DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第8話:進むべき道が定まったかな?
(エンドール)
リューノSIDE
「……でネネさんは、私のお父さんの事を何か知ってますか? 何か情報があれば今後の方向性を定める為、お聞きしたいんですけど……」
先程ウルフとの口論時に、喧嘩両成敗と耳を引っ張られ、ビアンカさんの様な為人だと把握した私は、出来るだけ低姿勢で情報を聞き出そうと試みる。
「おいおい、リュカさんが人妻に手を出す訳ないだろう。聞くだけ無駄だと思いませんか?」
しかしウルフが特定常識論で否定してきた。
こいつ情報を聞き出してないな!
「そりゃお父さんは他人の女に手を出さないけど、分からなきゃナンパくらいはするでしょ! ネネさんは美人なんだから100%お父さんのターゲットになると思うわよ」
私は自分の父親を正しく評価する……勿論それは部下であるウルフにも理解出来たみたいで、大きく頷き納得する。
「それもそうだね……じゃぁ改めてお伺いしますがネネさん。リュカさんにナンパされた事はありますか?」
「はぁ……あるかないかと聞かれても……リュカさんが誰だか分からなければ……何とも言えません」
「あぁ…そうか。えっとですね……紫のターバンを巻いた、すんげーイケメンです。今まで出会ったどのイケメンよりもイケメンです!」
「まあ…ウルフ君よりもイケメンかしら?(笑)」
「「はい!」」
ネネさんにはウルフの台詞が冗談だと思ったらしく、笑いながらお父さんのイケメン率を侮ってくる。
だから私もウルフも声を揃えて肯定する。
そう……ウルフの良いところは、自分をお父さんには敵わないイケメンだと自覚している事だ!
「ざ、残念ながら私には憶「僕、その人を知っているかもしれません」
ネネさんのガッカリ情報の発表を遮って、息子のポポロ君が期待出来そうな発言をしてきた。
男の耳にお父さんの情報が入ってくるのは信じがたいけど……
「え、マジッスかポポロ君!? 『僕、女の子に間違われてナンパされました』ってんじゃないよね!? 絶対にあり得ないぞ!」
「ち、違いますよ! 僕はそんなに女の子っぽくありません!」
そうよね……この子は女の子には見えないわよね!
それに例え女の子っぽくても、お父さんが間違えるとは思えないし……
匂いで『美女が居る!』って言うひとだものね!
「あの……リューラちゃんとはお知り合いですか?」
「え、貴方…リューラの事を知ってるの!? 私とは腹違いの姉よ。1日だけど姉よ!」
「やっぱりそうだ! 一度だけ妹さん達の名前を聞いた事があったんだけど、忘れちゃってて……」
ほぅ……リューラが私達の事を話題に出した!?
あの沈黙ロリータの事だから、きっとお褒めいただいたワケじゃないわね。
まあ私達3人とも、お互いを褒めたりはしないけどね。
「そ、それでリューラは今何処に!?」
「あ、はい……僕のお父さんと共に、リュカさんを……お父さんを捜す為、コナンベリーの町を目指してます。世界を自由に移動する為、コナンベリーで船を買うとの事ですよ」
ふ~ん……あの娘独自に動いているのね……
ウルフは食い気味にポポロ君の情報を聞き出したけど……別にアイツの事なんてどうでも良いし、こっちも独自でお父さんを捜した方が早そうよね。
「よし……じゃぁ俺達の目的地もコナンベリーに決定だ!」
「はぁ? 何でよウルフ……今はお父さんと合流する事の方が先決でしょ! あの娘を見捨てる気は無いけど、優先順位を間違えないで!」
「ふん……母親にソックリでお前は馬鹿だなぁ!」
「な、何だとコノヤロー!」
ムカツク言い方をする男ね本当に!
「良いかよく聞け! 今現在、俺達はリュカさんの居場所を知らない。だがリュカさんだって俺達の事を捜すはずだ! ましてや可愛い娘の事を、何時までも放っておける男じゃない! つまり俺達はバラバラで動き回るよりも、一緒に居てリュカさんを捜していた方が、互いに見つける確率が上がるんだ!」
な、なるほど……
言われてみればその通りかも……
ムカツク事を言われたけど、ウルフの言い分は最もだと思う。
「それにさっきも言ったが、俺達は勇者を中心に集まる運命になっている! 下手に足掻いて、集合が一番最後になるのは避けたい。リュカさんの居場所が分かり直行便が存在するのなら、それに乗るのが最短だが……あるのかい、それが?」
「いいえ……悔しいけどウルフの言っている事が最も正しいわ。まぁ私としては、喧しいマリーと最初に合流しないで済むのは有難いけどね!」
「ははははは……相変わらず仲が悪いなぁ、君達は!」
そう言えばそうね……
ラインハットのリューナや、サンタローズのフレイとは、そんなに仲悪くないのだけど……
生まれた時から一緒にいる私達3人は、何時も疎ましがっている気がする。
仲良くした方が良いのは解ってるのだけど……
リューノSIDE END
(エンドール)
シンSIDE
ウルフさんの大胆な推測と、的確な判断……そして格好いい指導力で俺等の進むべき道が確定した。
俺みたいな“駆け出し勇者”とは違い、圧倒的リーダーシップを取れるウルフさんに憧れてしまう!
この人の師匠であるリュカさんって、どんな人なんだろう?
「目的地が定まったのは良いとして……確かもう一人仲間が居るんでしょ? 似て異なる女が一人……帰ってくんのを待つの?」
確かマーニャさんと言ってたかな……ミネアさんとは双子って言ってた。
やっぱり美人なんだろうなぁ……
「あぁ忘れてた……もう放っておいても良くね? あんな浪費娘は、シカトしちゃってもOKっぽくね?」
あれ……随分ぞんざいな扱いだな。
ウルフさん、美女が好きそうなのに……
「あのウルフさん……お気持ちは解りますが、姉さんも私の占いでは“導かれし者”です。どうか寛大なお心で……」
「大丈夫……言っただけですから。本気じゃありませんから……」
何だろう……凄く疲れ切ってるウルフさんが居る。
「あ~…シン君。今後一緒に行動する事になるのだが……これから会うマーニャさんにだけは、お金を与えてはいけない! どんなに色仕掛けで攻められようとも、泣き落としを駆使されようとも、あの女に金を渡してはダメだ!」
会うのが不安になるウルフさんの言葉……
だ、大丈夫ですよね?
大丈夫なんですよね、俺達!?
シンSIDE END
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