転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0307話
「アクセル君、今日の放課後に修学旅行のお買い物に行きましょうか」
闇の魔法を習得した翌日、千鶴が朝食を食べている時に言ったのは修学旅行の為の買い物の誘いだった。
「……何で急に?」
昨日は闇の魔法の件で色々と説教されたのだが、今の様子を見る限りではそれを引きずっている様子は無い。となると、純粋に修学旅行用の買い物に行きたいだけと考えてもいいのか?
「アクセル君の日常生活に使う物はあやかが用意してくれたけど、修学旅行用の品は買ってないでしょ?」
「いや、基本的に今ある物をそのまま使おうと思っていたんだけど」
「えー、折角の修学旅行なんだよ? やっぱり普段とは違う感じで過ごしたくない?」
食卓の向かい側でキュウリの漬け物をポリポリと囓っている夏美がそう言ってくるが、そういうものなのだろうか。
まぁ、懐にはそれなりに余裕があるから別に買い物するのは構わないんだが。
「アクセル君の買い物もあるけど、私の買い物にも付き合って欲しいのよ。……駄目かしら?」
「いや、俺は構わないが……あやかと夏美は?」
「あ、ごめん。私は演劇部の練習があるから。ほら、修学旅行に行く分どうしても練習に遅れが出るのよ」
「私も本来ならご一緒したかったのですが……ちょっと用事がありまして。残念ですが今日はアクセル君を千鶴さんに譲りますわ」
2人共無理、か。
いや、あるいは2人が無理だからこそ俺が誘われたのか?
「で、どう?」
小首を傾げながらそう尋ねてくる千鶴に、溜息を吐きながら頷く。
「了解。いつも世話になってるんだしそのくらいは付き合うよ」
「そう、ありがとう。じゃあ、今日の放課後に駅前に出てみましょうか」
嬉しそうに笑う千鶴だったが、その瞳に何か決意したかのような光が宿っているのがちょっと気になる所だった。
放課後、HRが終了するや否や千鶴が帰りの準備を済ませて俺の席へと向かって来る。
「アクセル君、行きましょう」
そう言って俺の手を取る千鶴。そのまま教室を出ると背後で例によって朝倉が騒ぎ立てていたが、千鶴は特に気にする様子も無く学校を出る。
そのまま寮に戻り、着替えてからすぐに寮を出て駅前へ。
「で、何を買うんだ?」
「そうねぇ。まずはバッグを見ましょうか。ほら、あそこのお店に色々と素敵なバッグが置いてるわ」
手を引かれて連れて行かれたのはいわゆるボストンバッグが展示されている店だった。他にもキャリーケースやバックパック等が大量に置かれてあり、恐らく麻帆良の修学旅行が行われるこの時期を狙っているのだろう。
そんな中で、千鶴が興味深そうに見ていたのは薄い青色のボストンバッグだ。……とは言っても、それ程大きな物ではなく千鶴のような女子中学生でも普通に持てる程度の大きさだが。
「ね、アクセル君。これどう思う?」
「うーん、まぁ、いいんじゃないか?」
そもそもお洒落やら何やらそっちの方面に関しては疎いのを自覚しているので、取りあえず無難に返す。
実際、そのバッグを持った千鶴を想像してみるとそれなりに悪くは無い……と思う。
「アクセル君はどうする?」
「あー、俺が千鶴達の部屋で同居する時にあやかが用意してくれたのがあるから、それを使おうと思ってる」
「そう? 折角だからアクセル君も買えばいいのに」
そう言いつつも、何故かボストンバッグを買わずに他の店へと向かう千鶴。
「あら、これは夏美ちゃんに似合うと思わない?」
次の店は靴店。そこに飾られている赤と青で彩られたスポーツシューズを見ながら千鶴が尋ねてくる。
確かに演劇部のトレーニングで走ったりする事の多い夏美にはパンプスとかよりもスポーツシューズの方がいいだろう。
……じゃなくて。
「今日は千鶴の修学旅行用品を買いに来たんだろう?」
「あら、そう言えば確かにそうだったわね。夏美ちゃんにピッタリの靴を見つけたから、つい」
苦笑を浮かべながら千鶴がそう返す。
その後は修学旅行というよりはウィンドウショッピングといった感じになり、結局修学旅行用の品は殆ど買わずに半ばデートのようなものになっていた。
