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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0308話

 千鶴と仮契約を結んだ翌日の放課後。俺の姿は例の如くエヴァの別荘にあった。他にも俺の従者となったあやかと千鶴の2人に、ここの主であるエヴァにその従者である茶々丸とチャチャゼロ。ここまでは今までと同じメンバーなのだが、今日はそれに追加メンバーがいた。

「うわっ、何ここ!? お城!?」
「これって、多分ダイオラマ魔法球って魔法道具だと思うけど……あれって凄く高価だって話なのに。さすがエヴァンジェリンさん」
「俺っちとしてもオコジョ妖精としてこの世に生を受けてから随分経ちますが、こんなに驚いたのは随分と久しぶりでさぁ」

 上から順に、神楽坂、ネギ、カモだ。
 昨日は結局仮契約が終了して、千鶴のアーティファクトを検証している時に時間も遅くなってしまったのでそのまま解散したのだ。……千鶴のアーティファクトは色々と広範囲に影響を与えるタイプらしいという問題ももちろんあったのだが。それで、その辺を全く気にしなくてもいいエヴァの別荘で改めて千鶴、そしてあやかのアーティファクトを検証する事にになった訳だ。
 カモは仮契約やアーティファクトに詳しい為に。ネギはカモの雇用主だったりアーティファクトに興味があったり。そして神楽坂はエヴァとの模擬戦でネギと仮契約をしているのでついでにそのアーティファクトも確認しておく目的でこのエヴァの別荘にやって来たのだ。
 だがそんな目的も城を中に内包している魔法球を見た瞬間に吹っ飛んだらしく物珍しげに周囲を見回している。……転移してきた時は例の手摺りもない通路におっかなびっくりとしていたのだが。
 千鶴とあやかもこの中に入った時に経験した為に、3人の気持ちが分かるのか生暖かい目で見守っていた。

「全く、今日はアーティファクトに関して調べる為に来たんだろうに。雪広あやか、那波千鶴、アーティファクトを召喚しろ」

 エヴァの言葉に頷き、2人揃って口を開く。

『アデアット』

 次の瞬間、あやかは黒のパーティドレスに。千鶴は赤のパーティドレスに身を包んでそれぞれのアーティファクトであるナインテールと腕輪を装備した状態になっていた。

「……うわ。いいんちょもだけど那波さんも派手な格好ね」

 唖然とした様子の神楽坂の呟き。それも無理は無いだろう。2人共、黒と赤という違いはあれど、それなりに派手なパーティドレスに身を包んでいるのだから。
 あやかは元々スタイルがいいし、千鶴に関してはそのボディラインは大人顔負けのものだけに微妙に目のやりどころに困る。実際、ネギは顔を赤くして視線を逸らしているし。……カモは大喜びだが。

「明日菜さんもアーティファクトを出してみては?」
「え? うん。えーっと……アデアット」

 あやかの言葉に頷き、神楽坂もまたカードを構えてアーティファクトを出す。だが、それは……

「ハリセン?」

 そう、それは1.5m程はあろうかという巨大なハリセンだった。

「え? あれ? 何で? アーティファクトってカードに書かれてる武器が出て来るんじゃないの?」

 手に現れたハリセンとカードを見比べながら混乱する神楽坂。その様子が気になり、近くまで移動して神楽坂の持っているカードを覗き込む。
 そのカードに描かれていたのは制服姿の神楽坂と、身長程の長さの刀身を持つ巨大な剣だった。

「もしかして、姐さんは突っ込み担当だからハリセンとかっすかね?」
「んな訳ないでしょ!」

 スパーンッと、その巨大なハリセンでカモへと突っ込みを入れる神楽坂。その様を見る限りでは、カモの説も意外と当たっているのかもしれない。

「……まぁ、神楽坂明日菜のアーティファクトは置いておくとして」
「置いておかないでよ!」
「知るか。そんなハリセンでどうしろと言うんだ。……置いておくとして、だ。まずは雪広あやか。お前のアーティファクトだな。名前は鮮血の鞭とか言ったか。……らしいと言えばらしいのか」

 エヴァが苦笑を浮かべながらあやかに促す。

「ホホホ。これは私とアクセル君の愛の結晶ですわ」

 愛の結晶かどうかは別として、俺の影響を受けたアーティファクトである事は間違い無いだろう。何せ、あやかの持っている鞭は9条の鞭。ナインテールだ。その様は明らかに俺がグロウセイヴァーで近接戦闘用に使っている武器であるアダマン・ハルパーのナイン・テールモードをイメージさせる。

