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魔法少女リリカルなのは ~優しき仮面をつけし破壊者~

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無印編 破壊者、魔法と出会う
  15話:覚醒するD/貫きたい思い、守りたい約束

 
前書き
 
更新明日とか言っておいて、二日も経ってしまった。申し訳ありません。
  

 
 



「シューーット!」
「くっ!」

ディバインシューターを使ってフェイトちゃんに牽制。でもやっぱり止まる事なく、フェイトちゃんはバルディッシュを振り上げて迫ってくる。
私はそこから移動して、フェイトちゃんの攻撃を避ける。そしてそのまま飛行してフェイトちゃんから離れる。

チラッと横目で見るのは地上、士君達がいる場所。
さっきから雷がいくつも落ちていて激しい戦いが行われている事が目に見える。少し不安になるけど、すぐ目の前にフェイトちゃんが現れる。振り下ろされるバルディッシュをレイジングハートで防ぐ。

「くぅっ…!」

確かに心配だけど、今はこっちに集中!大丈夫……士君は、やられたりしない!だって――――


(―――約束、してくれたから!)





それはここに来る前、私の家の私の部屋で。

『なのは、お前はフェイトと一騎打ちになるけど……大丈夫なのか?』
『ふぇ?』
『アイツと真っ向から戦えるのか?』

士君から急に切り出され、出てきた言葉に少し考える。でも、答えはもう出てる。

『私は、フェイトちゃんを救いたいの!アルフさんにも言ったけど、フェイトちゃんを放っとくこと、私にはできない!だから、私の思いを…思いっきりぶつける!』

私の言葉に、士君は小さな笑顔を見せた。

『そうか、それがお前の覚悟か』
『うん!』

『なら、俺から言う事はないな』

そう言って士君は立ち上がって部屋を出て行こうとする。

『あ、そうそう。なのは、これだけは約束してくれ』
『?』

でも、出る直前で士君は立ち止まってこっちを向いてきた。私は首を傾げながら見ると、士君は真剣な顔でこっちを見ていた。

『必ず……勝ってこい。フェイトにお前の思いをぶつけてこい』
『うん!じゃあ士君も約束して!』
『ん?』

『絶対に…ぜっったいに!無茶しないでね。二人で一緒に、ここ(家)に帰ろう!』

『……あぁ。俺は負けない、絶対にな』

お互いに約束をかわして、お互い笑顔を返し合った。





(だから……士君は、負けない!)

私は心でそう言いながら、フェイトちゃんを押し返す。フェイトちゃんは空中で体勢を立て直してバルディッシュを構え直す。

(だから今は……!)

そう心に決めて、私はまたシューターを用意する。

「全力で…フェイトちゃんに勝つ!」

















堕ちてくるいくつもの雷。その合間をぬって緑と黒の影が通る。

「うおおおぉぉぉぉぉ!!」

その影は勿論、Wに変身した士のもの。ウェザー・ドーパントに向かって、走り出す。相手側も雷を放出し、迎撃してくる。

「フンッ!」
「っ!あぶね!?」

放たれた雷を避け、ウェザー・ドーパントに向け士はさらに接近する。

「今のを避けますか…」
「はっ!」

接近したところで拳の連打。ウェザー・ドーパントはいつも通りこちらの攻撃をいなしながらも攻撃を仕掛けてくる。

「くっ、やはり…強い…!」
「その程度ですか?興ざめですよ」
「なめるな!」

そう言いながら士は攻撃を仕掛けるが、やはり通らない。
逆に向こうの攻撃が徐々に士に当たり始める。

「ぐっ、くっそ…」
「フンッ!」
「っ、おわぁぁ!?」

一瞬の隙をつき、ウェザー・ドーパントは士の体に手の平を置き、高温度の熱気を放つ。俺はたまらず後退し、後ろへジャンプする。

「まだだ!」
〈 FORM RIDE・W HEAT METAL 〉
「フフフ……はっ!」

士はライドブッカーから新たにカードを取り出し、発動する。士の体は左半身がメタリックシルバー、右半身が赤の姿『W・ヒートメタル』へ変わる。
ウェザー・ドーパントは体に巻かれたウェザーマインを振り回し、こちらめがけて飛ばしてくる。

「はっ!く、せい!」
「フッ、ハッ!フン!」

士はウェザーチェーンが到達する前に背中に手を回し、背中にあるメタル専用武器『メタルシャフト』を掴み、迫るウェザーマインを弾く。
ウェザー・ドーパントはチェーンを操り、士はそれをシャフトで弾きながらウェザー・ドーパントへ接近する。