……俺と千鶴の身長の関係上、端から見てもデートには見えなかっただろうが。よくて仲の良い姉弟の買い物といった所か。
「ね、アクセル君。ちょっと世界樹の方に行ってみない?」
千鶴がそう言ってきたのは、ウィンドウショッピングも一段落した後の事だった。
特に断る理由も無いので、屋台で買ったイチゴクレープを食べながら頷く。
「うわぁ……」
世界樹を見た千鶴が感嘆の声を上げ、俺も無言でそれに同意する。
夕日特有の茜色の光が世界樹を照らしている。一見すると燃え上がっているように見えない事も無いのだが、その茜色の光はどこか郷愁を感じさせるものだった。
「……」
数分、お互いに無言で世界樹を眺める俺と千鶴。だが、やがて千鶴が真面目な表情でこちらへと視線を向け、口を開く。
「アクセル君、今日は楽しかった?」
「そう、だな。楽しいか楽しくないかで言えばもちろん楽しかったな」
「……でも、昨日のように無茶をしたら今日のような楽しい思いを出来なくなる可能性もあるのよ?」
「かもな」
「それでも?」
何を尋ねているのか、と聞くまでもない。これからも昨日のような無茶をするのか、と聞いているのだ。
「そうだな」
「……それが学園長先生に頼まれたお仕事だから?」
「まぁ、それもある……いや、違うな。そういうのを抜きにしてもあの3-Aというクラスを気に入ったから、だな」
俺の中の念動力が知らせている危機感。直感でしかないが、修学旅行で起きるだろうトラブルの危険度はかなり大きいものになりそうな気がする。あるいは、ここまで危機感があるのはグロウセイヴァーという、ある意味で俺のもう1つの半身と言ってもいいような存在が手元にないからだろうか。
「そう。……でも、何かあったらまた私は置いていかれるのかしら?」
「……」
千鶴のその質問に無言で答える。
現状、千鶴の魔法の実力は魔法の射手を発動出来るかどうかといった所だ。あるいは、この前のようなエヴァとネギの模擬戦のような戦いならその程度の実力でも連れていっても良かっただろう。だが、恐らく今度の修学旅行で起きるトラブルは模擬戦なんてものではなく、生と死を賭けた本物の実戦になる可能性が高い。そこに千鶴を連れていくのはさすがにちょっと難しいだろう。下手に連れていって俺が守りきれなくて千鶴が傷ついたり、ましてや死んだりしたら恐らく俺は俺自身を許せない。
「それはやっぱり、私に力が無いから?」
「……」
「つまり、私に力があれば置いていかない、と考えてもいいのね?」
「……何?」
千鶴の言葉に、思わず沈黙を破り口を開く。
「例えば……そう、あやかの仮契約のような」
「おい、千鶴?」
「カモさん、お願いします」
仮契約。その言葉に反応した俺が聞き返すのと、千鶴が木の陰へと声を掛けるのは殆ど同時だった。
そして。
「あいよ、千鶴の姉さん。契約!」
カモの声がしたかと思うと、俺と千鶴の間に見た事のある魔法陣が展開される。それは以前俺があやかと仮契約を結んだのと同じ魔法陣。即ち……
「仮契約の魔法陣だと!?」
足下にその魔法陣が展開されるや否や、俺の魔力が仮契約の魔法陣に共鳴して以前にあやかと仮契約をした時と同じ状態、即ち目の前に居る千鶴に感じている好意が強烈に増幅される。
「千鶴……」
「アクセル君、私を心配してくれるのは嬉しい。でも、私はアクセル君を失いたくない。そしてアクセル君の力になりたいの。お願い」
そう言うと、千鶴が俺の頬へと手を触れて上を向かせる。そのまま千鶴の唇が近づき……俺の唇と重なる。
「ん……」
「よし、仮契約成立!」
カモがそう叫び、その手元にパクティオーカードが現れる。だが、千鶴はそれに気が付いた様子も無く、2度、3度、4度と繰り返し俺と唇を重ねてきた。
そして既に何度目になるかも忘れたキスの後、ようやく我に返った千鶴がうっすらと頬を赤く染めながらもニコリと笑う。
「ファーストキスはレモンの味とかイチゴの味とかいうけど、私のはイチゴクレープの味だったわね」
「……いや、まぁ。何と言ったらいいのやら」
「ふふっ、この契約は私の意志で行ったの。カモさんを責めないでちょうだいね」
