RPG WORLD ―ろーぷれ・わーるど― ~復讐の少年~
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序章
僕の日常
前書き
主人公目線です。
そして初めから不良たちの登場です。
「おらおら!土下座しろよ」
「もしくは靴の裏なめろよ。おらおら」
「ぎゃはははははは!」
足蹴の痛みと共に来る罵声。
周りには僕の荷物が散乱している。そしてすっからかんになった財布も。
「おら!サッサと泣きながら土下座して俺らの靴なめろよ」
「『ごめんなさぁ~い。ゆるしてくださぁ~い』ってか?ほらやれよ早く。俺らやさしいから許してもらえるかもよ?」
そこでまた起こる汚い笑い声。
...思えばもうこの痛みにも罵声にもなれちゃったな。
そこでちょっと笑ってしまう。
「何笑ってんだコラぁ!」
そこで相手の気に触れたらしく、顔面を思いっきり蹴られる。
鼻血が出るがたいして痛くはなかった。
「ったくよぉ。せっかく土下座すれば許してあげるって言ったのによぉ?むかついちまった。来いオラ!」
そこで無理やり立たせられる。そして半ば引きずるような感じで歩かされる。
連れてかれる場所は恐らく屋上。本来生徒は立ち入り禁止なので何してもバレない可能性が高い。
今いたのが4階の男子トイレ。この時間(放課後から1時間ほど経過)は大体の生徒が帰るか部活しているため人とは全然出くわさない。教師も会議などでいない。
そう考えている間に屋上についたようでかなり強引に放りだされる。
もちろん殴られすぎ蹴られすぎで、足が笑っており、ヘッドスライディングみたいに飛び込んだみたいな感じになっていた。
「おい、煙草よこせ」
不良たちの中の一人が仲間に煙草を要求する。
...ああ。またアレか。
誰かが煙草を差し出し、火をつけそれを咥え、吸う不良。
そして煙草が短くなってくる。
「あ~。吸いがらに火がまだついてたら危険だよね~」
そう笑いながら僕の学ランのボタンとシャツのボタンを強引に開ける。
そして僕の胸板にその火のついた煙草をゆっくりと押しつけた。
「~~~~っっッ!」
煙草の火によって肌が焦げる。
悲鳴を上げそうになる。
でも...絶対にあげない!あげたら負けだ!唇を強く噛み、こらえる。
相手はわざわざこっちの苦痛を増すためにゆっくりと押しつけている。
そしてその顔はにやにやとした笑みでゆがんでいる。
きっと待っているはずだ。僕の悲鳴を。
だから...死んでもあげない...!
そして煙草の火が消える。
「ちっ...おい。角材よこせ」
僕が悲鳴を上げなかったことでさらに怒らせてしまったようだ。
それでも、僕は絶対に悲鳴はあげない。それが僕のささやかな抵抗。
その後、僕は、角材が10本折れるまで腕や足、胴を殴られた。
そして動けない僕はそのまま屋上で、座っていた。その僕の前に人影が二つ。男子と女子だ。
でも、この二人は不良ではない。僕の唯一の大親友だ。
親友なら助けるだろっ!と思った人もいるだろう。でも、それは僕自身がこの二人に絶対に助けないで、とお願いしているのだ。
なんでって?
...だって、自分をかばって逆に友達が殴られるなんて、絶対に嫌だから。
「大丈夫か? 蒼空」
目の前の男子が僕に問いかける。
「どうにかね。大地」
中谷 大地(なかたに だいち)僕の唯一の男子の親友。
体は中肉中背でどっちかというと細いほうだ。
その上結構イケ面で実は女子に人気がある。
そして僕と同じくゲーマーだ。
「ほら」
そんな声と一緒に手を差し出される。
僕はそれを「ありがとう」といいながら掴み、立たせてもらう。もちろんまだ歩けないので肩を貸してもらうが。
そして肩を貸してもらうと同時に、もう片方の女子のほうも肩を貸してくれる。
「本当に大丈夫?蒼空」
「うん。これでも元格闘技やってたから。波音も心配しなくていいよ」
春風 波音(はるかぜ なみね)僕の唯一の女子の親友。
全体的に細めな体つきに、ポニーテールにした長い黒髪。
そしてかなりやさしい。
ちなみに僕と蒼空と同じようにゲーマー。
―☆―☆―☆―
「あ、そういえば、みんな『ギャスパルクの復活』今何レベル?」
僕がみんなに最近はまっているゲームのことについて聞く。
ちなみにあの後、何分たっても自力で歩けるほど回復せず、しょうがないので二人に肩を貸してもらいながら下校中。(トイレに散らばった僕の荷物は回収してくれていた)
「ん~、今の俺は...確かゴーデスナイトレベル62くらいだったかな?」
大地が言う。
「やっとゴーデスナイトなれたんだ!よかったじゃん!」
そう返すと、あはは、と笑っていた。
「波音は?」
僕がそう聞くと、
「ふふ...聞いて驚いて!昨日やっとビショップになったのだ!」
ビショップとは、回復、補助魔法のエキスパートだ。
「で、レベルは?」
「...えっと...それは...」
さてはかなり低いな。
「29...」
...低っ。
「そ、そんな低いな~みたいな顔しないでよ!じゃあ蒼空はどんぐらいなのよ~!」
あ、怒られた。
でも...その質問を待っていたんだっ!(ト○ア・アロナクス的な感じで)
「実はめっちゃ強いwikiにもまだ乗ってない新職業見つけた!」
「「何それ!?」」
二人が何その反則!というような目で見てきた。
「えっと職業名は、セイバー。日本語だと救世主」
「それってどんな職業?」
「はっきり言ってチート。武器は近接だけならなんでも使えるし、徒手空拳でのスキルもある。それに、サムライとグラディエーターを混ぜた感じで、刀も装備できるし二刀流もできる。最大の特徴は両手剣を片手持ちできるってことと、ほかのプレイヤーと交信できて、そのプレイヤーのところまでひとっ飛びできるってとこかな」
「「チートだ...!」」
うん。僕もそう思う。
「能力値的にはどれが高いの?」
「えーっと、STRとAGIがズバ抜けて高いけど、その代わり、DEXがすごく低い。後は普通とかそれよりちょっと下くらいかな」
「で、レベルはどうなのよ!」
「確か...86くらいだったかな?」
「「...」」
二人とも完全に沈黙してしまった。
...まぁ、徹夜してあげてたからなぁ...。
...っと、もう自分の家の前じゃないか。二人にお礼などを言い、自分の家に入る。
一人暮らしのため、誰にも怪我のことは心配されない。
さぁーって、今日もレベルを上げようかな!
そう気分を紛らわしながらドアを閉めた。
後書き
はい。チートです。次回で大体終わっちゃうかな?
コボルト退治後です。んで勇吾たちのクイーンアント狩りの前として草原のモンスター狩りをクエストとしてやります。数話後に。
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