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ノーゲーム・ノーライフ~3人目の天才(ゲーマー)~

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第3話~「  」の素顔、そして、異世界への誘い~

 
前書き
・・・・・・・・・・・。
空「・・・?おい、どうしたんだ?」
白「(にぃ)、た、ぶん、ネタ、つ、きた」
ギクッ!
空「あ~。まあ、その、なんだ、無い頭使って頑張って」
白「がん、ば」
てめえらのその頭でだったら簡単に思いつくだろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!
空「なに?それは俺たちに手伝え、と?」
白「と?」
いや、その・・・・・。なんと言いますか。少しだけでも手伝ってくれたら嬉しいかな~、って。
空「それってさ、何かメリットあんの?」
白「ある、の?」
そ、そりゃぁ、もちのろんですよ。あはっ、あはは~。
・・・・・・・・・・・・・・・あっ、続きは後書きで。 

 
さて、突然だが紹介しよう。
「  」の――その素顔を―――――っ!
「・・・・ぁー・・・死ぬ死ぬ・・・あ、死んだ・・・ちょっとぉ・・早くリザってぇ~」
「・・・ズルズル・・・足でマウス・・・二つ、は・・・無理、あった・・・」
「いいから早く、リザリザぁ―――つかずるいぞ妹よっ!こっちはもう三日も食べてないのに、なに優雅にカップ麺なんか食ってんの、しかも今戦闘中!」
「・・・にぃ、も、食べる・・・?・・・カロリーメイトとか・・」
「そんなブルジョアの飯、誰が食うか。つか、早くリザれって!」
シュヴァァァ・・・キュリンっ!
「お、サンキュ~・・・つか、今何時?」
「・・・ん・・まだ、夜中の、八時・・・」
「朝八時を夜中と表現するとは、斬新だな妹よ。で、何日の?」
「・・・さぁ、・・・一、二――四つめの、カップ麺・・・四日、目?」
「いやいや妹よ、徹夜した日数じゃなくてだな・・・」
「ニート、の・・・にぃ、に、関係・・・ある、の?」
「あるだろっ!ネトゲのイベントの開催日とか、ランク大会とかっ!」
――と、十六畳ほどだろうか、そんな中々に広い部屋でネットゲームに興じる一組の男女。
だが、無数のゲームとゲーム機。一人四台――計八台のパソコンが接続された配線は、近代芸術を思わせる複雑さで床を這い、開封されたゲームパッケージと、彼らが「兵糧」と称するカップ麺やペットボトルが散乱したそこに、本来十六畳程あった広さを感じさせる余地は見受けられない。
そんな小さな「二人だけの世界」で、二人は言う。
「・・・にぃ、就職、・・・しな、いの?」
「―――おまえこそ、今日も学校行かねぇの?」
「・・・・」
「・・・・」
以後、二人の間に会話が交わされることはない。

兄――空。十八歳・無職・童貞・非モテ・コミュニケーション障害・ゲーム廃人。
典型的な引きこもりを思わせる、簡素な格好。そして、ボサボサの黒い髪の少年。
妹――白。十一歳・不登校・友達無し・いじめられっ子・対人恐怖症・ゲーム廃人。
血の繋がりを疑うように兄とは対照的に真っ白い、だが手入れされていない様子の長い髪が頭を隠し、転校したその日以来、家の外では着たことはない小学校のセーラー服の少女。
それが「  」――ゲームで「都市伝説」を作った「空と白」というゲーマーの正体である。

