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久遠の神話

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第四十七話 アメリカ軍人その一

                    久遠の神話
                第四十七話  アメリカ軍人
 工藤は高橋と車でアメリカ領事館に進みながら話をしていた。運転は彼がしており高橋は助手席に座っている。
 工藤は運転しながら高橋に言う。
「君は警部だが」
「ええ、警察も実力主義になりまして」
「それでか」
「俺も剣士になったせいですけれど」
 彼もそれが影響しているというのだ。
「それまでに高校を卒業して巡査からはじまって」
「それからだな」
「ヤクザの事務所の銃撃戦に入ったりしまして」
「物騒だな」
「危うく頭撃ち抜かれそうになったり危なかったですよ」
 まさにそこに入って死にそうになったというのだ。
「それでもそうした中でヤクザとか凶悪犯とか捕まえて」
「それでか」
「巡査長、巡査部長になりまして」
 その功績で淡々と昇進したというのだ。
「で。警部補になりまして」
「二十代前半でか」
「それで今はです」
「警部だな」
「昔はキャリアじゃないとそうそう昇進できなかったみたいですけどね」
「君はまた特別だと思うが」
「まあそうかも知れないですね」
 高橋自身そのことは否定しきれなかった。
「実際に何度も死にかけてますし」
「そしてそれだけの功績を挙げたからか」
「だからじゃないですかね」
 こう言うのだった。
「それは」
「そうだろうな。とにかくだ」
「二十代で警部になって」
「それなり以上に責任ができるな」
「はい、よく言われています」
「剣士として生き残れば」
「警視ですかね」
「そうなるな。俺は多分暫くこのままだが」
「それでもですね」
「多分三十三位で昇進だ」
 三佐になるというのだ。
「そうなるだろうな」
「自衛隊はそうした昇進なんですね」
「まだ入り口社会で年齢もだ」
「関係しますか」
「だが警察は変わってきているか」
「結構キャリアとかへの世間の風当たりが強くて」
 そうした時代になったのだ。そもそもキャリア制度自体が長い間注目されていなかったことの反動もあるだろうか。
「変わったんですよ」
「そうか」
「ええ。ですが自衛隊は」
「やはりな。一佐もそうだが」
「入り口ですか」
「俺の様な部内でも高卒と大卒では違う」
 工藤は高卒の立場から話すことになった。
「大学を出てなればだ」
「昇進とか違いますか」
「無論勤務第度が大きく影響するが」
「それでもですか」
「やはり大卒の方が昇進しやすい」
 そうだというのだ。
「試験に通ることは合格すればだがな」
「部内幹部の試験ですか」
「一佐にもお話したがそれ自体がそもそも曹候補生に合格する位ならだ」
「ちょっと受験勉強をすればですか」
「それで通る」
 そうなるというのだ。 
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