「これで!」
「甘いですよ!」

ウェザー・ドーパントの攻撃をかいくぐり、先に炎を灯したシャフトを一閃。だがそれは片腕で受け止められる。

「Wですか。ですがその姿では私を倒す事はできませんよ!」
「るっせぇんだよ!俺の勝手だろう!」
「他のライダーなら倒せるかもしれないけど、メモリは破壊できない。そう考えていませんか?」
「っ!?」

その時シャフトは弾かれるが、もう一度振りかぶる。だが、それも片手で止められる。

「あなたの考えなんてお見通しですよ」
「くっ…!」
「その程度じゃ私に勝てませんよ!」
「っ、がっ!」

そう言いながら受け止めていたシャフトを押し放し、チェーンを俺に当てる。
士は吹き飛び、地面に転がる。

「にゃろぅ!」
〈 FORM RIDE・W LUNA TRIGGER! 〉
「はぁ!」

だがすぐに起き上がり、さらに士は姿を変え、右に黄色、左に青の体を持つ『W・ルナトリガー』になる。そして右半身の胸にあるトリガー専用武器『トリガーマグナム』を掴み、引き金を引く。
銃から放たれた黄色い光弾は縦横無尽に駆け巡り、ウェザー・ドーパントの元へ。ウェザー・ドーパントはそれを受けずに上半身の動きだけで避ける。

「これも当たらねぇのか!?」
「フフフ……」
「くっ……ならこれで!」

さらに引き金を引き、光弾を放つ。二、三発は軌道を変えながらもウェザー・ドーパントに向けて、残りをウェザー・ドーパントの周りで迂回される。
ウェザー・ドーパントは向かってきた光弾をやはり上半身だけで避ける。その一瞬の隙に、周りに飛ばしていた光弾を向かわせる。

「っ!くっ…」

残りの光弾は全て命中するが、それは奴の体から少量の煙を出すだけにとどまり、どう見てもダメージは見えない。

「くそ…当たってもこれか……」
「少々威力不足でしたね」
「がああぁぁ!!」

不意に奴は手の平をこちらに向け、虹色の光線を放つ。士はそれを避ける事ができず、再び地面に転がる。

「ぐっ!く…そぉ……」
「「士!」」
「ほぅ、あの二人はまだ倒れていませんか。少しはやるようですね……。ですが……」

離れたところで戦っているユーノとアルフが心配そうに声を上げる。それを見たウェザー・ドーパントは、そちらに向かって歩き出す。

「て、てめぇ……なに、する気だ……?」
「決まっているでしょう?邪魔な者は排除するのみ、ですよ」
「なっ!?」

ウェザー・ドーパントの言葉は士に驚愕を与えた。

「フフフ、その顔…いいですねぇ。これだから人とは面白い」
「このぉ……」
「そこで見ていればいい。仲間の最後とやらを、ね……」

笑いながらそう言い、手を上に上げる。すると未だ戦っているユーノとアルフの上に、大きな暗雲が立ちこめる。

「これだけの威力の雷を食らえば、魔導師とはいえどうなるかわかりませんねぇ…」
「よせ…止めろ…!」
「フフフ………終わりですよ」

そういって上げた手を振り下ろされる。


――――ガシッ


「っ!?」
「止めろって……言ってんだろ……」

だが完全に振り下ろされる前、技が放たれる前に士がその腕を受け止める。

「よ、よく動けましたね、その体で…」
「はぁ…はぁ…はぁ……」

立ち上がり受け止めはしたが、士はすでに息が絶え絶え。肩も大きく揺らし、立っているのがやっとの様子。

「ですが…やはり無理をしてますね!」
「がぁっ!」

ウェザー・ドーパントは止められていない手で士の腹を殴る。それだけでは終わらず、左、右、また腹と、ウェザー・ドーパントのパンチを連続を放つ。

「フンッ!」
「がはっ…!」

最後にアッパー。士は宙に舞い、地面に転がる。そのとき、士の姿はWからディケイドへ戻る。

「くは……ぐ…ぅぅ!」

だが士は、またも立ち上がろうと腕に力を込める。

「まだ立ち上がれるのですか?」
「はぁ…はぁ……まだ、お前らを倒せて…いないからな。倒れているわけには……いかないんだよ……」

足下をふらつかせながらも、倒れる事なくウェザー・ドーパントの言葉に答える。

「私達を?ハハハハハ!それは無理な話です。あなたのような弱いものには、ショッカーはおろか私すら倒せない」
「はぁ…はぁ……たとえ弱くても…それは戦わない理由にはならない……」
「「士!」」

