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もしもこんなチート能力を手に入れたら・・・多分後悔するんじゃね?

作者:海戦型
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もしも最強のドラゴンを従者にしたら・・・?

 
前書き
本当に単なる思いつきなので息抜き程度に見てくれると嬉しいです
正直一発ネタなんで前半は適当に流し読みしても問題ないです

7/25 導入部をちょっと書き直し 

 
~???~


ここ、どこよ。

俺が真っ先に抱いた感想は、多分日常生活で使う機会のないそんな一言だった。・・・いや、迷子になったり電車に乗り間違えたらそういう言葉を使うかもしれないがそんなことは今はいい、重要な事じゃない。
取り敢えず周囲を見渡してみると、何所まで続いてるんだかわからないくらい続く本棚と乱雑に積み重ねられた本の海が広がっていた。なんなんだこれ?よく見たら雑誌やら資料の束やらファイルやら、とにかく紙で出来た情報媒体で足元が埋め尽くされていた。ジャンルなんかは良く分からないが、普通の文学作品からマンガまでいろいろあるように見える。

「紙だらけだな」
『神だけにね!』
「・・・・・・え、何々?聞こえなかったからもう一回言って?」
『やめてよね!自分でも言ってちょっと後悔したんだから!』

じゃあ言わなきゃいいじゃない。どうして自分を傷付けるの?貴方が悲しいと、私も悲しい。みたいな標語的な文章を考えつつ声がした方を振り返ると一人の男が立っていた。

『全く・・・もういっそ面白くないって言ってくれればその方が楽だよ』
「面白くなさ過ぎて白けた」
『うん、ちょっとは歯に衣着せようか』

図書館の司書さん・・・うん、そんなイメージの人だと思った。威厳もないし、特別目を引く特徴も無い。なのに、何所か今まで見てきた人間と違って”浮いて"いる。人の姿をしながらもどこか現実から切り離されたような感じ。本当にただ直感的に、「この人は変な司書のおっさんだ」と感じた。
と、司書が呆れた顔で俺を見る。どうした?もしかして俺ってばシャツのボタン掛け違えてる?と思ったが、全然違った。

『君は何故自分が此処にいるか分かっているかい?』
「え?何で?」

唐突にかけられたその声に、俺は馬鹿正直に聞き返した。この夢の中みてぇな現実味のない空間に来た理由なんていくら考えても心当たりなかったし。それとも俺に図書館へ向かえとガイアが囁いているのか?それは何と言うか、いやなお告げだな。と考えていると、そこで司書さんから衝撃のカミングアウト。

『まぁ簡単に言うと君は死んだんだ。いくら呼んでも帰っては来ないんだ。もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ』
「・・・・・・死んだのぉー!?」

超展開である。だが二次創作とかでは割と良くあるパターンだったりもするが。内心「そうだこれは夢なんだ。眼が覚めれば夏休みが待っている」とか考えていただけの俺の衝撃は大きかった。というか死んだのにまた人生と向き合うのか?よく分からん事を言う。どことなく哲学的な気がするが、高確率で気のせいだ。
司書は西洋人みたいに両肩をすくめてヤレヤレとジェスチャーを取った。何か特に理由はないがイラッとするな、こういう仕草する奴。

『しかも死因が何というか・・・聞きたい?』
「その言い方されると聞きたくないなぁ・・・」
『お風呂で居眠りした結果溺死しました』
「結局言うのかよヲイィィィィィィィ!!」

まぁ確かにその死に方は、何というか・・・ない。せめて誰かをかばって交通事故で死んだとか病死ならまだ恰好がついた。だが風呂で溺れるってのは日本では結構多かったりするんで生々しい死に方でもある。居眠りでもしたのか、それとも血糖値か。よく知らんがどうにも俺は考えている以上に不健康な生活を送ってたらしい。
んー・・・いかん、脳味噌が働いていない。寝不足のまま深夜に突入して思考の悪循環に陥った時みたいな感覚ある。自分が死んだとか何とかがよく分かんなくなってきた。

「・・・え?じゃあここ死後の世界なの?って言うかお兄さん誰よ?」
『ここは・・・何といえばいいかな?決まった名前はないからお好きにどうぞ?』
「じゃあ徹○の部屋」
『OK、それは止めようか。なんか気が付いたら隣に○子さんがいる気がしてきて落ち着かないから』

よく分からんが勝った。俺が勝ったのか徹○が勝ったのかは知らんが。るーるるっるるるるーるるー・・・と何処からか音楽が流れそうな名前になることは回避されてしまった。

「時に、あんた誰?」
『誰に見える?』
「・・・取り敢えず、見た目は司書かな」
『じゃ、それで』

・・・そのちょくちょく上から目線の物言いが気に入らないんだが。そして結局この司書さんは何がしたいのだろうか。いい加減展開が読めずにイライラしてきたので足元の本を適当に拾い上げて投げつけようとし―――

『ああ、まぁあれだ。僕が君に何の用があるのかそろそろ聞きたいんじゃない?取り敢えず本降ろして話しようよ。適当に腰掛けて』
「本の上に座るのは行儀が悪いと思うが・・・ま、アンタの本っぽいからいっか」
『なかなかにいい性格してるね』

