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ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?

作者:あさつき
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一部:超絶美少女幼年期
  四話:六歳の再会

 ドーラです。
 パパンが戦わせてくれません。

 気配で魔物の存在を察知して、私が動く前に、全部斬り捨てていくわけよ!

 今まであんまり気にして無かったけど、これ完全に戦わせまいとしてるね!
 わー、パパカッコいいー!くらいの気持ちで、軽く見てたけど!

 親だってさ、一生守ってくれるわけじゃ、無いんだからさ?
 自分で身を守れるように育ててくれても、いいんじゃないかと思うわけですが。
 六歳じゃ、普通は早いかもしれないが。
 旅に連れ回すくらいなら、もう普通とか良くね?

 アレかね?
 わかっちゃいるけど、体が動いちゃってどうしようも無い系?
 ドーラちゃん可愛いからね、わからんでは無い、わからんでは無いよ……。

 ……どんだけ、親馬鹿だよ!
 ごめん、パパン!
 これは、親馬鹿だと思う!!

 そんなことを思いつつ、魔物との間を瞬時に詰めては斬り伏せるパパンの背中を眺めながら、せめてもと()()りを繰り返す、ドーラちゃん六歳(超絶美少女)。

 うん、なんか、言い出せないんだよね。私も悪い。だけどね。

 相変わらず、戦闘に参加もしてないのに、終わる度にパパンがホイミしてくれるわけよ。
 なんでも無い顔で、超心配そうに。
 うん、わかるようになってきた。
 そんなの見てたら、もう言えないわけ。
 パパ!私も、戦う!とか。

 ……まあ、目を盗んで戦うわけですけどね!
 そこが私とパパンとの、妥協点だろう!





 ドーラです。
 素振りしてただけなのに、なんか強くなったような気がします。

 ……これは、アレか?
 経験値的なものが、入ってる?
 教会で教えてくれるわけじゃないから、はっきりわからないんだよね!

 もしかしたらパパンは、わかっていてやっていたのかもしれない……いや、パパンのことだから、きっとわかっていた筈……!
 戦わせてくれないわりに、妙に積極的に魔物探してるとは思ったんだよね……。

 ごめんね、パパン!
 親馬鹿とか言って(言っては無いけど)!!

 しかしやっぱ、過保護だな!!



 そんなこんなで、経験値を(たぶん)ガッポリ頂戴して、無事にサンタローズに到着です。

 パパンがいちいち、村人に引き留められます。
 流石、パパンは人気者だね!

 ついでに私も、頭ナデナデされたりなんだりします。
 ターバンの中で散々髪が乱れてる気配があるが、乱暴にする人はいないし、まあ悪い気はしない。
 ハーレムの主になる者として、これくらいは余裕で受け止めないとね!


 でも、それはそれとして……早く、帰りたい!
 ビアンカちゃんに、会いたい!!

 ひとりで先に行こうにも、みなさん律儀にこっちも構ってくれるからさー。
 単にドーラちゃんが超可愛いからってのも、あるだろうけどさー?
 それも、できないわけよ。

 ニコニコ愛想を振りまきつつ、なんとなく落ち着かない気分でいると、パパンが気付いて声をかけてきます。

「ドーラ、疲れたか?先に、帰ってるか?」
「ううん!だいじょうぶです!」

 正直帰りたいところではあるが、だからって疲れてるなんてウソ吐いた日には(戦って無いしホント全然疲れてない)この後の予定が丸潰れですよ。
 洞窟に、行かないといけないんだから。
 過保護なパパンから過保護なサンチョに話が伝わって、今日一日自宅軟禁される羽目にでもなったら、困る。

 ゲームなら、何日かけてもいいけどさ。
 現実なんだから、遭難者ほっといたら普通に衰弱して、最悪死ぬよね?
 流石に死ぬ前に、パパンか誰かが気付いて助けるだろうけど。
 全方位ハーレム計画のためにはなんとしても、私が!自ら!助けに行かないと!

「お話に、飽きちゃったかな?ごめんね、ドーラちゃん。それじゃパパスさん、俺はこれで。今夜にでも、酒場でお待ちしてますよ!」

 おお!村人が空気読んだ!流石、現実!
 ごめんね、おじちゃん!
 ありがとう、おじちゃん!
 ハーレムメンバーリストの末端くらいになら、加えてあげてもいいよ!!

 村人は去り、もはや私たちとお家との間に立ち塞がる何者も存在しない……いざ行かん!
 ビアンカちゃんの元へ!



「お帰りなさいませ、旦那様、お嬢様!」

 家に入ると、サンチョが満面の笑みで迎えてくれます。

 ああん!サンチョの対応するのがこんなにもどかしいのは、初めてだよ……!
 決して!決して!
 サンチョが嫌いとか、そういうのじゃ無いの……!

 家の中をキョロキョロ見回したい気持ちをなんとか抑えつつ、ニコニコ愛想を振りまく余裕も限界に達しそうになった時、それは現れた。

「おかえりなさい、おじさま!」

 ……ビアンカちゃん、キター!!

「ん?この子は?」

 怪訝な顔してる場合じゃ無いよ、パパン!
 もうちょっと状況が違ってたら、義娘(むすめ)になってた子が目の前にいるというのに!

「ビアンカおねえさん!」

 作るまでも無く、超笑顔でビアンカちゃんに駆け寄る私。

 今のドーラちゃんは超絶どころの騒ぎじゃ無く可愛過ぎるに違いないなんてことを思いつつ、でもやっぱビアンカちゃんも超絶可愛いわ、鏡でしか見られない自分と、目の前で生きて動く美少女は、やっぱ違うわ!頑張ろう私!目指せハーレム!!と決意を新たにします。

 あ、ビアンカちゃんなんて呼びませんよ、お姉さんぶりたいお年頃のビアンカちゃんに、合わせないとね!
「わたしのほうが、二才もおねえさんなのよ?」
なんて言わせるまでも無くね!

「ドーラ!」

 ビアンカちゃんも、超笑顔でこっちを見てくれます。
 おねえさん呼びが効いたね!

「あなたは小さかったから、おぼえてないかとおもったけど。おぼえててくれたのね!」

 おっと、そっちか。
 まあ、喜んでくれたなら、なんでもいいよ!
 ビアンカちゃん、最高! 
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