古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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交渉意味を成さず
アメリカ キラ・ヤマト邸
アメリカに建つキラ所有のお屋敷の応接室では現在異様な事が起こっていた。それは顔面蒼白のリツコと床に沈んでいるミサト。そのミサトには、まさかのパンツァーファウストを両腕で構えてその先をミサトに向けているシンとその様子を見ながらコーヒーを飲んでいるシンキ。そして屋敷の持ち主であるキラ自身も何故か日本刀に手を掛けて抜刀術の体制に入っていた。現在ミサトは床の上でピクピクと痙攣しながら這い蹲っていた。よくもまあリツコ特製の麻酔弾を受けて意識があるもののだ。普通の人間に打てば明らかに致死量だろう、このアル中患者はどういう身体の構造をしているのだろうか。そして何故このような事になっているかというかというと、少し時を遡る必要がある・・・
ヤマト邸。
黒い高級車数台を伴って車から降りてくるのはネルフ作戦部長 葛城 ミサト、技術部長 赤木 リツコ、それにやたらくっ付いて来ている、護衛という名目のネルフ諜報部の黒服達。それを出迎える様に出て来たメイド服を着込み、手にはライフルを持った女性達と執事服に長槍と杖を持った男達がそれを出迎えた。いきなり武装した使用人のご登場に全員呆気に取られたが、リツコとミサト、数名の黒服を屋敷に入る事を許され、応接室に通された。妙に堅苦しい黒服を着込んだ諜報員のお陰で暑苦しく感じる応接室でミサトとリツコは待たされていた。ミサトはどうにも落ち着かないのか周りをキョロキョロと舐めまわす様に見ながらリツコに尋ねる。
「ねぇリツコ。どうしてこんな屋敷で交渉しなきゃいけないのよ」
「・・・」
リツコは何にも言わなかった。リツコは額に青筋を立てながら頭を抱えた。自分が簡単に纏めて渡しておいた資料をミサトが読んでいない事に呆れてながら怒りを感じていた。リツコが何か諦めた様子で答えようとした時、部屋の扉が開き入って来た。キラ、シン、シンキの3人だった。リツコとミサトにテーブルを挟んで位置しているソファに腰を下ろし、メイドは3人にコーヒーを出す。因みにミサトとリツコにも飲み物が出されているが、紙コップにインスタントコーヒーを入れているだけ。キラ達にはまるで宝のように美しい器にコーヒーを注がれていた。かなりの嫌がらせである
「何で、あんたがここにいるのよ」
何を血迷ったが喧嘩売っているのかこの作戦部長は。人の家に来てその家主に対していきなりの暴言、追い出されても文句は何も言えないだろう。リツコや黒服達は冷や汗と脂汗を大量に欠いていた。キラはミサトの暴言を聞いても顔色一つ変えなかった。ミサトを明らかに隠したのだと認識しているからだ。
「ここは私が所有する屋敷です、其処に私が居る事は当たり前の事。そのような事も理解する事も出来ないのですか葛城一尉。いえ、既に二尉だったか確か。ねぇ?シン」
「ええ。葛城 ミサトは先程の使徒との戦いでの失態で降格されています。近い内に更に降格するでしょう」
「それに、キラ兄さんとシン兄さんは准将。僕は大佐。明らかな上官侮辱ですね、どうやらネルフという組織は躾がなっていないんですね」
リツコはミサトの頭を鷲掴みをして思いっきり頭を下げた
「申し訳ありませんでした!!」
「随分とユニークな交渉人でしょう」
皮肉が利いている、だがネルフは言い返す事が出来ない。
リツコは最初から上手くいくとは思っていない、どこか諦めムードだったが初っ端からミサトが相手に喧嘩を売ったせいでそれに拍車がかかっている。既に交渉は始める前から破綻している。
「シンキ君。彼方にネルフのパイロット、サードチルドレンになって貰えないかしら」
リツコが単刀直入に切り出した、最早ヤケクソだがシンジがサードチルドレンになるかどうかを
「そう、これは人類を守る重要な仕事なの、あなたの協力が私たちには必要なの」
