予想通り簡単に陽動に引っかかったはやてはバツが悪そうに顔を逸した。
「なら、後は空戦型のガジェットを投入するだけでもレリックの奪取はできる」
少し凹み気味のはやてに説明を終えるとその日はお開きになった。
そして翌日、ライは医務室から出てすぐに隊長室に呼び出された。呼び出されてすぐに隊長室に向かったライが隊長室に入るとそこには、はやてとフェイトの2人が何かを話していた。
だが、2人の会話は切りの良いところまで終わっていたのか、すぐにライの方に視線を向けてきた。
「ああ、ライ君、これから会わせたい人らがいるから外出の準備してもろてもええ?」
「それはいいけど、会わせたい人というのは……」
「それは向こうに行ってから教えるわ。そこに行くんは私とフェイトちゃんとなのはちゃん…………なんやけど、なのはちゃんは今少し外に出とる。けどもう少しで帰ってくると思うから、準備しといてな」
「ああ、分かった。―――っと、僕が買った服は?」
部屋から出ようとしたライは一度立ち止まり、2人に問いかける。それに応えたのはフェイトであった。
「蒼月に収納されてた服なら、ライの部屋に運んでおいたよ」
「ありがとう。……確認するけど、正装をしたほうがいいのかな?」
因みに今のライの服装は白のワイシャツと黒のスラックスという、いつもの格好であった。ライの質問にはやては「特に気にせんでええけど見苦しくない程度に、な」という答えを返した。
その後、ライは自室に戻り着替えを行い、事前に待ち合わせをしていた隊舎の出入り口で待っていた。だが、しかし―――
「…………早かった、かな?」
待ち始めて十分以上経ってからライはポツリと呟いた。
既になのはが帰ってきていることは、はやてからの連絡をもらっていた。だが、それにしては遅いと思ったライは一度様子を見に行こうと隊長室に向かう。しかし、隊長室はもぬけの殻で、どうしたものかと考えていたときにある声がライの耳に届いた。
その声は管理局のような警察機関には不似合いな声。子供が誰かに向けて自分の感情をアピールする手段である、泣き声であった。
「?」
何故かその声が気になり、ライは声のする方に向けて足を進める。ある程度進むと、ライはある部屋の前で足を止める。その部屋はなのはとフェイトの相部屋。
「…………」
流石に女性の部屋にいきなり入るのは躊躇われたので、ライは一度部屋の扉をノックした。
『あ、誰かな?』
中からフェイトの声が聞こえたと思うと部屋の扉が開く。それと同時に今まで聞こえていた泣き声の大きさがワンランク上がった。
「あ、ライ。ごめん、待たせちゃった?」
「いや、それはいいけど。泣き声が聞こえたんだけど……どうかしたの?」
質問しながらライは部屋に足を踏み入れる。最初は入る気がなかったが、中にはなのはとフェイトの他にはやてやフォワードメンバーも見えたためだ。
「えーと、昨日保護した女の子を六課で保護することになったの」
「え?」
初耳のその情報にライは驚く。よく見るとなのはの体で隠れて見えないようになっているが、チラチラと揺れる金髪が見えている。そしてその周りで必死にフォワードメンバーがその娘をあやそうとしていた。
「いっちゃ、やだ~~~~~!!」
泣きながらそう叫び、その小さな手でなのはの制服を必死に掴んでいる彼女を見るとなんとなく今の状況をライは察した。
「………ねぇ、はやて」
「うん?この状況をどうにかする妙案でも思いついたん?」
「今日、僕に会わせたい人がいると言ってたけど、それは今日でないとダメかな?」
「……なんとか、都合付けるわ」
ライの言葉を聞いて、ライの言いたいことに気付いたはやては目線でOKサインを出した。
そのはやてのサインを確認したライはなのはの元に近づいていく。
「ライ君?」
近づいてきた足音に気付いたなのははその近づいてくる人物の名前を呟く。ライは自分に任せてと言うように少し頷いて見せる。
ライはなのはにしがみつくその女の子に近づく。そしてなのはの服を握る手を触る。するとこれまで頑なに離すことのなかったその手がするりと外れる。そしてなのはから受け取るようにライはその小さな女の子を抱っこした。
「ふぇっ……」
手が離れた彼女は一瞬悲しそうな声を漏らす。だが、自分を抱っこしているライの顔を見ると泣くのをやめる。その時初めて、ライはその子の左右の目の虹彩色が違うことに気付いた。そのままじっとライの顔を見つめる彼女にライは優しく声をかけた。
「初めまして…………っていうのも変かな?こんにちは、僕はライって言うんだ。君の名前は?」
「……ヴィヴィオ」
キチンと自己紹介してくれたことを褒めるようにライは笑みを深くして、さらに言葉をかける。
「ヴィヴィオはなのはと一緒にいたいのかな?」
「……うん」
「そうか……でもねそれはなのはも一緒だと思うんだ」
「え?」
「なのはもヴィヴィオと一緒にいたいけど、お仕事をきちんとしないとこれからあまり会えなくなってしまうかもしれないんだ。それでもいいのかな?」
「……いやぁ…」
ライの説明を理解し、悲しくなったのかヴィヴィオの声は湿り気を帯びた。そんなヴィヴィオを慰めるようにライは優しくヴィヴィオの頭を撫でる。
「うん。だから、なのはが待っている間は僕が代わりにいてあげるからそれでもいい?」
「!……ふぇ……」
ライの言葉に一瞬驚いた表情を見せたヴィヴィオは、先ほどなのはにしていたようにライにしがみついた。目尻には、未だに涙が浮かんでいたがそこには悲しみよりも安堵の気持ちが込められていた。
