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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第22話:幸せな秘密

(アネイル)
リューノSIDE

「あ、こんな所に居た!? 探しましたよ二人とも……あれ、二人で温泉に入ってたんですか?」
ウルフとの再戦を終え、身体を清める為に温泉へ赴いた私達……
湯上がりに温泉施設前でバッタリとシンに出会した。

「そ~なんだよ! 俺が朝風呂してたら、後からリューノが入ってくるじゃん! 目の保養の為、長風呂になっちゃったよ!」
何時もの口調でさり気なくお尻を触りセクハラをしてくるウルフ……

「このスケベウルフ! 調子に乗るなよ……本来なら私が入ってきた時点で、遠慮して出て行くのがキサマの礼儀だろ!」
私も可能な限り何時もの口調で答え、ウルフの脇腹に拳をめり込ませる……でも力が入りきらなかった。だって触られても嫌じゃないんだもん♥

第二ラウンドを終えた後ウルフから『マリーに事情を話すまでは、周囲に俺達の関係を悟られない様にしよう』と提案される。
理由は簡単で、説得しやすい状態でマリーに話を持ちかけたいそうなのだ。

解る気がする……
私達……というか、ウルフ以外から事前に私達の関係を知ってしまった場合、マリーの事だから大激怒するに違いない。
そうなったら手が付けられない……冷静な話し合いなんて望めないもの。

怒るにしろ説得できる状態……即ちウルフ自らが一番最初に真実を告げる事が必要なんだとか……
その為に先にお父さんに相談したいみたい。
そうよね……この状況はお父さんの専売特許みたいなものだもんね!
『俺も貴方と同じ道を歩みたいのですが、文句ありますか?』って聞くみたい(笑)

だから順序としては、お父さんに相談してアドバイスを得てから、マリーに真実を話し私を正式にウルフの愛人に納めてもらおうってワケ!
お父さんと合流する前にマリーと合流しても大丈夫な様に、私達の関係は秘密になりました。

でも一時的なモノだってウルフは強い口調で訴えたのよ。
必ず私もマリーも公然と幸せにしてみせるって……凄く嬉しい♡

リューノSIDE END



(アネイル)
シンSIDE

へー、あのリューノちゃんが大人しく混浴に浸かるなんて……
流石ウルフさんと言うべきなのかな?
女心を捉えるのが上手だなぁ……

俺も学ぶべきかな……
でもシンシアが居ない今、俺には無用かなぁ……
目の前で楽しそうにリューノちゃんへセクハラをするウルフさんを見て、羨ましさと悲しさで溜息が出てしまった。

「何だ溜息なんか吐いて……触りたいのなら触れば良いじゃんか、リューノのでも良ければだけどね(笑)」
「何勝手な事を言ってやがる馬鹿ウルフ!」
リューノちゃんに殴られて痛そうに蹲るウルフさん……

でも見た感じ、それほど強く殴ってない様に見えるんだけど……
何だろうか?
セクハラをされリューノちゃんが手加減をする理由が思いつかないのだが……

もしかして……混浴に一緒に浸かっている時に、ウルフさんは彼女を口説いたのかもしれない。
そしてウルフさんの口説きに、本気で落とされてしまったリューノちゃん……
ラブラブ状態になっちゃったのかな?

つーか、どこか別の宿屋で励んだ後に温泉へ浸かってたのかもしれないぞ!?
幾ら何でも朝風呂が重なるなんて偶然すぎる……
大分以前からラブラブだったのかも!?

ウルフさん……リューノちゃんの妹さんと付き合ってるって話だけど、大丈夫なのかな?
指摘した方が良いのかな? 俺の勘違いだと良いのだけど……
う~ん……勘違いだったら二人の状態を壊しかねないし、俺は口を出さない方が良いよね!

「お気遣いなくウルフさん。俺は未だ、シンシアへの思いが断ち切れてないので、他の女性へのセクハラはちょっと……それに俺はロリコンじゃないですし!」
俺はウルフさんの言葉を冗談と受け取り、笑顔で冗談を言い返しました。
だからワザと失礼な事を言ってリューノちゃんを怒らせます。

リューノちゃんは『何だとシン、コノヤロー! 私を馬鹿にするのか!?』と怒っているが、男女の事柄に俺が口を出すのは良くないと思うからね……
それにウルフさんの方が、その事柄には慣れてそうだし!

シンSIDE END



(アネイル)
ウルフSIDE

俺は何時も通りの態度をとっているのだが、やはりリューノには難しいらしく、少しだけぎこちなさが出てしまっている。
しかもシン君には判ったみたいで、愛想笑いで会話の方向性をズラしてきた。

俺の知っている天空の勇者と同列視してた為、彼の事を舐めていたかもしれない。
まさか女性の機微にこれほど的確に反応するとは思わなかった……
いや……よく考えたら、あっちの方がどうかしているのかもしれないな!

しかも気を遣って誰にも喋るつもりは無さそうだ……
ありがたい事だがアドバンテージを取られたみたいで良い感じはしない……
いっそコッソリと俺に確認をしてくれた方が助かる。

今後彼には注意を払わねばなるまい……
万が一にも、俺の説明より先にマリーが知ってしまう事が無いように!
リュカさんに相談して、切り出し方を確認してからじゃないと、事態を複雑にしかねないのだからね!
あぁでも……『そんな事僕が知るかよ!』とか言いそうだなぁ。

ウルフSIDE END



(アネイル)
マーニャSIDE

シンがウルフとリューノを見つけ戻ってきた。
二人とも朝一から温泉に入っていたらしい……
後から入ったリューノが、ウルフと混浴に浸かった事を屈辱的だと嘆いている。

私としては羨ましい。
早起きして温泉に行けば良かったと後悔している。
私は朝が弱いんだ……

裸で迫れば、流石のウルフだって誘惑に負けたかもしれない……
そうすればこの場にいない彼女対し、優位な状況を築けたかもしれないのに……
宿屋の食堂で用意してもらったサンドイッチを、お腹がすいているであろう二人に手渡し思う……
私も誘ってくれれば良かったのに!!

マーニャSIDE END



 
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