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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第21話:愛とか夢とか希望とか幸せとかッス

(アネイル)
ウルフSIDE

俺は温泉近くにある安宿の一室で目を覚ます。
もっとランクの高い宿屋を確保してあるのに、何故にこんな安宿に泊まったのかと聞かれると……俺は隣に視線を向けるしかない。
そこにはリューノが静かに寝息を立てている……全裸で!!

やっちまった……
よりによって恋人(マリー)姉妹(あね)に手を出しちまった!
まだ他人のマーニャさんとかなら言い訳も出来るが、彼女(リューノ)は拙いだろ!

俺は安宿のベッドで半身を起こし、頭を抱えて自己嫌悪に陥る。
マリーに何て言い訳すれば良いのですか?
リュカさんはこの事を知ってどうするでしょうか?

まぁリュカさんは大丈夫だろう……
だって仮に叱られても『お前が言える事じゃないだろ!』って言える……多分言えるハズ……でも怖いからなぁ、怒ると……

それより問題はマリーなんだよ!
どうする……黙っておくか!?
いやダメだ……マリーとリューノは仲が悪い。
くだらない口論中にポロッとリューノが言いそうだ……

ではどうする?
やはり俺から申告した方が良いだろう。
反省をアピールできるし、反論を用意する事も出来る!

だが、そうするとリューノには何て言えばいい?
勇気(?)を振り絞って俺に告白(誘惑)をし、見事目的(?)を達成できたのに……
『1発ヤっちゃったけど、やっぱ俺マリーが良いッス!』って言う? つか言える!? つか1発で終わったけ?
ううん……そんな非道い事言えないッス、数発だったッス!

だってリュカ遺伝子を継ぐリューノは、やっぱり可愛いんだもん!
今にして思えば俺の事が好きだから、彼女の性格からしてツンツンしてたんだろうね。
そしてここへ来てデレが出てきたんだと思うよ…………やっべ凄く可愛いッスよ! 手放したくないッスよ!

俺はリューノの事を考えつつ、隣の彼女をマジマジと観察する。
恋人(マリー)に比べたら遙かに小さい胸……しかし同年代の少女と比べれば、平均的であろう胸……
幼さが残る……というか、まだ幼い体つき……

いいよ……解ったよ……俺はきっとロリコンだよ!
でもただのロリコン男じゃないぞ! 豊満な体つきの女性も大好きなロリにも手を出せる男だぞ!
……………自慢なんねー!

大体リュカさんの娘は可愛すぎるんだよ!
これは犯罪だろ!?
理性で判っていても、男の第二の脳は判っちゃくれないんだよ!

俺はリューノの肢体を見て、またまた元気になってしまった第二の脳部分を見て酷く落ち込む……
第二の脳部分は立派で自慢の息子なんだけど、この状況が俺を落ち込ませる。
リュカさんはこんな気分になった事があるのかな? 無いだろうなぁ……

ウルフSIDE END



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リューノSIDE

私の隣でウルフが頭を抱えて悩んでる……
そうだよね……だって彼には彼女が居て、しかもその彼女は私の妹なんだもんね。
悩んじゃうよね……困っちゃうよね……

最近のウルフの頼もしさに揺らぎ、自分の欲求を優先させてしまった私……
でも大好きなウルフを困らせるのが目的じゃないの!
ただどうしようもなく我慢できなかっただけなの!

私、マリーの事が嫌いだけど……それでもあの()を不幸にしたいとは考えてない。
勿論ウルフには幸せになってほしいし……
そうなると後から出てきた私が諦めるしかないよね……

「ウルフ……ゴメンね。貴方を困らせるつもりはなかったのよ。本当に……ただ本当に貴方の事が好きなだけだったの……ごめんなさい」
私は体を起こし隣で悩むウルフの腕に抱き付き謝る。

「リュ、リューノ……」
ウルフは起きた私を見て、更に困り顔で名前を呼ぶ……
本当は眠ったフリをしてた方が良かったのかもしれないけど……ウルフの悩んでる姿を見てられなかった。

「私ね……貴方とマリーの仲を壊すつもりないの! だから私の本当の気持ちも、昨日の晩の事も、絶対に誰にも言わない。だからウルフは気にすることなく、これからもマリーと仲良くすれば良いのよ。私の事は………うん、お父さんみたいに偶にコッソリ逢って、その時に愛してくれれば良いから! 私はお父さんの愛人・スノウの娘よ。だからウルフの愛人で良いの! コッソリの愛人で……」

私はウルフの顔を覗き込み、懇願する様に呟く。
ウルフは幸せになるべきなの。勿論マリーも……
後からしゃしゃり出てきた私が我慢すればいいのよ。

「リュ、リューノ!!「きゃ!」
突如ウルフが私を押し倒してきた!?
「ど、どうしたのウルフ!?」

「そんな悲しい事言うなよ……俺、マリーにこの事を話す! 全部話して説明する! そして二人とも幸せにしてみせるよ。リュカさんに出来た事だ……俺にだって出来る! 2人の女の子くらい幸せにしてみせるさ!」

「そ、そんな……マリーが納得するワケないわ。ムリする事ないわよ……私は絶対に誰にも喋らないから……」
嬉しかった。ウルフの心が、ウルフの優しさが嬉しかった。
でも、だからこそ秘密にするべきだと思う。
私の所為でウルフが不幸になっちゃダメよ!

「いや、君の存在を隠したままじゃ俺はマリーと心から幸せになれない。俺はマリーに……勿論君にもだが、嘘を吐きたくない! 俺は絶対に2人を同時に幸せにしてみせる…2人とも心から愛し続ける!  もしマリーも君も、この関係がイヤだと言うのなら、俺は諦める。2人を諦めるよ……そして此方の世界に残り、二度と2人の前には姿を現さない」

嬉しかった。隠すことなく私も愛してくれる……ウルフの言葉に涙が出てきた。
それと同時に、私もマリーもこの関係を認めなければ、二度とウルフに会えなくなる事に恐怖を感じた。
イヤだ……それだけは絶対にイヤだ!

私はウルフに口吻をし、心の中で強く誓う。
今後はマリーと仲良くしよう……私がウルフと仲良くしても我慢してもらえる様に、彼女に対して態度を気を付けよう。

リューノSIDE END



 
 

 
後書き
スルスルと書く事が出来ました、今回の話は。
ほんとスルスルと……
でも悩んだ部分もあります。
それはサブタイトルです。
今でも納得してません。
「何を言っても言い訳っす」ってのもありましたけど、取り敢えず今のサブタイトルにしました。 
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