「そして那波千鶴のアーティファクトは虹色領域の腕輪、か」
「ええ」

 こちらもどこか嬉しそうに、右腕に嵌っている腕輪をエヴァの方へと見せる。

「パクティオーカードによるアーティファクト召喚は、マスターカード側でアーティファクト名を知る事が出来るのはともかく、取説のような物がないのが難点だな。まぁ、その辺はおいおい試していくしかないか。雪広あやか、まずはお前だ。その鞭をちょっと見せてみろ」
「わかりました」

 差し出された鮮血の鞭を手に取り、調べるエヴァ。

「鮮血の鞭と言うからには、血に関係した特殊能力か何かがありそうだが。……うん? この先端についてる剣先は……ほう。なるほど」

 鞭の先についている9つの剣先を触り、興味深そうな笑みを浮かべると突然呪文を唱え始める。

『魔法の射手 氷の1矢』
「おいっ!?」
「ちょっ、エヴァンジェリンさん!?」

 その突然の行動に焦る俺達だが、エヴァの呪文によって出現した氷の矢はただそこに浮かんでいるだけだった。

「……む? 私の勘違いか? いや、待てよ。これは仮契約で出て来たアーティファクト。という事は……おい、アクセル。ちょっとこっちに来て魔法を使え」
「は? 何だよいきなり」
「いいから、こっちに来い」

 首を傾げながらもエヴァの近くまで移動すると、鮮血の鞭の先端に装備されている剣先を手渡される。

「その剣先を持って何か簡単な魔法を唱えてみろ」
「まぁ、構わないが」

 エヴァの言葉に頷き、軽く意識を集中して呪文を唱える。

『プラクテ、ビギ・ナル……火よ灯れ!』

 その呪文を唱え終わると同時に火が現れ……現れ……

「え? 何で魔法が発動しないんだ?」

 俺の唱えた魔法は特に効果を発揮する事無く、何も起きなかったのだ。
 チラリと自分のステータス画面を覗くと、SPが1減っていたので発動しなかったという事は無いと思うんだが。……あ、SPブーストの効果で全快した。

「……分かるか?」

 そんな俺を無視してあやかへと尋ねるエヴァ。その問いを受けたあやかは、数秒鮮血の鞭を手に目を瞑っていたがすぐに頷く。

「ええ。分かりますわ」
「そうか、なら使ってみろ」

 エヴァの言葉に従い、鞭を振り上げて誰もいない場所へと向かって振り下ろすあやか。するとピシィッという鞭が地面を叩く音がして、同時に。

 轟!

 とばかりに人の頭部程の炎が鞭の先から発射された。

「やはりな」
「エヴァ?」

 どこか納得した様子のエヴァへと尋ねると、得意げな様子で説明を始める。
 どうやら鮮血の鞭の先端に付いている剣先には魔法を封じ込めておくことが出来るらしい。そしてそれを使用者のあやかが任意で発動させる事が可能、と。
 ただし注意としてはどうやら魔法を封じる事が可能なのはあやかの契約者である俺とあやか、そして俺の契約者である千鶴のみらしい。敵の魔法を吸収出来るのなら凄く使い勝手がいい武器なんだがな。

「結局、使える武器という認識でいいんですの?」

 あやかのその問いに、カモが大袈裟に頷く。

「当然っすよ! 未発見アーティファクトで、おまけに9つの魔法を封じて置いて任意に使用が可能。それとまだはっきりとは分かりませんが、血に関する能力もあると思われるってんですから……これをオコジョ協会に報告したら報奨金がザックザクでさぁっ!」

 ちなみに、これも後で判明したのだが鮮血の鞭に魔力を込めるとそれなりに自由自在に鞭を操れるようにもなるらしい。

「さて、次は那波千鶴。お前の番だな。虹色領域の腕輪と言ったか。まずは昨日発動させたという奴を使ってみろ」
「……これでいいかしら」

 千鶴が腕輪の赤い石へと触って発動すると、千鶴を中心にして昨日と同じような赤いドーム状の障壁が形成される。
 その障壁の中に取り込まれたエヴァは興味深げに障壁をペタペタと触り、障壁の外にいるチャチャゼロへと声を掛ける。

「チャチャゼロ、ちょっとこの障壁に攻撃してみろ」
「アイヨ、ゴ主人!」

 愛用の鉈を振り上げ、障壁へと叩き付けるチャチャゼロ。だが、振り下ろされた鉈はガキンッという音と共に障壁に弾かれる。

「ゲ! マジカヨ」
「ふむ、なるほど。障壁自体は私の使っている魔法障壁と同じような形式だな。那波千鶴、次だ」
「はい」

 次に、橙色の石を触って虹色領域の腕輪を発動させる。すると、これもまた昨日と同じように橙色のドーム状の障壁が作り出される。

「これは特に何も……いや、違うな。ほう、なかなか」

 ドームの中にいるメンバーの中で、エヴァだけが何かを理解したかのように感心したような目を千鶴へと向けていた。

「アクセル、ぼーや、お前達にこの橙色の結界……いや、アーティファクト名に因んで領域と呼ぶべきか。この領域の効果が分かるか?」

 エヴァの言葉に首を振る。横を見ると、ネギもまた黙って首を横に振っていた。

「アクセルはともかく、ぼーやには感じ取って欲しかったのだがな」

 俺はともかく、ネギには? どういう意味か分からない俺達に向かいエヴァが答を告げる。

「この橙色の領域には常時回復効果がある。もっとも、回復効果自体はそれ程高性能では無いがな。だが、この領域に入っているメンバー全てに回復効果を与えられると考えた場合はなかなかに高性能だ」

