妖精の十字架
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~双無~
「いくぞ!双無・覇王拳!」
『目覚めて、わたしの剣・・・イグニアス!!』
ルーサは剣を取り出して構えた
イグニアス。その一撃は全てを弾き、何人たりとも寄せ付けない剣
『イグニアス・ロック!』
剣が横に薙ぎ払われ、風圧が俺を襲った
しかし、その風圧が俺を捕らえ来る前に上空に逃げ、拳を決める位置を見定めた
「そこッ!」
ルーサの手前の地面に拳を叩き込み、大きく地面を揺らす
その振動に体制を崩したルーサに容赦なく一撃を決めた
「まだ行くぞ!双無・覇王脚!」
その場で回転を加えながらルーサの腰を蹴り飛ばす。直撃したからそうとうなダメージを与えただろう
が・・・
『おしいですね。イグニアスの弾きを忘れないでください。そろそろ攻撃にまわります。起きなさい、わたしの剣・・・ハイエンター!!』
ハイエンター。全てを写し、真似る剣
その剣には俺の双無が纏わりついていた
「人の物盗むなよ。双無・覇王拳!」
『真似ただけです。双無・覇界斬!』
振り下ろされるハイエンターと振りあげる俺の拳が交差して、互いに直撃する
俺は右肩から左わき腹まで斬られ、ルーサはアバラをほとんど砕かれた
「く・・・ッ。双無・覇王羅刹!」
両手に纏い、跳び上がりつつ同時に拳を打ち込んだ
『・・・ッ!?』
一瞬で距離を詰められ、尚且つ拳を二つ同時に受けたルーサの顔がゆがむ
『ハイエンターでは分が悪いですね・・・答えて、わたしの剣・・・ジェネレクト!!』
「暗黒界の剣、か」
漆黒の剣を見て俺はつぶやいた
『はい。覇界とも人間界とも違う暗黒界の剣です。切れ味、試しましょうか?』
「遠慮する。さっさとお前を倒してナツたちに追いつかなきゃいけないんでな」
『そうでしたね。では、まいります!ストリーム・エンペラー!!』
突きだされた剣の先から暴風が放たれる。その風は、触れるだけで木端微塵の勢いだ
「双無・咆哮覇!!」
ブレスで対抗した。二つの魔法が重なったその瞬間、魔法が弾けた
『相討ち・・・!?』
「いや、俺の勝ちだ」
背後をとり、余裕の笑みを浮かべた
『まだわかりませんよ!約束せよ、わたしの剣・・・エクスカリバーン!!』
最強の剣、エクスカリバーンを取り出した。その剣は、現存する剣で最も清く、最も強いと唄われている
『エクスカリバーン・インパクト!!』
振り向きざまに剣が振られ、俺の前髪を少し切り裂く
しかし、もう決着が目に見えている
「おしいな、インパクトは衝撃だ。つまり、俺の大好物!!」
一気にインパクトを喰らう
そして、回復した魔力を一身に込めた
『防御・・・!弾けて、わたしの剣・・・トレース!?』
「遅ぇよ・・・双無・魔王衝覇!!」
右手から黒、左手から白い魔力があふれつつ、両手同時に叩き込んだ
その衝撃は周りに一切漏れることなく全てルーサに注ぎこまれる
『・・・が・・・はぁ・・・!?』
呼吸が止まったのだろう。ルーサの体が大きく波打つ
「・・・これで、封印は解除、だろ?」
そのとたん、ルーサの体が光に包まれ、魔力が回復していった
『たたた・・・えぇ、解除です。今回解除されたのは「憑依強化」あなたはほかの属性を食べると副作用が出ますが、信頼する者に限っては例外となります。それと魔力の総量も増えていますよ』
どんどんチートに・・・
と、思っていたら
『ただし、一度に魔力を消費しすぎると、しばらく寝たきりになりますよ』
「・・・つまり、回復に時間がかかるってことか」
『はい。では、意識を戻しますね。ほかの試練も頑張ってください』
そう言った途端、再び俺の意識の糸が切れた
「・・・つぅ」
目が覚めると、紫色の月が出始めていた
「寝すぎたな・・・行くか!」
遺跡に向かって走り出した
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