もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?
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もしも最強の剣をその手にしたら・・・?
前書き
もいっちょ行ってみましょう。前回ほどのインパクトはない。
ちょっと皆誤字あるなら教えてくれたっていいじゃない!盛大に誤字ってたよ超恥ずかしかったよ!
~???~
『・・・という訳でですね、貴方には魔砲少女がヒャッハーして跳梁跋扈する次元世紀末へと旅立ってもらいます』
「死ぬ予感しかしないんですが」
馬鹿みたいに本が積み重ねてあるスーパー図書館みたいなところで謎の兄ちゃんから説明を受けた私が真っ先に抱いた感想がそれだった。
魔砲少女ってあれですか?リリカルマジカル覇王翔吼けーん、っていう感じのアニメですか?私魔法少女とかカードキャプターさくら以外は見たことありません。噂は聞いたことあるけど。
『違います。主にマジカルの後の単語が』
「そんなことはいいんですよ!それより何で私がそんな悪鬼羅刹が群雄割拠する世界に行かなきゃならないんですか!?やめてくださいしんでしまいます!!」
生前もやしっ娘と呼ばれたこの私がそんな世界で生きていられるわけがない。が、だからと言って選択権が私にあるとも思えない。つまり、こうやって駄々をこねるのは一分一秒でもこの話を長引かせて時間を稼ごうという非常に無意味な逃避行動なのである。
『で、これからが重要なんですが・・・』
「ぐ~ まっ ぐげ」
『日本語で喋ってください。いいから聞きなさいな。君がその世界に行くにあたって、僕が君の身を守るための何かを1つだけ与えることが出来るんだ』
「え~なんか胡散臭いなぁ。なんか裏があるんじゃない?実は私じゃ使いこなせないとか~」
『大丈夫ですよ、与えたものに応じて貴方の身体もそれを使える様にしてありますから』
「・・・じゃ、身を守る盾を・・・いやそれよりすべての攻撃を防げる剣とかの方がいいのかな?」
攻撃は最大の防御って言うし、人生で一回くらいは真剣振り回してみたいし。
『アナタさらっと危ないこと考えてますよ?マジひくわー』
「えー、いーじゃん別に。やるなと言われるとやりたくなるのが人情でしょ。それともくれないのー?」
『・・・まぁあげちゃうけどね!すべての攻撃を防げる剣だね?じゃ、今から送るから後の事は全部自分で何とかしてね?剣は呼べば来るようにしてあるから』
「ちょ、何とかしてっていったい何を・・・ぎゃー!?」
何も言う暇なく私はどっかにおっことされた。ちょっと待ってスカートめくれる!
『ちなみに君の死因は交通事故に遭った後に病院たらいまわしされてる間の失血死だよ?』
「私の死因、意外と悲劇!?」
こうしてなんのこっちゃ解らないうちに私は次元世紀末へと引きずり込まれていった。
―――――――――――――――――――――――――――
グッバイマイワールド&ハローマイネクストワールド、である。
空を見上げると何所までも続く超巨大建造物が・・・超巨大建造物!?
「な、なんじゃありゃーーー!!!」
何と上にはひたすら巨大な、とてつもなく巨大ななんかが浮いていた。マジでなんだろうかアレ。よく見ると謎の放電現象を起こしているので地底人や異星人の侵略の可能性が微レ存。もしかすればあれこそが話に聞く魔砲少女の正体かもしれない。
どうも私はどっかの町にいるようだが、町内はハチの巣をつつくような大騒ぎになってる辺り余程予想外な現象なのだろう。何を隠そう私もあまりの大きさに腰が抜けているのだから。
「・・・あ、消えた」
ビビってたらその強大な何かは突然跡形もなく居なくなってしまった。
マジ何だったんだろうかアレ。取り敢えず立ち上がりスカートに着いた砂ぼこりをパタパタと掃う。
「あーうーあーうー・・・これからどうしよう・・・」
帰る場所がない。行く場所もない。待っている人も追いかける人も、目的もなければ戸籍もないし金もビタ一文持っていない。ツンデル。
「どうすればいいかな?」
『ぐるるるるるるぅ・・・』
「そうだね、先ずは腹ごしらえにスーパーの廃棄弁当を失敬して・・・って、ん?」
低いうなり声で私の独り言に返事を返した存在をナチュラルに無視しかけた私は、その声の咆哮に振り返ってみる。
『ぐるるる・・・ぐおおおおおおおおおおおお!!!』
「あばばばばばば!リアル犬神様ぁぁぁぁぁぁ!?!?」
そこには、野犬とか言うレベルではないサイズのお犬様が”わんわんお!おやつ食べたいからお前を食うお!”と言わんばかりに大口を開けているではありませんか!アカーン!これは死ぬ奴や!即死イベントや!どどどどうする!?
