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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0287話

 翌日の早朝、俺の姿は学園長室にあった。現在学園長室にいるのは俺と近右衛門のみでエヴァの姿は無い。どうやら予想通り吸血鬼に早起きは厳しかったらしい。

「で、君の素案はあるのかね?」

 現在の時刻は午前6:42分。約束の時間までは後20分程といった所か。
 あるいはこれも幼児化の影響なのか、まだ微妙に眠気の残ったまま来客用のソファへと身を委ねていると近右衛門からそう声を掛けられる。

「素案って言ってもな。俺に言えるのは魔法に関して教えてこちらの世界に自ら望んで足を踏み入れるのなら特に何も言う事は無い。まぁ、その場合は俺じゃなくてネギの協力者となるんだろうが。そんな危険な状況になりたくないというのなら本人が納得の上で記憶消去……といった所だな」
「むぅ。やはりそれしかないか。しかし木乃香に魔法バレするのならともかく、朝倉君に知られてしまうとは思わんかったわい」
「神楽坂にはいつ知られたか把握してるか?」

 俺の言葉に苦笑を浮かべながら首を左右に振る近右衛門。

「儂としても、いつでもネギ君の様子を見ている訳ではないのでな」
「その神楽坂と喧嘩友達のあやかによると、随分と前らしいとのことだったが」
「ふーむ、随分前か」
「もしかしてネギがこの麻帆良に来たその日にバレてたりしてな」
「フォフォフォ。まさか、そんな迂闊な真似を……真似、を……」

 最後まで言い切れずに、言葉を詰まらせる近右衛門。その様子を見ながら、意外にその辺が正解かもしれないなと何となく予想する。

「ただ、今回の話の結果がどうなってもネギに俺の事は知らせるべきだろうな」
「フォ? アクセル君の事をかね?」
「ああ。何せネギが魔法を使った所をあやかと朝倉に見られていた……というのを神楽坂に見られた訳だしな」
「じゃが、それは儂等が2人とも記憶を処置したとネギ君に説明すればいいのではないかね。朝倉君はともかく、雪広君が魔法に関して話さないのなら特に問題は無い筈じゃが」
「いや、エヴァがあやかを見ながら意味あり気な事を言ったらしくてな」

 その言葉を眉を顰める近右衛門。
 学園長の立場としては余計な仕事を増やしてくれたといった所か。
 だが、俺の予想だとエヴァは最初から俺を巻き込むつもりだったのだろう。それが打算か、興味本位か……あるいはそれ以外の何かが理由なのかは分からないが。

「とにかく、ネギとしては既に俺が普通の一般人ではないという事に薄々気が付いているだろう。ならこの際、俺の特殊な事情は抜きにして魔法生徒という形にしてみるのはどうだ?」
「ふーむ、やはりそれが一番かのぅ」

 そんな風に2人で頭を悩ませていると、いつの間にか7時になっていたのだろう。学園長室の扉がノックされる。
 お互いに目を合わせてこの話については後回しにする事を視線で了解して、近右衛門が口を開く。

「入りなさい」
「失礼します」

 そう言って入って来たのは、どこか緊張に顔を引きつらせた朝倉だった。いつもは飄々とした雰囲気を醸し出しているのが嘘のような大人しさだ。
 そしてその後ろからはあやかの姿が。

「学園長、昨日の事に……え? アクセル君?」

 近右衛門に声を掛けようとして、応接セットのソファに俺の姿を見つけた朝倉が唖然として俺の名前を呼ぶ。

「まぁ、まずはそこに座りなさい。立ったままでは詳しい話もしにくかろう?」
「……」

 近右衛門の言葉に従い、無言で俺の向かいにあるソファへと腰を下ろす朝倉。あやかは当然とばかりに俺の隣へと腰を下ろす。

「さて、朝倉君。今日呼ばれた理由は分かっていると思うが」
「昨日の件についてと伺っています」
「うむ。間違い無い。……さて、何から話そうかのう」

 顎髭を撫でながら、目を瞑る近右衛門。その様子に焦れたのか、あるいは緊張に耐えられなくなったのか。朝倉が口を開いた。

「ネギ君は魔法使い……違いますか?」
「……」

 その朝倉の質問に、学園長室の中は一瞬沈黙に包まれた。
 だが、近右衛門はその質問にあっさりと首を縦に振る。

「うむ、間違い無い。確かにネギ君は魔法使いじゃ。……正確には魔法学校を卒業したばかりの見習いといった所か」
「で、エヴァちゃんも同じく魔法使い」
「それも相違ない」
「そして、それを知ってる学園長も……魔法使い」

