古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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ネルフ失墜
ネルフ本部・司令執務室
「・・・・・・・・・・・・・・」
ある書類を突き付けられながら、ゲンドウは沈黙をしていた。
「どうする気だ?」
突き付けている冬月は不機嫌そうにそう言った。その書類には今回の使徒殲滅戦で出た兵装ビル被害状況、エヴァンゲリオン参号機の状況、国連上層部からの抗議文と日本政府からの書類、それに加えて戦自による嫌がらせの書類に止めに言わんばかりに『赤木 リツコ博士、心労により倒れ入院中』『未だ意識回復せず』と書かれた書類まであったのだ
「・・・」
「ネルフの信用も奈落に墜ちた。それに加えて無理言って配備してもらった参号機も大破・・・。弐号機は予定通りに来るらしいが・・・どうなる事か・・・しかも今回もグライナルリーゼズは今回も大して被害も無く使徒を殲滅している。掛った費用は輸送機の燃料代に弾薬、稼動燃料代と言った所だろう」
冬月は先日の使徒殲滅戦で恐らく掛った思われる費用を上げたが、どれも第三新東京市が被った被害に比べれば天と地、月と鼈ほどの差がある。そして今回のことでネルフ不要論の勢いが更に加速する事になる。それに対しグライナルリーゼズは世界から賞賛の声を多数受けた。
特に2回連続で使徒殲滅戦に出撃し、2体の使徒を撃破したシンキは英雄と言われるまでに世界に名が知れ渡っていた。それでも流石に一般に名が知られる事は無いが
「シンキ・ナンブ少佐か・・・。実力での少佐、そしてグライナルリーゼズの隊長たるキョウスケ・ナンブ中将の息子とは・・・。これはもう手が出せなくなったな碇」
「・・・くっ・・・」
ゲンドウは悔しそうに歯軋りをした。本来ならば自分の手駒となるシンジが自分の最大の敵になるとは予想もしなかった。なぜこうまでも自分のシナリオが狂ったのか訳が解らなくなった
「失礼します」
ゲンドウが頭を抱えていると、そこへ葛城 ミサト特務三尉と赤木 リツコ特務三佐が入室してきた
「それで碇司令。私達に何の御用でしょうか」
「ああ、二人を呼んだのは他ではない。シンキ・ナンブ少佐のネルフ異動をグライナルリーゼズと交渉してきて欲しい」
「・・・副指令と碇司令も無茶言ってくれるわね・・・」
そうリツコとミサトに言い渡された任務とは、シンキ・ナンブ少佐のネルフ異動の直接交渉の使者としてアメリカに出向き事になってしまった。ハッキリ言って無理である。リーゼズがシンキを手放す必要もないしメリットも無い、それに4歳のシンキを暴行した元父親が総司令の組織。そして大敗を喫しており最早さっさとネルフを潰して予算をリーゼズに回した方が大いに世の中のためになる
「で、何で私アメリカに行かなきゃなんないのよ、シンジ君って司令の息子でしょ、呼びつけりゃ良いじゃないの」
「貴方が前に渡した資料を読んでないのがよぉぉぉおっく解ったわ。シンジ君、今はシンキ君よ。それに階級も貴方より上。シンキ君は4歳の頃に今の保護者であるナンブ中将の部下である人たちに拾われて、今はナンブ家で暮らしているらしいわ。おまけに完全に司令と親子の縁を切ってるし法的にも手続きは終わってるし裁判も起こしたそうだけど、司令が全部して結局裁判はナンブ側の完全勝利。社会的にもシンジ君はナンブ家の子よ」
「それって・・・シンジ君はもう司令の子じゃないって事?」
「・・・なんで今の説明でそれしか理解出来ないのよ?貴方、本当に脳がアルコールで壊れてるんじゃない」
やたらと理解が遅いミサト、既に脳がアルコールでスポンジ状になっているのか。嫌スポンジになっているのであれば吸収出来るはず。スポンジところかアルコールで脳がほとんどが壊れているのではないのだろうか
「そ、そんなに言わなくても・・・」
「でも異動してもらえるように交渉しろ?不可能ね」
「なんでよ、特務権限でも使って無理やり引っ張ってくれば・・・」
ミサトは冗談混じりに軽口で言ったが・・・それにリツコは激怒してミサトの頭を近くにあったファイルで引っぱ叩いた
「アンタそれ正気で言ってるの!?んなことしたらどうなると思ってるの!?どんな立場になるか理解して言っているの?今でさえ完全に国連上層部の信用を失っているのよ、そんな状況で特務権限をそんなに使ったらどうなるのか理解出来てるの!!?」
「い、いやぁね~・・・冗談よリツコ」
「そんな悪い冗談言わないで頂戴」
そして二人はアメリカに旅立っていった
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