・・・はっ!あの鬼ぃさんがくれた最強の剣とやらで乗り切ればいいんだ!
「えっとえっと・・・あれだ!出でよ最強の剣!えくすりかばー!!」
名前を盛大に間違えたけど私の掌にはしっかりと剣の柄が握られた。もう犬神様が目の前まで迫っているので確認する暇もなくそちらに振る。
「こっちくんなやー!!」
ぶぅん!どごぉぉぉぉぉぉぉんっ!!!
「・・・え?爆発?」
なして?と思って目の前を見てみると・・・犬神様がない。いないではなく”ない”。先ほどまで犬神様がいた空間がクレーターになっている。血痕も血も肉片も何一つ見当たらない。
つまり、多分、犬神様は、塵一つ残さず消滅―――
「そ、そんな・・・確かに怖かったけど別に殺す気なんて・・・」
博愛主義ではないが、私は足元にありを発見すると踏まないように歩かずにはいられない性質である。捨て犬とかいると放っておけずに飼い主探ししたりする程度には犬も好きである。そのわんこを自分の手で・・・と自分が先ほど正に襲われたことも忘れて呆然とする。
思いがけない罪の意識に、思わず手に握った剣を見る。この剣・・・この剣の力がなければ、ひょっとしたら犬神様は死ぬことは・・・
「・・・・・・!?」
何だこの剣。禍々しいっつうか形状があんまり剣っぽくないつうか。2メートルくらいあるし。剣なのかな、これ?・・・あ、なんか剣の使い方が頭に流れてくる。
―――え?その力って・・・犬神様を助けることが出来るんじゃ・・・
しばしの逡巡の後、私は握った剣をクレーターの前に翳した。すると剣先からビームのようなものが伸び、その先にまるでビデオやDVDの捲き戻しの様に犬神様がその姿を現す。
「ほ、本当にできた・・・」
驚いて呆けている間も巻き戻しは続き、犬神様が・・・普通の犬に戻った。そして、戻される過程で犬がお犬様になった原因は謎の青白い宝石のようなものを拾ったことが原因らしいという事に気付いた私は、巻き戻しを止めて急いでその石っころを―――叩き割った。
だって危ないじゃん。また犬神様になったら大変だし。
犬はその音に驚いて逃げてしまった。
その元気そうな様子を見送った私は、手に取った剣をまじまじと見つめる。
「”物質の存在確率を変動させる剣”、かぁ・・・・・・確かにこれなら『すべての攻撃を防げる』けどさぁ・・・あのヒト頭おかしいんじゃないの!?」
いや、おかしいに違いない。絶対他にちょうどいい感じの剣があっただろうに、あいつは私がビビる姿を想像しながらニヤニヤしてこの剣を選んだに違いない!
「何さこの超絶危険ソード!?存在確率そのものを変動させて崩壊させるとか時間誤差までいじれるとかもはや人の踏み込んでいい領域じゃないよぉぉーーー!!」
さらっとお犬様を生き返らせていたことを考えると、この剣、多分死んだ人の死亡確率を変動させて生き返らせるとか平気で出来る。神の摂理ガン無視どころか「私が神です」状態である。もうこの剣そのものがおっかない。
「もうやだぁ!こんな剣怖くて振れないよぉぉぉぉぉーーーーー!!」
人は、余りにも大きすぎる力を手に入れると萎縮する。私はこの危なっかしすぎる剣を、極力使わないことを心に決めた。
ついでに砕いた石は念のため持って行くことにした。放っておいたら危なそうだし。
~そのころ時空管理局艦船アースラ~
「艦長ーー!!先ほどのロストロギアに加え、さらに新しいロストロギア反応を補足しました!推定危険度S+!?」
「同場所で小規模な次元震を確認!既に発動状態にあると思われます!!」
「ああっ!艦長が余りの心労に白目を剥いている!?」
「駄目だ母さん!そっちへ渡っちゃだめだぁぁーーー!!!」
第97管理外世界は、着々と銀河の特異点化しているのであった。
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後書き
さいきょうのけん:正式名称『四宝剣』 作品元・・・漫画『封神演義』より
能力・・・
物の存在確率を変化させる確率歪曲宝貝。先端から光線を放ち、当たった物の存在する確率を崩壊させる。
原作においては何度も世界を滅ぼしたり、逆に何度も世界を創り上げていたことから、この世のほぼすべての物理現象を操ることが出来ると思われる。
下手をすれば超常的な現象さえもこの世に存在する時点で操ることが出来る可能性さえある、ありとあらゆる可能性を実現、消滅させる全能の剣。
世界の存在確率を操れば最悪次元世界そのものを無かったことにも出来るかも。但し使い手が小心者。
漫画界でも1,2を争う最強の剣。チートのレベルさえ超えているような気がするけど原作では出番超少ないから設定に大分捏造入ってるかも・・・
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