取り敢えず近くのバランスが良さそうな本の山に腰掛ける。主導権を握られてるのはどうにも気に入らないが、話が進まないからな。腰を据えると、司書はぺらぺらと喋り出した

「で?茶々を入れるのは好きだけど、入れられるのは嫌いなんだ。本題は?」
『勝手だねぇ・・・・・まぁ実は君が死んだことでエントロピーがネゲントロピーして思いがけず大変なことになってしまったから、解消するために君をどっかの平行世界に送っちゃおうという話だよ。いわゆる神様転生って奴だと思ってくれ』
「アンタから急にネット界の住民臭がしてきたのは気のせいか?」

俺が死んだことより神様転生よりそれが一番気になる。っていうかアンタ神なのか?正直威厳とかオーラとか、そう言うスゴイ人オーラは感じない。むしろなんかウザい人オーラは感じるけどな。
しかしエントロピーがネゲントロピーって意味わかんないな。おい貴様、神ならもっと分かりやすく説明しろ!

『残念ながら君が考えるような全知全能の神ではないんだよね、僕は。僕の仕事は専ら試験管の中に劇物を放り込んで中の様子を観察すること・・・”フラスコを揺らす者”とでも言うべきかな?』
「・・・はぁ。役に立たねーな」
『本当に減らず口だね君は・・・まぁいいや。僕はね、他の二次創作みたいに沢山特殊能力を上げたり願いをかなえることはしないんだけど・・・』

妙に芝居がかった声で両手を広げるその司書相手にリアクションに困っていると、急にこっちを見た。見つめ合うと素直にお喋りできなくなったりはしないのだが。

『さっき言ったように劇物を放り込むわけだから、平行世界に送る際には劇的と言える何かを君に与えることが出来る。さあさあ、何が欲しいかいってご覧!お兄さん何でも叶えちゃうよー?』

うわ、無駄にテンション高くて超ウゼェ。こういうひょうきん者気取りみたいなやつって嫌いなんだよな。学校に必ず1人はこういうのいるもん。しかも教師に。あーやる気無くなったっつーか白けた。もういいや適当になんか頼んじまおう。

「じゃあ従者にさいきょーのどらごんくださーい」
『・・・君ってば全体的にテンション低いね。具体的にはどんなの?』
「考えるのめんどいからデカくて強くて俺の身を守れるのがいい」
『おk、把握した!じゃ、君が今手に握ってる本の世界に送り込むよー。戸籍だの家族だのは用意しないんで現地調達でなんとかしてねー!』
「え、そんな無人島生活みたいに軽く言われても困・・・ぎゃー!?」

え?と思った時には時すでに遅し。俺の足元にはスキマだかクロスゲートだかなんのこっちゃ解らん空間が広がり、そのままフリーフォール。落下直前に見えたのはネット住民司書さんの殴りたい笑顔と、手に握った「魔法少女リリカルなのは 設定資料集」ってな感じの事が書いてある本だった。

『あ、その本サービスであげるからー!!あとドラゴンは呼べば来るよー!!』
「せめて漫画か小説にしろよオレリリなのは本編見たことねーんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・」

こうしてなんのこっちゃ良く分からないまま、俺の視界は真っ黒ォ!にブラックアウトした。

『・・・あ。そういえばここの本は外部に持ち出せない仕組みだったの忘れてた。設定資料集渡した意味が全然ないねぇ』

てめーいつか必ずぶん殴る。




= =  =    =      =        =



・・・・・・二度目となるが。
ここ、どこよ。

本日二回目の疑問と共に起き上がった俺は周囲を見渡す。なんか町の上にある丘みたいなところにいるらしいことを把握。ついでに自分の格好も確かめてみる。

「・・・あれ、何か俺小っちゃくね?」

記憶が正しければ俺は二十歳過ぎのちょいメタボな男だったはずだが、靴のサイズとか確認してみたら靴のサイズが18センチくらいしかねぇ。小学生サイズである。鏡が無いから確認できねえけど、俺多分小っちゃくなってるわコレ。

「・・・これからどうしようか」

超展開に次ぐ超展開に俺の精神的な感覚はすっかり麻痺しきっていた。うーん、あれだ。取り敢えずドラゴン呼んで町まで降ろしてもらおう。何という特典(?)の無駄遣い、と思うかもしれないが使えるものは使えるときに使うのが俺の主義!というわけで・・・

「来ーい!ドラゴーン!!」


・・・・・・・・・・・


あれ、来ない。呼べば来るって聞いたから呼んだのに来ない。呼び方が適当過ぎたかな?では気を取り直してもう一回―――



そう考えた瞬間、俺の周囲が急激に暗くなった。

「な、何事!?」

もしやドラゴンが来たのかと周囲を見渡すがいない。というかよく見ると周囲どころか町まで暗くなっ、て、・・・・・・・





その時、俺はそれを見てしまった。街を見た時に、気付いてしまった。







空が、見えない。






いや、正確には、見上げる空のすべてが、青くて鱗のようなものが全体を覆った「何か」によってすべて隠れている。敵が七分で、黒が三分とか、そんなチャチな割合ではない、完全なる十分。







「おい・・・おい。もしかして、あの万里の長城よりでかそうなお空のあれが、俺の呼んだドラゴンなんて言わねえだろうな・・・!?」







その声に応える様に、空から龍の顔が姿を現した。俺は、『もっと謙虚な願いにすればよかった』と心底後悔した。



これ、冗談抜きに攻撃一発で地球がヤバいよね?