別の場所で戦う二人も、ふらつく士を見て声を上げる。

「なら一思いに……消して差し上げますよ!!」

ウェザー・ドーパントは再び手を振り上げ、暗雲を操る。雲は士の真上へやってきて、雷を帯電させる。


「俺には…守りたいものがある……貫きたい思いが…果たしたい約束が…!だから、お前には…お前達には―――――」




「―――――負けられねぇんだぁぁぁぁぁ!!」




その瞬間、その叫びと共に光がその場に発生する。

「うぉぉ!?」
「くっ、これは!?」
「一体何が!?」

その光は、ウェザー・ドーパントの行動を止め、ユーノやアルフ、ユーノ達を取り囲む怪人達も動きを止める。
そしてその光の発生元は―――――

「これは………トリス…か?」


―――――士の腰の部分。赤く光る宝石、デバイスのトリスからだ。


「な、なんで……」
〈 「Complete」 limiter release. 〉
「はっ!?」

トリスから急に発せられる言葉は、いつもの物ではなく、士は驚く。

「ちょ、おま…!」


〈 Liberation ――― Complete form. 〉


そして次に発せられた言葉と共に、ライドブッカーがひとりでに開き、数枚のカードが飛び出す。

「ぐぉ!?」

そのカードは回転しながらウェザー・ドーパントを切り裂き、士の前で制止する。

「これは……」

士は浮かぶカードをつかみ取り、眺める。するとカードが光り、ブランクの部分に絵が刻まれる。

「っ!このカードは…」

さらに光っていたトリスから、光る球体が放出される。士がそれを掴み手を広げると、球体は形を成していく。

そして光が収まると、士の手には黒い筐体にマゼンダ色のストライプが入ったタッチパネル式携帯電話型ツール『ケータッチ』へ変わる。

「こいつは!」
「くっ、新たな武器ですか…」

士はケータッチを持ち替え、先程飛び出したカードの中の一枚、「コンプリートカード」をケータッチへ装填し、パネルに映った九つの紋章をタッチする。

〈 KUUGA, AGITO, RYUKI, FAIZ, BLADE, HIBIKI, KABUTO, DEN-O, KIVA 〉

そして最後にディケイドの紋章をタッチする。


〈 FINAL KAMEN RIDE・DECADE! 〉


その音声が響くと、ディケイドの頭部は並行世界の王者の証『ディケイドクラウン』に変化し、肩から胸にかけてあったふちの白い部分が開き、九つのライダーのカメンライドのライダーカードが配置された装甲『ヒストリーオーナメント』が装着される。体にあった色は黒と銀を基本としたものとなり、複眼の色はマゼンダへと変わる。
ディケイドライバーのバックルをベルトの右腰に装着し、ケータッチをバックル部に装着する。


仮面ライダーディケイドの真の姿にして最強形態『ディケイド・コンプリートフォーム』だ。


「これが……コンプリートフォーム…!」
「姿を変えたところで!」

変化した体に新たな力を感じている士に、ウェザー・ドーパントは未だ立ちこめる暗雲から赤い雷を落とす。

「ふっ…だぁあ!」
「なっ!?」

だがその雷を士は腕で受け止め、振り払う。ウェザー・ドーパントは雷が聞かなかった事に驚愕する。

「は~、ふ~……それじゃあ、反撃と行こうか!」
「この…なめるなぁ!」

士は一回深呼吸をして言い放つ。その声と共にウェザー・ドーパントはウェザーマインを操り、士に攻撃を仕掛ける。

〈 ATACK RIDE・SLASH! 〉

「はぁあ!!」
「っ!?私のウェザーマインを!?」

しかしその士はカードを装填し、ウェザーマインを切り裂く。

「これでご自慢のチェーン攻撃ができなくなったわけだ」
「くっ…だが、その程度で!」

そういいながら拳を作り、士に向かって走り出す。そして作った拳を振り上げ、士に仕掛ける。

「ふっ!」
「がっ!?……はぁあ!」

それを避けボディーブローを繰り出す士。それを食らいウェザー・ドーパントは後ろへよろけるが、すぐに蹴りを出す。

「ぐっ、だぁあっ!」
「ぬぁ!?」
「はぁああ!!」
「ぐあぁ!?」

だが士はその蹴りすらも両手で掴み、ウェザー・ドーパントを空中へ投げ出す。そして宙に浮き、身動きの取れないところにさらに一撃を当て、ウェザー・ドーパントを吹き飛ばす。ウェザー・ドーパントはなす術無く地面に転がる。

