妖精の十字架
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~It works together③~
時は流れ午後三時。予定の時間に俺とミラは港に向かった
ミラは水族館で買ったペンギンのぬいぐるみを抱きかかえながらも依頼人の元へ
「待っておりましたクルスさん」
「あぁ。で、俺らはどうすればいい?」
ケビンは二枚の紙切れを俺とミラにそれぞれ一枚ずつ手渡す
「そちらが今回のオークションの流れです」
「へー!あ、でも私たち服これしかないですよ?」
そう。今回のオークションは貴族の集まり。俺らみたいな魔導師の服装は正直浮く
「なんの心配もいらないですよ、こちらでお召し物は用意してあります」
「そうか。なら案内してくれ・・・・・・すでに浮いてる」
さっきから周りの目が気になる・・・
「失礼しました。ではミラさんはあちらに、クルスさんはこちらへ」
ミラは女性の案内人に案内され、俺はケビンに連れられて個室に案内された
「ほほー。さすがはクルスさんスタイルも素晴らしい!」
「そうか・・・?」
俺に服を次々と試着させてくるが、服に関しての俺の知識は限りなくゼロ。どれもほとんど一緒に見える。全部タキシードだし
「うん!こちらにしましょう!」
そういって着させられたのはダークスーツ。若干着崩してラフに着こなすとケビンが
「・・・本当に魔導士さんですか?どこかの貴族でなくて」
「・・・「純」魔導士だ」
「そちらは準備できましたか?」
ミラが着替えている部屋の前からケビンが声をかける
「はい!ばっっちりきまってますよ~!」
「そうですか!こちらもかなり決まっております!」
そういった時ドアが開いた
「・・・」
「男は女性を30分も見なければ活目して見よ」
「きれいだ・・・」
ミラは白いカクテルドレスを着て現れた
その姿、立ち振る舞いは妖精のごとく華麗なものだった
「どう・・・かな?」
「えぇと・・・すごく似合ってる」
服に疎い俺でもわかる。ミラのそれはすごく似合っている。銀髪と白いドレスがマッチして純白感が感じられた
「そ、う?クルスもかっこいいよ--・・・」
下を向いて手をもじもじさせながら顔を赤らめている
「あ、ありがと」
「ではではお二人とも、甲板へ」
場所は変わり甲板でのパーティ
「すごい人だな・・・」
「はい。おかげさまで満員御礼状態です」
「私たちはいったい何をすればいいのですか?」
ミラが訪ねる
「あぁ、オークションが始まるまでは自由にくつろいでいただいて結構です。始まってからは暴徒が出ないようにお願いします。万が一の時は魔法の使用も許可します」
「了解した。あとは任せろ」
「では私は少し席をはずします。どうぞごゆるりと」
ケビンは立ち去り、俺とミラが取り残された
「とりあえず、いろいろ見てみるか」
「うん!」
俺とミラは並んで歩き始めた。沢山並んだテーブルにはおいしそう且高そうな料理が並べられていた
「あ!あれ食べたい!」
ミラはテーブルにある高級料理を周り気にせず食べ始めた。すでに庶民感が出てしまっている・・・
「ん!?あれも!」
「良いよ。俺がとる」
「ありがとー!」
その後もミラはめったに食べられない料理を沢山食べ続けた
『本日はご来船いただきありがとうございます』
「ミラ、始まったぞ」
「んぅ!・・・っ。わかったー!」
料理を呑み込んでミラに仕事の空気が漂う
『―――では本日のメインイベント!船上オークション!』
俺は周りの人に気を配る。幸い、まだ酔っている人はいない
『ではではまず一点目!海の太陽オ―パ-ル!』
始まった。しかし暴徒化する人も親の七光を炸裂するやつも・・・・・いたわ・・・
「180万!」
『180万!でました!他には他には!?』
「・・・・3000万!!」
来たよ。桁違いの額をただ言うだけの七光。その男は長身で残念なことにホステス顔で、隣に座っているメガネは親だろう
『さ、3000万!他に居ませんか!?』
「無理だろ・・・」
「・・・チッ」
あちらこちらで舌打ちが続く
「これ、ヤムル。必要なものだけ買いなさい」
「良いじゃねぇか、キラがほしいって言ってんだから」
その場にいない女性の名前が聞こえた
父親は興味がないように再び視線を前に戻した
『続いて!年に一度の大判振る舞い!ダイヤモンド加工のブレスレット!100万から!』
「おっ!これナマがほしいって言ってたな・・・よし!2500万!」
『に、2500万!他にはいませんか!?』
「クルス、私あの人嫌い・・・」
「同じく同意見」
すると、ここで暴徒が現れた
「てめぇ!少しは周りも考えろ!!」
殴りかかろうとしたその男が急に倒れた。自然にじゃない。なにか強烈なものが上から押し付けられているような倒れ方だ
「!?」
「おとなしくしておれ。お前のほうが迷惑だ」
どうやら護衛の魔導師による魔法だ
俺はさりげなく魔法を飛ばして倒れている男にかかっている魔法を吹き飛ばす
「ッ!?」
案の定魔導師は驚く
俺はテーブルのカクテルを飲みながら知らん顔
『さ、さて、次にまいりましょう!!』
司会者が流れを何とか戻す
その後も七光が炸裂したが、俺がその金額の倍を払って買い取る。理由は簡単。個人的に気に入らんからだ
「ちッ!」
ヤムルは俺に向かってがんを飛ばすが俺もがん無視
「・・・クルス、お金、あるの?」
「ん?まぁな、日頃使わないし、まだまだ許容範囲だ」
正直ここにいる貴族には負けないほどの貯金はある
『ではこれにて第1部を終了します!みなさん!続きは1時間後!』
若干ヤムルの顔に不気味な笑みが浮かんでいたが俺は特に気にせず、現状報告のためにミラと船室に向かった
後書き
あれ、?ばとるが、ない・・・てか、まだ触りしか、かけてない?
こ、更新頑張ります!!
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