万華鏡
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第二十八話 浴衣その三
「お母さん岡山にいったんよ」
「そうだったんですか」
「お父さん今も岡山店におってお母さん今ではそこにおるんや」
大阪店から岡山店に勤務先が変わったtごいうのだ。
「そうなってるんよ」
「関西弁はお母さんの影響なんですね」
「そやねん」
母の影響だというのだ。
「周りは岡山弁ばかりやけどな」
「それでもなんですか」
「家の中は関西弁やったから」
父はいてもだというのだ。
「お母さんばかり喋るし」
「ううん、成程」
「大阪弁ってええやん」
彩夏に笑顔で話す。
「砕けてて柔らかいし」
「そうですね、確かに」
「今は寮におるけれどいつもこうなんやで」
岡山弁ではなく大阪弁だというのだ。
「お酒入ったらな」
「そうですか」
高見先輩のことはこれでわかった、そしてこの話を入れ替わりに。
宇野先輩は陽気な笑顔で五人に尋ねた。
「それで五人共彼氏はおるんけえ?」
「いないです」
「私もです」
五人共こう返す。
「そうした人はちょっと」
「予定もないです」
「そんじゃキスもまだなんじゃな」
宇野先輩は五人の話を聞いて納得した。
「もうそろそろって思うけえのう」
「私高一の夏やったで」
「わしは梅雨だったわ」
先輩同士で話す。
「キスはな」
「それでクリスマスにやったわ」
「そや、やっぱりはじめてはムードがないとな」
「あかんけえのう」
「どういったお話は察しがつきますけれど」
里香は引きながら先輩達の話に入る。
「あの、そうしたことはその」
「だから彼氏見つけんしゃい」
宇野先輩は強い声で言って来た。
「早いうちに」
「彼氏というのはちょっと」
「駄目けえ?」
「考えられないです」
「今は部活で手が一杯ですよ」
美優は里香に続いた。
「こっちで」
「そこを何とかするんや」
高見先輩は先輩というより姉の様に言って来た。
「時間を作ってな」
「時間をですか」
「私等かて同じやで」
「部活して勉強もあるけえ」
「まして私等寮生やし」
「門限とか厳しいけえ」
その中でもだというのだ。
「ちゃんと彼氏も作って交際してるし」
「経験もしとるんよ」
「あの、経験って」
「結構あからさまですよね」
「いや、高校で二年になったらな」
「結構皆経験しとるけえ」
先輩達は戸惑う五人にこう返す。
「そうした知識もあるさかい」
「皆な」
「どうやって時間作るんですか?」
このことを問うたのは美優だ、寮生である先輩達に問う。
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