 確認の意味を込めて尋ねられた朝倉のその質問に、近右衛門はあっさりと頷く。

「ついでに言えば、儂の肩書きの1つに関東魔法協会理事というのがある」
「……そうなると、当然の顔をしてここにいるアクセル君や委員長も?」

 チラリとこちらへと視線を向けてきた朝倉に苦笑を浮かべながら首を振る。

「まぁ、俺に関しては合っているがあやかに関しては違うな。あやかはどちらかというと魔法の存在を知っている一般人というカテゴリだ」

 ピクリと朝倉の眉が動くが、感情を殺したかのような口調で再度口を開く。

「つまり、この麻帆良は……魔法使いの街」
「うむ。……正確には魔法使いも存在している街、じゃがな」
「……それで、学園長はそれを知った私をどうしたいんですか?」

 麻帆良を魔法使いの街と認めた事で緊張がピークに達したのだろう。その額には冷や汗が滲んでいる。

「君には現在2つの道がある。1つは魔法に関しての記憶を消去して元通りの生活に戻る事。そして2つ目は自分で覚悟を持って魔法使いの世界に足を踏み入れる事じゃ」
「その、委員長はどっちを?」

 あやかの方へと視線を向けて尋ねる。

「私は自らの意志で望んで魔法の世界へと足を踏み入れました」

 朝倉の質問にきっぱりと答えるあやか。

「つまり、それって委員長も魔法使いって事じゃないの?」
「いや、雪広君の立場はあくまでも魔法の存在を知っている一般人じゃな。ただ、朝倉君との違いはアクセル君の庇護を受けてるか否かといった所じゃ」

 正確には魔法の修行をしているのだが、エヴァ辺りから報告が行ってないのか? あるいはただ単に誤魔化しているだけか。

「え? それってつまり魔法使いの世界に足を踏み入れるという選択をしても必ずしも魔法使いにならなくてもいいって事ですか?」
「そうなるの。ただし、魔法には秘匿義務というものがあるので注意が必要じゃ。もしそれを破った場合には……」
「破った場合には?」
「……まぁ、想像してもらうのが一番かのぅ」

 意味あり気にニヤリとした笑みを浮かべる近右衛門。その様はどこをどう見ても、まるっきり悪役のソレだった。
 近右衛門の浮かべる笑みを見て頬を引きつらせながらも、朝倉は口を開く。

「委員長はアクセル君の庇護を受けてるとの事だけど、実はアクセル君って魔法的に重要人物だとか?」
「うーん、どうだろうな。魔法的にはそうでもない。あくまでもこの麻帆良限定で……って感じだな。それに俺の魔法使いとしての実力なんてまだまだ未熟もいい所だしな」

 最近はようやく瞬動を完璧に使いこなせるようになってきて、虚空瞬動に足を踏み入れたといった所だ。

「ちなみに、私が魔法の世界に足を踏み入れた場合は委員長と同じようにアクセル君が私の保護者的な感じに?」
「いや、朝倉君の場合はネギ君がその役目を負う事になるじゃろう。そもそも朝倉君が魔法を知ったのはネギ君とエヴァの戦いでじゃろう?」
「……ちなみに、エヴァちゃんの方は?」

 なるほど。確かにネギとエヴァの戦いを見て魔法を知ったというのに、選択肢がネギ一択しかないというのは多少気になるか。

「エヴァに関しては、色々と訳ありなんじゃよ」
「ふーん、訳あり……ねぇ」
「さて。話は大体分かったと思うが……朝倉君としてはどうするかね?」
「えっと、その……すぐに返事をしないと駄目ですか?」
「いや、そういう事はないが。ただ、返事を貰うまではこちらとしても魔法の秘匿義務の関係上多少の監視等はしないといけないんじゃよ。朝倉君もそれは嬉しくないじゃろう? じゃからなるべく早く返事を貰いたい」
「……取りあえず、1日程考える時間を貰えますか?」
「うむ」

