ヘタリア大帝国
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TURN75 ベルリン講和会議その三
「僕もあの国についてはそう思うしね」
「害がなく好戦的でもありませんし」
イギリス妹がマリーに答える、尚ムッチリーニが行った北アフリカ侵攻にしてもレーティアがやるならというあまり考えていないものだった。
「見ていて和みますので」
「そうなのよね、仕方ないなって思えるのよね」
「あいつ等のああいうところ嫌いじゃないからな、俺も」
イギリス自身もそうだった。
「じゃあいいか」
「はい、イタリンはこのままです」
セーラも言う。
「領土の割譲も賠償金も求めません」
「逆にちょっと痛めつけ過ぎたわね
エリザは北アフリカやイタリン本土での戦いのことを言った。
「手加減してあげるべきだったかしら」
「いえ、彼等は私達の姿を見ただけで我先に泣いて逃げていましたので」
イギリス妹はモンゴメリーと共に戦った時のことを思い浮かべながらそのエリザに答える。
「手加減も何も」
「モンゴメリーさんも苦笑いしてたな」
イギリスは彼と会ってそのことを聞いていた。
「いじめるつもりはないのに泣いて謝ってきたから可哀想になったってな」
「捕虜の数が凄かったです」
イギリス妹はこのことも思い出していた。
「見張りをしなくても逃げませんでしたし」
「その代わり食いものがまずいってこれまた泣いてたしな」
「困ったのはそういうことだけでした」
「本当にどうも厳しく出来ない奴等だな」
「ですから彼等には何もしませんので」
セーラはこのことを強調した。
「問題はドクツとソビエトです」
「さて、どうなるかだよな」
イギリスは腕を組み難しい顔を見せた。
「この会議」
「会議は踊る。されど進まず」
イギリス妹はかつてオーストリアで行われたナポレオン後の国際会議でのこともここで思い出した。
「それは避けましょう」
「ああ、枢軸のこともあるからな」
イギリスも妹の言葉に頷く、エイリスの代表はベルリンに向かっていた。
ソビエトもだ。カテーリンは彼女の専用艦である試験艦プロイェークトに乗っていた。その中でロシア兄妹にミーリャ、ゲーペ達にこう言っていた。
「レーティア=アドルフにお仕置きできないのは残念よ」
「自殺しちゃったからね」
ミーリャがぷりぷりと怒るカテーリンに応える。
「だから仕方ないよ」
「それはそうだけれど」
「やっぱり嫌?」
「悪い子はお仕置きしないと駄目なの」
こう厳しい声で言う。
「絶対にね」
「カテーリンちゃんってそういうところ厳しいよね」
「厳しくしないと駄目なの」
表情はむっとしたものだった。
「さもないと皆だらしくなくなるから」
「だからレーティア総統もだったのね」
「シベリアで強制労働にしないといけなかったのよ」
ソビエトで最も厳しい刑罰である。
「寒いお空の下で木を切ってもらうつもりだったのに」
「その代わりに軽い感じの人が総統になっちゃったね」
「ノイツィヒ=ヒムラーです」
ゲーペが機械的な声で答えてきた。
「彼がです」
「そう、そのヒムラーさんだけれど」
「不思議な点が多い人物です」
ゲーペはこうミーリャ、そしてカテーリンに語る。
「経歴は士官学校中退まではわかっていますが」
「それからは?」
「養鶏場を経営していましたが始終何処かに出ていました」
「そこで何をしていたのかわからないんだ」
「はい」
その通りだとミーリャにも答える。
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