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万華鏡

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第二十七話 江田島その四

「岡山に行ったら楽しんでね」
「わかりました」
「それでね」
 宇野先輩が言う。
「とりあえず晩御飯まで自由時間だけれど」
「それまでは、ですね」
「お風呂入る?一回」
「お風呂ですか」
「それですか」
「ええ、ここのお風呂は凄いからね」
 楽しめる、だからだというのだ。
「どうかしら」
「そうですね。それじゃあ」
 美優が五人を代表して応えた、そうしてだった。
 五人はまずはホテルの大浴場に向かった、だがここで。
 先輩達も笑顔でこう言って来た。
「私達も行くから」
「一緒にね」
「えっ、先輩達もですか」
「そうされるんですか」
「ええ、そうするわ」
 宇野先輩が笑顔で応える。
「それじゃあね」
「はい、わかりました」
「それじゃあ一緒に」
「晩御飯を食べる前にも入って」
 それからというのだ。
「食べてからもね」
「すっきりする為ですね」
「牡蠣、凄いわよ」
 広島人の宇野先輩の言葉だ。
「ここの牡蠣もね」
「江田島の牡蠣ですか」
「広島は牡蠣が名産だけれど」
「その中でもなんですか」
 彩夏は宇野先輩の言葉を聞きながら喉をごくりと鳴らした、無意識のうちにそうなってしまったのである。
「江田島の牡蠣は」
「そう、私が言うのは何だけれど」
 広島人として主観が入っていることを懸念しての言葉だ。
「凄く美味しいから」
「ですか」
「しかも量も多いのよ」
 味がいいだけではないというのだ。
「楽しみにしていてね」
「わかりました」
 彩夏は宇野先輩の言葉に頷いた、そしてだった。
 七人で大浴場に向かった、そのうえで。
 脱衣場でジャージを脱ぐがそこでだった。
 景子は高見先輩の身体を見てそのうえで目を丸くさせて言った。
「高見先輩って」
「どうしたの?」
「いや、前から知っていたつもりですけれど」
 背中から振り向いてきたその高見先輩に言う。
「凄いですね」
「凄いって?」
「スタイルが」
 それがだというのだ。
「あの、胸も大きいですし」
「そうかしら」
 先輩は自分の胸を見る、その白いブラに包まれた胸を。
「そんなに大きい?私の胸って」
「八十五ありますよね」
「ええ、そうよ」
 実際にそれだけあるという。
「けれど私の背だとね」
「一六〇ですよね」
「大体ね」
「それで八十五で」
 しかもだった、景子はそのウエストも見て言う。 
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