~そのころ時空管理局艦船アースラ~


「艦長!!第97管理外世界にロストロギア反応が!」


その報告に、ブリッジにいる全員の顔色が変わった。
ロストロギア、それは異世界に存在した高度な魔法技術の遺産の総称であり、その危険度によっては宇宙一つが滅んでしまうこともあるとてつもなく危険な代物なのだ。

「なんですって!?それで、その反応の大きさは!?」
「な、な、なによ・・・これ・・・」

オペレーターであるエイミィ・リミエッタはその事態に、報告も忘れてただ茫然とした。

「どうしたのエイミィ!?反応はどうなの!?」

普段有能であるエイミィからただならぬ空気を感じ取った艦長――リンディ・ハラオウンは報告を急かした。

「―――のう、です」
「え?」
「ほ、本艦のレーダー類では、総エネルギー量が大きすぎて・・・測定不能、です」
「――――」

リンディは、その言葉を聞いたとき一瞬気が遠くなるのを感じた。
先も言ったようにロストロギアは宇宙そのものを滅ぼすこともある危険なものだ。だからこそその反応を逃すまいと次元航行艦には常に最新鋭の魔力レーダーが積まれている。そしてそのレーダーは本来、世界という大きな空間にある一粒の砂の様なロストロギア反応を拾うための物だ。

その計器が弾きだした結論が、測定不能。

「・・・なんて、事」

それはすなわち、時空管理局の歴史上に一度も出会ったことがないような、間違いなく最大のロストロギアが、たった今発動していることを意味していた。
そして、それだけの総エネルギー量を誇るロストロギアがもしも悪しきものだったとしたら。
危険度はもはや、Sを越えて、存在しないXランク。冗談や誇張抜きに次元世界丸ごとすべてを脅かしかねない。

そんな存在が、たった今地球という惑星にある。


「・・・なんて、事」

もう一度、全く同じ言葉を紡ぐ。これはもはや、自分たちだけで扱える案件ではない。そして・・・これはもはや、管理局という一組織が収集できるレベルを超えていると言わざるを得なかった。


私たち時空管理局は、今日滅びるかもしれない――――





~再び戻って地球~



「も、戻れ!今すぐ戻れ!!次元の狭間でもなんでもいいから急いで見えないところまで行ってくれぇぇぇぇぇ!!」

お空の龍に必死に叫ぶ坊やが一人。いい子じゃないからねんねはしない。
どうしてこうなった!?どうしてこうなった!?日照権とか領空侵犯ってレベルじゃねーぞ!!

もうね、いろいろやばいよ。
街ではありとあらゆるサイレンが鳴ってるし、自衛隊の飛行機がびゅんびゅん飛んでるし!!
街どころか日本大パニックだよ!!!
そりゃそうだよな、どう見積もってもあれゴジラよりでかいもんな!!!!



もう本当に、心底思う。



「何でおれはもっとつつましい願いにしなかったんだぁぁ―――――!!!!」



―――世界は、こんなはずじゃなかったことばかりだ――― 


           
        〈 ̄ヽ
    ,、____|  |____,、
   〈  _________ ヽ,
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    ヽ' 〈^ー――^〉  |/
      ,、二二二二二_、
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   \__ /    ヽ_____)

 
 

 
後書き
さいきょうのどらごん:正式名称『応龍皇』 作品元・・・漫画「龍虎王伝奇」及びスパロボシリーズより
推定サイズ・・・全長8,000km (万里の長城と同じくらいの長さ。横幅も考えると・・・)

能力
※『スーパーロボット大戦嵐―龍王逆襲―』の設定も取り入れているのでクソ強化されてます。


真・五行器(永久機関)
自己修復能力(ウン千年レベルでのメンテナンスフリー)
念動フィールド(所謂バリア。強度は機体サイズから推して図るべし)
雷、竜巻などの自然災害を起こす(規模は自然に起きるものと桁違いに大きい) 相手は死ぬ
龍鱗機(所謂ファンネルの類。但し数は応龍皇の鱗の数だけあり、しかも1つに付き全長約70m)相手は死ぬ
自ら直接雷を放つ(最大出力ならば恐らく惑星の一つや二つは軽く粉砕する威力がある) 地球は死ぬ
竜玉(超大型五行器。無限力を発生させそのエネルギーはイデオンにも匹敵する) 宇宙は死ぬ

操縦にはとてつもなく強力な念動力が必要なため、操従者は必然的にサイコドライバー。

どんなに小さく力を振るっても海鳴市は滅びます。これが本当のチートだ・・・ 
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