ここぞとばかりに参入するミサト。シンキは朗らかな笑みを浮かべ簡潔に言い切った。
「お断りします」
キッパリと言い切った。
そしてこの後に何が来たと思うか。ミサトによる暴言罵倒であった
「あんですってぇぇえええええええええええ!!!!!!???こんの餓鬼!!!あんたは人類の未来のための戦いを何だと思ってるんのよ!!!?アンタの我が侭なんて通らないわよ!!!」
「我が侭じゃありませんよ、人類の為に戦うならネルフに異動しなくてもグライナルリーゼズで十分出来ますよ。実際に僕は今まで単独で1体、コンビで1体の使徒を殲滅しています。何故、使徒に敗北したエヴァンゲリオンという俗物に乗る必要性があるんです」
シンキはあくまで自分の考え、正論でミサトに立ちはだかった。シンキの言っている事は正しいし筋が通っている。ネルフに異動するなどシンキに対してのメリットが見込めないし、必要性の欠片も無い。エヴァも使途に完全敗北している訳だし。
「シンジ君!!自分が何言っているのかわかってるのかしら!!?人類の危機だって言うのに逃げるなんて許されないのよ!!!人類の為に戦うのが男の子でしょうが!!逃げちゃ駄目よ、戦う事から、逃げてもいい事なんてないのよ!!!!」
なんという理不尽且つ穢れきった正義のお言葉だろうか。この作戦部長は自分が何を言ってるのか理解しているのだろうか?シンキ達は使徒を倒す力を持っているし、現に使途を倒している。もう既に人類の為に戦っているのだ。そして、この発言にキレたのがシンキの事を実の弟の様に大事にしているシンだった。
「さっきから黙って聞いてれば戯けた事をほざいてんじゃねぇぞこのキチガイ女!!!こっちが黙ってれば好き放題に言いやがって!!!俺の弟を侮辱する気か!!!!」
この場合のシンの怒りは正しいだろう。シンの怒りは自分の家族に対して侮辱への怒り。シンにとって家族は自分よりも大切なものだ、それを侮辱されては相手を許す事など出来ない。
「誰がキチガイ女よ!!!大体なんでアンタみたいな奴がいるのよ!!!私達はシンジ君と話をしに来ているのよ!!!部外者は出て行きなさいよ!!!」
・・・。この女は遂に頭が沸いたのだろうか。それとも元々頭は沸いていたのだろうか。大体この場にいて、シンの言葉を聞けば関係ぐらいわかるだろうに。それに出発前にリツコからシンキは既にゲンドウの息子ではないと聞かされている筈なのに
「誰が出て行くかボケ!!!戯けた事を言ってんじゃねぇよ!!俺はシンキの兄だ!!ここにいて何が悪いんだよ!!!」
「うっさいわよ!!私はシンジ君と話をしてるのよ!!家族なんてお呼びじゃないのよ!!!
大体、これからの話はネルフの機密にかかわるのよ。部外者は出て行きなさいよ!!!」
嫌々嫌々、部外者ではないだろう。シンもキラもシンキの家族だし、家族は関係者だろうに。それにシンとキラは立場上シンキの上司で恐らくこの交渉における監査官だろう。そしてミサトは遂に事もあろうか
「ああもう面倒くさいわね!!!シンジ君は特務機関ネルフの特務権限で強制徴兵します、抗議は一切合切受け付けません!!!!」
ここでシンは使用人からパンツァーファウストを受け取って構え、キラもメイドから日本刀を受け取って抜刀術の体制に入った。流石にリツコはもう駄目だと思って懐から麻酔銃を取り出してミサトの首に麻酔弾を打ち込んだ。そして冒頭に戻る。
「なあ撃っていいよな!?撃っていいよなキラさん!!!」
「待ってよシン。この汚物を始末するのは僕だよ、両腕両足を切り落として達磨にしてから撃ち込んで良いよ」
この後、ミサトはシンとキラに殺される前に黒服によって屋敷から出されて、荷物としてダンボールに詰められて日本に送られた。この時、黒服達は嬉しそうに作業を行ったいたそうだ。
当然交渉は決裂、この事でネルフは更に責任追及されてしまい、特務権限は更に縮小された。そしてミサトは2階級降格の上で、60ヶ月の40%減棒を食らった。
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