 朝倉の言葉に頷く近右衛門。にしても監視ねぇ。もしかして俺にも監視が付いてたりするんだろうか? だが、監視が付いていればあやかや千鶴が独学ではあるが魔法について勉強しているのを知らない筈も無いだろう。

「では、話はこれにて終わりとする。時間的にもそろそろ登校してくる生徒も増えるじゃろうしのぅ」

 この話し合いも、近右衛門のその言葉で終了となった。
 朝倉が軽く頭を下げて学園長室を出て行くと、その後に続くあやか。そして後に残ったのは俺と近右衛門だけとなる。

「で、ネギに関してはどうする?」
「どうするとは?」
「いつ俺が魔法生徒であると紹介するかという事だ」
「ふーむ、そうじゃな。どのみちアクセル君の件に関して話す必要があるというのなら、タイミングは君に任せよう」
「了解した」

 ネギに俺の事や昨日の件について話す以上は、朝倉の問題に関しても話す必要があるだろう。そうなると、近右衛門の話は納得出来るものがある。

「ちなみにだが、エヴァとの模擬戦に協力して欲しいと言ってきたら……どうするんだ?」

 昨日はエヴァに恐怖を植え付けられたようだし、もし俺が魔法使いであるとネギが知った場合は助力を頼んでくる可能性が高い。まさか、真祖の吸血鬼相手に魔法学校を卒業したばかりのひよっ子が一人で勝負を挑むなんて真似はしないだろう。

「うーむ、そうじゃな……その場合は条件付きで認めようと思っておるが」
「条件?」
「うむ。まずは当然の事ながらアクセル君は魔法以外……いや、この世界にある技術以外の使用を禁止する」

 近右衛門のその言葉に小さく頷く。
 スライムや空間倉庫、念動力といったこの世界にない技術を使えばネギが俺を魔法生徒以外の何者かであると怪しむ可能性もあるのでそれについては理解出来る。
 まぁ、スライムは無詠唱の召喚魔法とか誤解させる事も可能らしいが……

「それと、エヴァには吸血して操るのを許可しようと思う。もちろん3-Aの生徒限定じゃし、何らかの後遺症が残るような真似を許すつもりはないがな」
「本気か?」
「うむ。アクセル君程の戦力がネギ君側に付くのじゃ。それくらいの許可は出さないと不公平じゃろう」

 その言葉で、この世界の吸血鬼というのは俺の知ってる型月世界のものとは全く違うというのを思い出す。
 それに以前エヴァに聞いた話によれば魔法薬による治療で吸血鬼化をあっさり解除するのも可能らしいしな。

「しかし、随分と思い切った真似をするな」
「何、純粋に手の数の問題じゃよ。ネギ君とアスナ君。それに対してエヴァと茶々丸君というのが現状の戦力じゃ。じゃが、これにアクセル君がネギ君側に付けばエヴァの方も手が回らないじゃろうて。本来の実力を発揮出来るのであれば人形を使ってどうにでもできるじゃろうが、現在は登校地獄の呪いで魔力を大幅に封じられておるしのう。それに、不確定ではあるが朝倉君や雪広君。那波君もネギ君側に付く可能性があるじゃろう?」

 なるほど。そう考えると確かにテコ入れという意味では吸血して操らせるというのはありかもしれないな。それに何だかんだで女子供相手に非情にはなりきれないエヴァの事だ。3-Aの面子を操ったとしても安全には気を配るのは間違い無い。
 そして朝倉。俺の思っている通りなら奴は確実に自らの意志で魔法の世界へと踏み込んでくるだろう。

「さて、アクセル君」
「うん? どうした?」
「……いや、君もそろそろ教室に向かった方がいいんじゃないのかね?」

 近右衛門の声に、学園長室にある時計へと視線を向けるとそこにはそろそろHRが始まる時間が表示されていた。

「そうだな、今回はこの辺にしておくか。ネギについては……」
「まぁ、アスナ君が付いてるんじゃ。大丈夫じゃろうて」

 確かに神楽坂ならネギを無理にでも学校へと引っ張ってくるだろう。
 その様子を思わず想像し、苦笑を浮かべながら学園長室を出る。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    ???
    ???

撃墜数:376 
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