「こんな、筈では…!だが!」

そういい、ウェザー・ドーパントが手を挙げると、背後から灰色のオーロラが現れる。そしてそれが通過すると、その場には多くの怪人達がいた。さらにユーノ達が相手取っていた怪人達もそこに集結する。

「これだけの怪人を相手するのは流石のあなたでもできまい!やれぇ!!」
「「「「「「「オオオォォォ!!」」」」」」」

「なめるなよ!」

〈 KUUGA!FAINAL KAMEN RIDE・ULTIMATE 〉


ウェザー・ドーパントの指示で怪人達は士へ走り出す。士はケータッチにあるクウガの紋章をタッチし、次に「F」の文字をタッチする。
すると胸にあるヒストリーオーナメントはクウガ・アルティメットフォームのカードだけになり、士の隣に黒い体に赤い複眼を持つ『凄まじき戦士』、『クウガ・アルティメット』が実体化する。

「邪魔なんだ!」
〈 FINAL ATACK RIDE・ku ku ku KUUGA!〉

さらにライドブッカーから一枚のカードを取り出し、右腰にあるディケイドライバーへ装填する。
そして音声が流れたと同時に、士は右腕を引き、力を込める。隣にいるクウガも同じ動きをとり、双方の右手に炎がともる。


〈 Pyrokinesis 〉

「はあぁ!!」
「「「「「「「ガアアァァァ!!?」」」」」」」

そして右手を突き出し、右手に込められた炎は怪人達を呑み込み爆発する。

「なっ!?」
「分子レベルでの破壊だ。跡形ものこらねぇはずだ」

パンパンと手を払い、驚いているウェザー・ドーパントに言う士。隣にいたクウガも消えていった。

「まだだ…まだだぁ!」
「ちっ、まだいたか。なら!」

ウェザー・ドーパントは声を荒げながら指示を出す。士はさらにカードを取り出し、ディケイドライバーへ装填する。

〈 FINAL KAMEN RIDE・FOURZE COSMIC!〉

そしてその音声で士の隣にはロイヤルブルーを基本とした体に、胸部にはスイッチングラングと呼ばれる四つの装甲に赤い複眼を持つ、フォーゼの最強フォーム『コズミックステイツ』が現れる。その手には専用武器『バリズンソード』が握られている。

「行くぜ!」
〈 FINAL ATACK RIDE・fo fo fo FOURZE! 〉

トリスから音声が聞こえると同時に、士はライドブッカーのソードモードを構え、それにあわせ隣にいるフォーゼ・コズミックステイツもバリズンソード・スラッシュモードを構える。それぞれの刀身にはマゼンダと青色のエネルギーがまとわりつく。


〈 Tyo ginga finish 〉

「ライダー…超銀河フィニーーッシュ!」


そしてその場で一回転して、その勢いで剣を振り剣がまとったエネルギーを大きな斬撃として飛ばす。斬撃はその場にいる怪人達を切り裂き、爆発させる。

「ぐおぉ!?」

その爆発の余波に呑まれるウェザー・ドーパント。吹き飛び、地面に転がる。

「さぁ、ここまでだぜ…ウェザー・ドーパント」
「ぐ…こ、こんな筈では…!」

ウェザー・ドーパントはゆっくりと立ち始める。だが、足下はおぼつかず、形勢は逆転したのが目に見えている。

「これで…最後だ!」

〈 FINAL KAMEN RIDE・W EXTREM 〉

そして士はライドブッカーからカードを取り出し、ディケイドライバーへ装填する。すると三度士の横に新たな影が現れる。
その姿は緑と黒の体の間に、クリスタル状の超越的身体・クリスタルサーバーが出現したWの最強フォーム、『サイクロンジョーカーエクストリーム』だ。

「そ、それは…!」
「こいつで決まりだ」
〈 FINAL ATACK RIDE・da da da W!〉

そしてその言葉と共にライドブッカーからカードを取り出し、装填する。それと共にジャンプする。動きがリンクしているWも共に飛ぶ。


〈 Double extreme! 〉

「だああぁぁぁ!!」
「ぐ、おぉぉぉぉぉ!?」

飛び上がったと共に俺の周りにはマゼンダと黒、Wの周りには緑と黒の風に包まれながら両足で蹴りを叩き込む。
食らったウェザー・ドーパントは吹き飛び、地面に落ちたと同時に大きく爆発する。