そんな彼女の背を優しく撫でながらライは周りで自分を見ているギャラリーに声をかけた。
「エリオ、キャロ」
「は、はい!」
「なんですか?」
「悪いんだけど、折り紙とか本とかおもちゃになりそうなものを持って来てもらってもいいかな?」
「「分かりました!」」
ライからの頼み事を聞いた2人はすぐにその部屋を後にした。
「ティアナとスバルは厨房に行って子供が食べやすいおやつか軽食を作るように頼んで来て欲しいのだけど」
「分かりました」
「行ってきます!」
ティアナとスバルの2人もエリオとキャロに続くように部屋から出ていく。
「なのは、フェイト。ヴィヴィオと待つのはこの部屋でいいかな?あと、寝るときはこの部屋の布団を使っても?」
「「え、うん。いいよ」」
ライがてきぱきと指示を出すことに少し驚いていた2人であったが、ライの質問には反射的に答えていた。
「じゃあ、なのは。僕は少し部屋の外に出ているから」
「……え?」
ライの言葉が一瞬理解できず、なのはは呆けた声を出す。そんな彼女の反応に苦笑しながら、ライは口を開いた。
「これから外出するのにその格好は少し、ね」
そう言われてなのはは自分の格好を改めて見ていく。彼女はいつもの制服を着ていたのだが、ヴィヴィオがしがみついていたため、その所々にシワがより、乱れていた。
自分の今の格好を理解できた彼女は顔を赤くし、すぐに着替えを取りに行く。ライの方は慌てずに部屋から出て、彼女が着替えを終えるまでヴィヴィオをあやしていた。
そうしていると、フォワード陣の4人が戻ってきてライにおもちゃの入った紙袋を渡し、そして食事の方は一時間後に届けてくれる事を話した。
ライはお礼を言うと業務に戻るように言い、その4人はデスクワークをするためにその場を後にした。それと入れ違いになるように部屋の扉が開き、なのは、フェイト、はやての3人が出てくる。
「ほな、準備も出来たし行ってくるわ」
「うん、ごめんね。わがまま言ってしまって」
「そんな事ないよ。ライ君のおかげで助かっちゃった」
「それにしても、手馴れてたな~」
「昔は妹もよくこんな感じだったから」
「「「………」」」
ライの答えに3人は顔を曇らせる。その3人の他人に対する思い遣りを感じたライはできるだけ明るい口調で言葉を紡ぐ。
「大丈夫、それは僕にとっては幸せな思い出だから。悲しまなくてもいいんだ」
そのライの言葉で3人はその落ち込んだ表情を少しはマシになった。
そこでライに抱えられたヴィヴィオが、なのはの方に視線を向けていることにその場の全員が気付いた。
「…………ゃ………ぃ……」
「ん、なにかな?」
ヴィヴィオが小さく口を動かしたことに気付いたなのは優しく問いかける。
「……いって、らっしゃい……」
「!…うん!行ってきます」
小さな声ではあったが確かに聞こえたその言葉になのはは顔をほころばせた。
「なのはが帰ってくるまで、ライといい子にしてるんだよ?」
持ち前の過保護さから、フェイトはヴィヴィオに優しく微笑みながら言葉をかける。だが、次のヴィヴィオの言葉でこの場にいるヴィヴィオ以外の4人は固まった。
「うん……パパと待ってる」
「「「「え」」」」
思考停止した4人が正気を取り戻すのは、4人が固まったことに不安を覚えたヴィヴィオが再び愚図りだした時であった。
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ラ「皆さんお久しぶりです。相変わらず司会進行のライ・ランペルージです。今回は作者が言っていたアンケートがあるのでその辺りの説明を本人にしてもらいます」
作「まだ、レポート残ってんのにこんなことしてる作者です。よろしく」
ラ「……前回も言ったけどなにやってんのさ」
作「やかましい!人間が勉強だけできる生き物だと思うなよ!」
ラ「はいはい、で?アンケートの内容は?」
作「次回作についての意見が聞きたいんだが――」
ラ「ちょっと待て、この作品が完結してから書くんじゃなかったのか?」
作「いや、他の作品を書くのはいい刺激になるから」
ラ「書いてる内に載せたくなったと?」
作「まぁ、けどほんとに大雑把にしか書いてないから掲載はまだ先だけど」
ラ「じゃあ、アンケートの内容は?」
作「二、三個クロスオーバー物を書いたんだけどどれが皆読みたいのかと思って。と言う訳で読者の皆さん下記のどちらかの番号を選んでください」
①マブラヴ×Gジェネ(マーク・ギルダー、バナージ・リンクス、トビア・アロナクスが参戦。機体はフェニックス、フルクロス、ユニコーン)
②ゼロの使い魔×TOXシリーズ(主人公はジュード、その内テイルズ側のキャラを1人追加予定)
作「と、こんな感じ」
ラ「……前やった次回予告と違う気が?」
作「一度書いてみたんだけど、話が破綻した」
ラ「………」
作「………」
ラ「なんで?」
作「自分の技量が未熟だからです。ゴメンなさいorz」
ラ「はぁ…………それで今回は以上?」
作「そうです。え~~と、読者の皆様方、こんなダメ人間まっしぐらな作者ですがこれからも読んで頂ければ幸いです。それではまた次回( ´ ▽ ` )ノ」
ラ「次回もお楽しみ(?)に」
後書き
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