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ヘタリア大帝国

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TURN71 ベルリンへその二

「その処罰は」
「かなり厳格なものとなりますか」
「あの方とグレシア=ゲッペルス宣伝相は死刑を免れません」
「そうですか、やはり」
「はい、 そうなるでしょう」
「残念なことですね」
 日本はレーティアの処刑について難しい顔で述べた。
「そうなりますと」
「私もそう思います」
「あの方は人類の歴史上最高の天才ですから」
「余計にですね」
「はい、そうです」
 日本もまた深刻な顔で秋山に述べた。
「何とかならないでしょうか」
「最早手遅れかと」
 秋山はその無念の顔で日本に答えた。
「ここからベルリンに兵を進めるにしましても」
「何ヶ月もかかりますね」
「スエズから北アフリカ、そしてイタリンと行くにしましても」
 進撃ルート、それも最短のものはわかっている。だがそれでもだった。
「エイリス軍の精鋭がいますし何ヶ月もかかっていますと」
「その間にドクツは攻め滅ぼされますね」
「東からはソビエト軍、西からはエイリス軍が「来ています」
「最早一刻を争う状況ですね」
「ですから今行くとしましても」
 ドクツは攻め滅ぼされレーティア達は処刑されてしまうというのだ、このことは最早自明の理にさえなっていた。
 秋山は全てがわかったうえで言うしかなかった。
「我々は今は中南米のアステカ帝国の相手をしてです」
「そしてですね」
「インド洋、満州方面から連合国が来ます」
「暫くすればですね」
「彼等はドクツとの戦いの後で戦力を再編成しなければなりません」
 彼等もドクツとの戦いでかなり消耗しているからそうなることだった。
「暫く時間はあります」
「そしてその間に」
「どちらを主な相手にするか決めなければなりません」
 連合国の残る二国、エイリスとソビエトのどちらを主な敵にするかというのだ。
「戦略として」
「そうですね。これまでイギリスさんは同盟国であるアメリカさんと中国さんが植民地の独立を承認しておられましたから」
「独立した国々に攻め込めませんでした」
 これがそのままエイリスの反撃を防いでいたのだ。
 だがそれがだった。
「ですがガメリカ、中帝国も枢軸側になりました」
「それ自体はいいとして、ですね」
「エイリスにとっては植民地の奪還が阻むものがなくなりました」
 それで植民地の奪還に動くというのだ。
「そうなります」
「その通りですね。あらかじめインド洋方面に艦隊を置いておいて正解でしたね」
「そう思います、私も」 
 秋山もこう言う。
「ソビエトも植民地については」
「反対ではありますね」
「しかし一時、日本とエイリスが戦う為にはです」
「一時黙認しますか」
 エイリスの殖民地奪還をだというのだ。
「そうしますね」
「間違いなく。戦略として正しいです」
「しかしそれをあのカテーリン書記長が許すでしょうか」 
 潔癖症で己を曲げないカテーリンがエイリスの植民地奪還を許すか、日本はこのことについて秋山に問うた。
「果たして」
「カテーリン書記長は個人的には反対でしょう」
「ですがそれでもですか」
「ソビエトの主な敵は今後は我々になります」
 枢軸である彼等がだというのだ。
「ですから内心はどう思っていても」
「黙認という選択肢を選ぶというのですね」
「そうしてきます。連合国は今度はソビエトとエイリスです」
 この二国になるというのだ。 
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