仮面ライダーオーズ　心が熱くなるもの

「後藤ちゃんも危うい時あったって。自分でも思うだろ」
「はい、かつては」
「それがいい風になったからいいんだよ」
「俺の欲望がいい欲望」
「欲を否定するっていうか。無欲でいるのも欲なんだよ」
「無欲であることも」
「無欲でいたいっていうと。『いたい』って思うこと自体が欲だからさ」
　伊達はそう思うこと自体が欲だと言った。彼のその言葉を聞いてだ。
　後藤もだ。仮面の下で考えそうしてだった。グリード達に空から戦いながら言った。
「じゃあ火野も」
「そうだよ。最初は意識してなかったんだけれどな」
　それがだというのだ。火野もまた。
「やっぱりあったんだよ。それで自覚できるようになったんだよ」
「成程、そういうことなんですね」
「それで今の火野の欲望は」
「それは一体」
　二人は戦いながらオーズの戦いを見ている。その中でだ。
　オーズは戦いだ。グリードを倒していく。その彼にだ。突如としてだ。あの声が問うてきた。
「君と会うのははじめてだろう」
「？その声はまさか」
「そう、そのまさかだよ」　
　声は楽しむ感じでだ。オーズに対して言う。
「私がスサノオだ。君達の永遠の敵になるな」
「そのスサノオが出て来たということは」
「いや、私は今は戦わない」
　戦うことはしない、そう言うのだ。
「その代わり君に聞きたいことがある」
「俺に？」
「そうだ。君の今の欲望は何か」
　スサノオが問うのはこのことだった。
「人間としての欲望、それは何か」
「俺の欲望」
「君にも欲望があるな」
「勿論だ。俺は人間だから」
　それ故にだというのだ。彼も欲望を持っているというのだ。
「持っている、その欲望を」
「そうだな。ではその欲望は何か」
　スサノオはオーズに再び問う。その問いに対してだ。
　オーズはあのアンクを出してだ。それを右手に握り締めながら言ったのである。
「決まっている、俺は友達を復活させる」
「その手に持っているものを使ってかね？」
「そうだ。あいつは絶対に復活するんだ」
　彼が未来から来たことからだ。オーズは言う。
「それならだ。ここで絶対に」
「彼を復活させるというのだね」
「そうだ。それが俺の今の欲望なんだ」
「わかった。ではだ」
「では？」
「君が若し彼を甦えらせたいのならだ」
　それならばだというのだ。その場合はだ。
「ある場所に来るといい」
「ある場所？」
「そうだ。そこに来るのだ」
　こう言ってだ。オーズ達を誘うのだった。
「埼玉アリーナにだ」
「埼玉アリーナ？」
「そこに彼を甦らせられるものを用意してある」
　そうだというのだ。スサノオは笑う感じの声でオーズに対して述べる。
「ならばそこに来て彼を復活させそしてだ」
「御前ともまた」
「さあ、どうするのかねライダー諸君」
　余裕に満ちた、まさにそうした言葉だった、
「私の申し出を受けるのかどうか」
「俺は行く！絶対に！」
　そうするとだ。オーズは確かな声でスサノオに答える。