「そ、その……これがパクティオーカードでさぁ」
カモがこちらへと近づき、俺と千鶴にそれぞれカードを渡してくる。
俺としては、そうポンポン仮契約を結ばせて魔法の世界へと足を踏み入れる原因を作っているカモをひねり潰したいところではあるのだが、今回の場合はそもそも魔法の存在を知っている千鶴が、己の意志で俺と契約する事を望んだのだ。さすがにこれではカモを咎めるに咎められない。
「カモ」
俺のその言葉にびくぅっとするカモだったが、それに構わず言葉を続ける。
「そう怯えるな。今日の仮契約に関しては、本人が望んだ仮契約だからお前を責めはしない」
「そ、そうですか。ふぅ、よかった。えっと、それでカードは……」
その言葉に、渡されたカードへと視線を向ける。
そのカードには赤いパーティドレスでその中学生離れした豊満な肉体を包み込んだ千鶴の姿があった。7色に輝く腕輪を右手に付けており、その右手を前へと差し出している様子が描かれている。
そしてカードに書かれている内容は……
名前:那波千鶴
称号:破壊の守護者
色調:虹
特性:勇気
方位:南
星辰性:小惑星
「破壊の守護者?」
自分の称号を見て千鶴が小さく首を傾げる。
その様子を見ていたカモがどこか納得したように口を開いた。
「あー、やっぱり。恐らく雪広の姐さんと同じくアクセルの兄貴の影響じゃないかと」
「そういえば、あやかの称号は鮮血の乙女だったわね」
「ええ。恐らくですが、鮮血にアクセルの兄貴の影響が。乙女に雪広の姐さんの影響が出ているんじゃないかと。今回の例で言えば破壊がアクセルの兄貴を。守護者を那波の姐さんを象徴してるんだと思います」
鮮血に破壊、か。まぁ、確かにある意味では俺らしいと言えばらしい称号ではあるのだろう。
「那波の姐さん。カードを掲げて『アデアット』と唱えてみて下さい」
「アデアット」
カモに言われた通りに呪文を唱えると、次の瞬間には赤いドレスに身を包み右腕には赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の七色に光る腕輪を装備した千鶴。パクティオーカードの絵に描かれているそのままの姿になっていた。
「えっと、恐らくその腕輪がアーティファクトと見て間違い無いかと。使い方は分かりますか?」
「うーん、そうねぇ。こうかしら?」
千鶴が呟いた瞬間、千鶴を中心にしてドーム状に赤い色の魔法障壁のような物が張り巡らされた。
「防御型のアーティファクト? 那波の姐さん、ちょっとカードを見せて貰えますか?」
「はい、どうぞ」
受け取ったカードを良く見るカモ。
「うーん、アクセルの兄貴の魔力を使った仮契約なんだからただの防御型のアーティファクトなんて事はないと思うんだけどなぁ。まぁ、それでも未発見のアーティファクトってだけでレア度は高いんだろうが」
「と言うか、何で服まで変わってるんだ? あやかの時はアーティファクトだけだっただろう?」
「恐らくカードとの相性とかそういう問題じゃないかと」
俺の質問に答えつつも、ぶつぶつと呟きながら何かを考えているカモ。
「……あれ? 那波の姐さん。さっきあの障壁を発動させた時は確かその腕輪の赤い部分を触って発動してましたよね。なら橙の色は?」
「えっと……こう?」
再びアーティファクトを発動させる千鶴。次の瞬間には橙色の障壁が作り出されていた。
「色が違うだけ? いや、これは……っ!? え? マジか?」
何を察知したのか混乱するカモだが、何かを口に出す前にネギの姿が現れた。
「カモ君、認識阻害の魔法がそろそろ切れ……えっ!? それ、アーティファクトですか? じゃあ、もしかしてまたカモ君が仮契約を……」
ショックを受けたような目でカモを見るネギだったが、俺が千鶴が自ら望んだ事だと教えるとようやく落ち着きを取り戻したのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
???
撃墜数:376
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