 常時回復効果……いわば、FFのリジェネのような効果か。

「次だ」
「はい」

 次に千鶴が起動させたのは黄色の石だった。例の如く、ドーム状に黄色の領域が広がる。ここまではいつも通りだった。しかし……

「ぐっ」
「うわっ」
「え?」
「……何?」

 その領域内にいるエヴァ、ネギ、あやか、俺が思わず声を漏らす。

「これは魔力を強制的に放出させられてる、のか? 那波千鶴、この領域を解除しろ」
「分かりました」

 何が起きたか分かっていない様子の千鶴が黄色の領域を解除する。それでようやく安堵の息を吐く一同。

「黄色の領域はその領域内にいる対象から魔力を強制的に放出させる……いや、違うな。那波千鶴の魔力が多少ではあるが回復しているところを見ると魔力を吸収する能力か。魔法使いに対しては天敵、とまでは言わないが嫌な能力であるのは間違い無いな」

 魔力を強制的に吸収する能力か。攻撃魔法というよりは補助魔法みたいな認識でいいのだろうか。

「これでは、他の色がどんな能力なのやら想像もできんな。那波千鶴、次だ」
「はい。……あら?」

 緑、青、藍、紫と順番に発動させようとする千鶴だが、特に何も起きる様子はない。

「何も起きないわね」

 腕輪を弄りながら首を傾げる千鶴。今までのパターンから考えると、それぞれ緑、青、藍、紫の領域が展開される筈なんだが。
 その様子を見ていたエヴァが少し考えて口を開く。

「恐らくだが、使用者の力量的な問題で使える領域が決まっているのだろう。緑以降の色は那波千鶴自体がもっと強くならないと解放されないと見るべきだな」
「にしてもさぁ……」

 エヴァの言葉に、神楽坂が口を挟む。どこか不思議そうな様子で千鶴が右手に装備している虹色領域の腕輪へと視線を向けていた。

「どうした?」
「いや、何で虹色領域の腕輪って名前なのかなーって。普通に7色領域とかじゃ駄目なの?」
「……アスナさん、貴方それ本気で言ってるのですか?」
「なによ、いいんちょ」
「いいですか? 虹と言えば7色でしょう?」

 いや、外国によっては5色とか6色だったりもするんだけどな。

「……あぁ、なるほど! そういう事か! いやぁ、わざわざ複雑な名称を付けなくてもいいのに」
「全く、そんなんだからバカレッドなんだ貴様は」

 ボソっと呟いたエヴァだったが、それはきちんと神楽坂に聞こえていたらしい。

「ちょっと、エヴァちゃん! エヴァちゃんだってテストの成績はそんなに良くないじゃない!」
「ふん、私は15年も学生生活を送っているのだぞ? あの点数はわざとだわざと。貴様とは違うんだよ」
「ムキーーっ!」

 アーティファクトのハリセンを振りかぶり、エヴァへと振り下ろす神楽坂。エヴァはそれを見て馬鹿にしたように笑いながら魔法障壁を作りだす。
 魔法無効化能力を持っているとはいえ、それはあくまでも神楽坂自身に備わっている能力だ。武器を使った攻撃では以前のように自分の魔法障壁を破られるような事は無いと思っていたのだろう。だが……

 スパーンッ!

 神楽坂の振り下ろしたハリセンは、エヴァの魔法障壁をあっさりと消し去りその後頭部へと叩き付けられたのだ。

「痛っ! 馬鹿な!?」

 頭を押さえながらも、驚愕の表情を浮かべるエヴァ。俺もまたその様子に驚いていた。
 魔法無効化能力を持つハリセン、だと? いや、カモの話によると出て来るアーティファクトは仮契約相手の資質が影響する事もあるらしい。そう考えると、魔法無効化能力を持ったアーティファクトというのもおかしくはない、のか? そしてカードに描かれている剣とは全く違うハリセン。これに関しては、恐らく千鶴の虹色領域の腕輪と同じく使用者の強さやレベルが不足しているのだろう。
 エヴァも俺と同じ結論に至ったのか、どこか興味深そうな目で神楽坂へと視線を向けていた。  
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    ???

撃墜数:376 
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