「メモリブレイクを含んだ一撃だ。これで、やっと……」


「さすが…ですね……仮面、ライダー……」


「っ!?」

爆発が収まり、爆煙に包まれる。そして爆煙が晴れていくのに合わせ俺が言うと、爆煙の中から声が聞こえる。完全に晴れたとき、そこには膝と両手をついているウェザー・ドーパント…いや、その元の姿である井坂深紅郎がいた。

「ですが…これで終わり、では…ありませんよ…」

だが、その体はすでにボロボロ。いや、ただボロボロという訳じゃない。井坂の体は徐々に、崩れていっている。

(これは確か…メモリの使い過ぎや改造メモリの使用の反動による身体崩壊、か……)

「ショッカーは必ず、目的を果たす……この地球はおろか、全ての世界を…手に入れる為に……」
「何だって!?」
「全ての世界ってことは…この次元世界全部か!?」

井坂の言葉にアルフとユーノが声を上げる。

「もうあなたでは止められない……この世界は…いずれショッカーの手に……フフフフフ、ハハハハハハハ……!」

その声と共に体は分解されていき、その姿は消滅していった。

「……やらせるかよ。この世界も、別の世界も。お前らなんかには…絶対にな」

消滅していった井坂に、士はもう届かない一言をいう。そして士は変身をとく。

「士……」
「…さて!あっちの二人の方はどうなったかな?」

ユーノは少し心配そうに士を見ていたが、士はすぐに踵を返し上空で戦う二人を見上げる。

そこでは―――――

「受けてみて!ディバインバスターのバリエーション!」
〈 Starlight Breaker 〉

「おい…あれは……?」
「集束砲、だね。周囲に散らばった魔力を集めて使う魔法だよ」
「周囲に散らばった?ってこたぁ今まで使って空中に残った魔力を使う、エコな魔法なのか?」
「そういう訳でもないよ。体には負担はかかるし…」

上空にはまるで流星のごとく集まるピンク色の魔力。それに向けデバイスを振り上げているなのは。そしてその下方で動かないでいるフェイト。もう二人の戦闘は終盤に突入していた。

「フェイトは動かない…というより動けねえのか?」
「ってバインド!?いくらなんでもあれは…!?」

「これが私の全力全開!!スターライト、ブレイカーーーー!!!」

なのはが振り下ろしたデバイスの先にある魔力の塊がフェイトに向け放たれ、フェイトの姿がピンク色の魔力に埋もれる。そしてそれは海をも巻き込み、大きなうねりを生む。

「おい、こりゃぁ…!」
「すごい…これがあのなのは…!?」
「フェイト!?」

砲撃の影響で周りが閃光に包まれる。それが晴れたとき、上空では肩で息をするなのはと、意識を失ったフェイトが。フェイトは意識を失ったことで、海へ真っ逆さまに落ちていく。

「フェイト!?」
「ユーノ、アルフと一緒に二人のところへ」
「え?でも士は…?」
「俺はいい。疲れたし、普通の状態だと飛べねぇからな」
「うん、わかった」

落ちていくフェイトを見て真っ先に飛び出すアルフ。ユーノも士の言葉でアルフの後を追う。
海に落ちたフェイトを抱え海から出てくるなのは。そんな二人を朝日が照らしていく。

「勝った、か…」

なんとか飛べるフェイトに、その頭上にジュエルシード。アルフとユーノはそんな二人を少し遠目から見ていた。

[士君!来たよ!]
「何!?」

そこで士に突然通信が入る。通信相手はエイミィ。そしてそのすぐ後、朝日で明るかったはずの上空は大きな雲で覆われ、突然の雷にフェイトは打たれてしまう。

「フェイトちゃん!」
「フェイト!」

その雷のせいでバルディッシュは砕け待機状態に。ジュエルシードもどこかへ消えていってしまった。

[士、聞こえているか!?]
「クロノか!?今のそっちの状況は!?」
[エイミィが場所の特定に成功した!そこに武装隊を向かわせたところだ!君達は念のためこっちに戻ってきてくれ!]
「了解した」

通信に応じて、士は上空の四人を見上げる。


―――――事件の終幕は、もうそこまで来ていた。


 
 
 

 
後書き

てな訳で、ここでご報告が。

お気に入り100件突破しましたーーー!!
その他にもいくつかの感想や評価、本当にありがとうございます。

これからもがんばっていくので、なにとぞよろしくお願いします。
  
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