―――それから約一日後・・・―――
「  」の、二人の兄弟のもとに一通のメールが届く。
そのメールに載っていたのは、
『君ら兄妹は、生まれる世界を間違えたと感じたことはないかい?』という文面と、
一つのURL。
そのURLに「.jp」などの国を表す文字列はない。
特定のページへの――つまりゲームへの直接アドレスで見かけるURL。
兄妹二人は少しの葛藤の末、そのURLから飛ぶことを決意する。
そこで行われたのは「チェス」。
最初こそは空がやっていたのだが、一手、二手―――五手、十手と重ねていくうちに、兄は違和感に気づく。
そこで、すかさず動いたのは白。グランドマスターすら破ったチェスプログラムを先手後手入れ替えで二十連勝した白が。
つまり、世界最高のチェスプレイヤーが相手にするに足ると判断したのだ。
そこからは長かった。
(そら)(しろ)、文字通り、「  」で挑み・・・。
八時間経過したその時―――――。
『チェックメイト』
そんな無機質な音声が「  」である二人の兄妹の“勝利”を宣言した。
「「はぁあああぁあああ~~~~~~~~・・・・・」」
大きく息を吐く二人。それは呼吸さえ忘れるほどの勝負だったことを物語る。
長い長い息を吐いたあと、二人は笑い出す。
「・・・すごい・・・こんな、苦戦・・・ひさし、ぶり」
「はは、俺はお前が苦戦するのを見るのすら、初めてだぞ?」
「・・・すごい・・・にぃ、相手・・・ほんとに、人間?」
「ああ、間違いないな。誘いにノらなかったときの長考、仕掛けた罠の不発の時に僅かに動揺が見えた。間違いなく人間だ。――ただし、お前以上の天才(バケモノ)、って可能性もあるけどな」
「どんな、人だろ」
グランドマスターを完封したプログラムを、完封した妹が、対戦相手に興味を抱く。
そんな時―――
―――――テロンッ♪
そんなメールの着信音が響く。
「ん?さっきの対戦相手かもな。開けてみろよ」
「・・・うん、うん」
そして届いたメールには。
一言、こう書かれていた。
『お見事。しかし、それほどの腕前、さぞ世界が生きにくくないかい?』
そんなたった一文で、
二人の心境は―――氷点下まで下がった。
世界から隔離された――十六畳の、狭い部屋。
それこそが、兄妹(ふたり)の世界――全て。
『大きなお世話どうも。なにもんだ、テメェ』
(それ)に返信が――いや、返信というには程遠い、答えになってない文面が返ってくる。
『君達は、その世界をどう思う?楽しいかい?生きやすいかい?それとも―――』
答えは決まっている。改めて確認するまでもない。この世界は―――
―――「クソゲー」だと。
・・・ルールも目的も不明瞭な、くだらないゲーム。
七十億というプレイヤーが、好き勝手に行動して。
勝ちすぎるとペナルティを受け。
――頭が良すぎる故に、理解されず孤立していじめられた妹。
負けすぎてもペナルティを受け。
――赤点が続いて、教師に、親に怒鳴られても笑顔を保ち続ける兄。
パスする権利はなく。
――黙っていればなおも加速していったいじめ。
喋りすぎれば、踏み込すぎと疎まれる。
――真意を読みすぎて、的を射すぎて疎まれる。
目的もわからず、パラメーターもなく、ジャンルすら不明。
決められたルールに従ってさえも罰せられる。
そして、なにより――
ルールを無視した奴が我が物顔で上に立つ――。
こんな人生(クソゲー)、他になんと称されようか。
そんな時――
テロンッ♪
そんな空気をぶち壊すような、軽い音が聞こえてくる。
それに構わずシャットダウンしようとした兄の手を。
――妹が、止める。
【もし、“単純なゲームで全てが決まる世界”があるとしたら―――】
続けざまにメールは送られてくる。
【目的も、ルールも明確な盤上の世界があったら、君達はどう思うかな?】
この文面に、空と白、互いに見合い・・・
兄はキーボードを打つ。
なるほど、そういうことか、と。
『ああ、そんな世界があるなら、俺達は生まれる世界を間違えたわけだ』
―――と、最初に届いたメールの文面になぞられて、
返信する。
――――その一刹那。
真っ暗になった「小さな世界」にはもう住人(ひと)はいなくなっていた。
さて、ここでみなさんに問おう。
――『こんな噂を聞いたことがあるだろうか』――と。
あまりにゲームが上手すぎる者のもとには、ある日、一通のメールが届くという。
本文には―――不明瞭な短い文と、URLが貼られているだけ。
そして、そのURLをクリックすると、あるゲームが始まる。
そのゲームをクリアすると―――――この世界から消えるという。
そして―――――
―――異世界へと(いざな)われるという、そんな『都市伝説』。


・・・・あなたは、信じますか? 
 

 
後書き
前書きの続きを書きたいのですが、・・・・まず一言。
疲れたああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~。
空「うっせんだよ。黙れ」
白「だま、れ」
白さん!女の子がそんな言葉使っちゃいけません!
空「お~お~。白さんや」
白「お~、け~、にぃ」
え?なに?なになになに?
空&白「「てめぇ、何調子乗ってんだ?あと、さっさとメリット言えや!」」
ひっ!こ、怖い。「  」怖い。
空「んで、早く教えてくれませんかね~。そのメリットとやらを」
白「そうだ、そう、だ」
わ、わかったよ。言うよ。ずばり、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ、すみません。この続きは多分次回のあとがきでやると思います。
ちなみに、今回は3000字近く行く超長めになってしまいましたがご勘弁ください。
まあ、ほとんどが原作からまるっと持ってきたようなもんですからね~。
アレンジを加えながら、二日かかって書きましたが、難しさを痛感しましたね。
さて、次回はついに、「盤上の世界」へと、行きます。
行くのは、「  」の二人と3人目のゲーマーさんです。
名前は・・・・後後紹介します。
ではまた次回で。 
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