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八条学園怪異譚

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第三十三話 踊る本達その十二

「そこから飲む娘だから」
「じゃあワインもなのね」
「飲むのね」
「どっちかっていうと洋酒派じゃないけれどね」
 だがそれでもだというのだ。
「飲むわよ、ただあの娘が飲んだ時はね」
「ええ、その時はよね」
「注意しないと」
「あんた達セクハラには抵抗があるからね」
 花子さんは二人のその辺りのことを念頭に置いて述べる。
「だからね」
「ええ、そこは気を付けないとね」
「それもかなり」
 二人も花子さんの言葉に真剣な顔で頷く。
「胸とかお触られるの嫌だし」
「足もね」
「二人共スタイルいいしね」
 花子さんは今度は二人のスタイルを見て話す。
「触られるわよ、酔ったあの娘には」
「実際かなり触られたわ、初対面で」
「もう両手にそれぞれ抱き寄せられてね」
「両手に華ですね」
 ろく子は二人の話を聞いてにこりとして述べた。
「あの人特に年下の娘が好きですから」
「そこで特に、なんですね」
「つまり私達がですか」
「そうなんです。あの人御自身が実際の学年より下に見えますけれど」
「中学生に見えますけれどね、あの人」
「小柄ですから」
 しかも童顔だ、だから余計にである。
「何かスタイルも結構」
「見ている限りは」
「あれで胸は大きいですから」
「えっ!?」
 二人はろく子の今の言葉に思わず声をあげた、そしてこう言うのだ。
「それ本当ですか!?」
「先輩胸あるんですか!?」
「あの、どう見てもですけれど」
「先輩の胸は」
「着やせされるんですよ、あの人は」
 ろく子はにこりと笑って二人に話す。
「実は」
「そうだったんですか」
「先輩は実は」
「意外ですか?」
「ううん、ちょっと」
「想像出来ませんでした」
「女の子のスタイルは服の上からだけではわからない場合もありますね」
 二人も女の子なのでここではこう言ったのである。
「そうですね」
「はい、いい意味でも悪い意味でも」
「そうですね」
「矯正下着とかもそうですし」
「あと脱いだらっていうのも」
「そうです、そういうことです」
 ろく子は酒を手にして豆腐を食べつつ話す。
「あの人もそうなんです」
「脚は綺麗ですけれど」
「あれもですか」
「そうです、黒タイツやストッキングは確かに補正効果があります」
 その色だけで艶めかしさを倍増させる、ただ艶があるだけではなくその形も補正させるという素晴らしいものだ。
 だが茉莉也の脚はその補正なしでもだというのだ。
「一度一緒にお風呂に入られて」
「生身の先輩のお姿を見ればですか」
「わかるんですね」
「小柄ですけれどいいですよ」
 背は愛実より低い、しかしそれに加えてだというのだ。
「本当に一度御覧になられて下さい」
「けれど裸同士になったらそれこそですよね」
「先輩攻めてきますね」
「攻め受けで言うと攻めの人です」
 完全にそちらだというのだ、茉莉也は。 
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