ヘタリア大帝国
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TURN73 思わぬ復活その九
「彼等を戦力にしていってそして」
「我が教団の勢力を伸張させる」
「そうされますね」
「ドクツの国教にしよう」
宗教の話もここで出た。
「講和して暫くしてからね」
「わかりました。ではまずはソビエト、エイリスと講和ですが」
「そのことだな。ここは大胆に行こうか」
「大胆!?」
「大胆にといいますと」
「カテーリン書記長とセーラ=ブリテン女王を呼ぼう」
楽しげな、かつ不敵な笑みでの言葉だった。
「そうしよう」
「カテーリン書記長jにですか」
「セーラ女王を」
「そのつもりだよ。こちらの出す条件は全部飲んでもらってね」
そのうえで講和をするというのだ。
「講和だよ。さて、次は」
「祖国殿達を、ですね」
「ここに呼びますか」
「まあ俺はもうドクツの人間でもないけれどね」
既にその意識もなくなっていた、彼の帰属意識は国家ではなく他の場所に移っていたのだ。それでこんなことを言えたのである。
「仮にも総統になったし」
「では呼びますか、祖国殿達を」
「今ここに」
「ああ、そうしよう」
こうしてヒムラーはドイツ達を呼んだ、しかしだった。
来たのはドイツ妹とプロイセン妹だけだった。ヒムラーは自分の目の前に立つ二人に怪訝な顔で問うた。
「ドイツ君達はどうしたのかな」
「はい、実はソビエト秘密警察の面々と戦闘jに入りまして」
「そこで重傷を負ったんだよ」
二人はこういう設定を付けてヒムラーに事実を隠した。
「瀕死の重傷でとてもここまで来られないので」
「あたし達が来てるんだよ」
「オーストリア君もだね」
彼もいない、彼もドクツの構成国家になっているがだ。、
「君達二人だけか」
「はい、残念ですが」
「今はあたし達だけだよ」
「三人の入院先は何処かな」
ヒムラーはドクツを愛する総統を演じる為にこう尋ねた。
「見舞いに行くけれど」
「私達の家にいますが」
「もうね、何かあると危ないからね」
「見舞いも迎えられない状況なので」
「待ってくれるかな」
「そうか、わかったよ」
実際は愛国心のないヒムラーは二人の言葉にあっさりと答えた。そして二人に対して軽い口調で述べた。
「じゃあ今は君達が国家として動いてくれるか」
「はい、お任せ下さい」
「兄貴達の分まで頑張るよ」
「今ドクツは大変な状況だけれどね」
滅亡は免れたがこの状況は変わらない。
「俺が何とかするよ」
「はい、それではお願いします」
「ドクツの為にね」
二人もヒムラーに敬礼で応えた、互いに化かし合っていることには気付かない。
二人はヒムラーの前を後にして自室に戻ってそれで話した。当然そこにはドイツ達は一人としていない。
その家の中で話したのである。
「まさかこうなるなんて」
「ヒムラー隊長が生きてるなんてね」
プロイセン妹は苦い顔で困惑している顔のドイツ妹に返した。
「ちょっとね」
「想像もしていなかったから」
「あたしもだよ。まあ総統がいなくなったことはね」
「自害されたと思っていることはいいことね」
「ああ、普通はそう考えるからね」
レーティアの性格を考えれば、である。
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