攻殻機動隊 アンブレラ・クロニクルズ
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第3話 再会
前書き
3話目です。
草薙はヘリから飛んだ後、順調に降下していた。落下速度は上がっていき、今では身体に受ける風が僅かに痛みを感じる。
徐々に、そして着実に地上との距離が近づいていく。
残り4900フィート(約1500m)になった所で草薙はパラシュートの紐を引いた。次の瞬間、それと連動して背中のバックからパラシュートが飛び出した。
無事に侵入ゲートのある洋館に降り立った。
草薙は手早くパラシュートを外し、武器を装備する。
武器
P90
残弾100×3
デザートイーグル
残弾12×3
アーミーナイフ
グレネード
3個
救急キット
3個
身代わり防壁
1個
小型端末
草薙は武器を確認した後、洋館に向かって足を進めた。
洋館内に進入した草薙は、研究所に向かうためのゲートを探す。
ゲートを探していると不自然に置かれた石像が有った。気になり石像の付近を調べ始める。
(これか?)
左の石像の裏にボタンがあり、それを押してみると石像から端末が出て来た。
草薙は自身の首元に装着した身代わり防壁からコードを引くと端末にコードを取り付けてた。
2分後、全てのロックを解除したが、草薙はある違和感に気付いく。
草薙《(・・・誰かが進入した形跡がある。)課長ハイブの入り口を発見。今から突入するが、ひとつ気になる事がある。》
荒巻《なんだ。》
草薙《誰かが進入した形跡がある。此方からの進入は、わたしだけのはずだな。》
荒巻《今確認する・・・そちらから誰かが進入したと言う連絡は来ていない。敵の恐れがある。ハイブの中では連絡が取れない。気を付けろ。》
草薙《了解。》
草薙は回線を切ると腰に挿していたデザートイーグルを構えながら扉の向こうへ、入って行った。
暗いコンクリートで作られた通路を歩いている。すると、目の前に貯蔵庫らしき部屋が見えて来た。
そこには、貨物車だと思われる物がが止まっていた。
(これを、使っている行くしかない様ね。)
草薙は貨物車に乗り込む。乗り込むと、そのままの足取りで制御室に向う。入ると目の前に制御盤が在り操作して列車を起動させ様としたが電源がつかない。
(電気が通ってないのか?)
そう結論付けると、草薙は列車の床にあるハッチから下に降りる。すると、外れた電源コネクターを見つけると外れているコネクターを繋いだ。
列車が起動したのを確認した草薙は列車に戻りハッチを閉め、制御室に戻り制御盤を操作して列車を動かした。
草薙サイド
列車の中で私は昔を思い出していた。あの人と会ったことを・・・
初めて会ったのはメキシコ戦線の時だった。
「伏せろ!」
誰かが叫んだときは、既に始まった後だった。
米国の武装勢力との接触を避けて中立地域を進行していた時にそれは起きた。
部隊は静かな街の中を進んでいた。民間人は戦争の被害から逃れる為に避難したのだろう。街には本来有るべき人の気配と言う物が失われていた。
道には乗り捨てられた車が密集して居り、周りの商店を目を移すと中にはテレビが電源のついた状態で放置されて居る。
人の気配がない街。
まさにゴーストタウンと化した街の中心部に差し掛かった時、それは起きた。
私は無意識にある場所に視線を向けた。そして目に飛び込んで来たのは、頭の欠けた人形だった。
そこで歩みを止めてしまった。
まるで、その人形が自分自身の此れからの姿に見えてしまったからだ。
だが、それがいけなかった。
「狙撃兵!」
人形に気を取られたせいで、私は反応が遅れて仕舞った。
鉄の塊が自分目掛けて飛んでくるのが見える。
周りが遅く感じる。
(あぁ・・・わたしは此処で死ぬのか・・・あの人形の様に・・・。)
そう考えていると物陰から黒い影が此方に飛び込んで来た。
わたしは押し倒される形で倒れ込む。
「走れ!」
わたしは立ち上がり言われるがまま物陰まで走った。物陰に隠れた後、自分を助けた人間を見た。
黒を主体とした軍服・・・
銀色のオールバック・・・
わたしと同じ赤い眼・・・
私は場違いで在るにも関わらず思ってしまう。いや、思わずには居られなかった。
ただ一つ、美しいと。
その頃の私は、戦う事だけしか知らない只の少年兵だった。勝つ手段を教えられ、騙す方法を教えられ、殺す術を教えられた。
彼に魅入っていると、彼はわたしに尋ねてきた。
「大丈夫?」
これが、わたしとあの人の出会いだった。
草薙サイドEND
草薙が昔の事を思い出していると列車が目的地に着いたのか、ゆっくりと止まった。
列車を降りて周囲を捜索していると階段を登った所に壊された扉があった。
(壊されてる。誰かが進入した様だな・・・だが一体誰が?)
草薙はデザートイーグルを構え警戒しながら先に進んだ。
周囲を警戒しながら進んでいると、研究所の通路に出た。
レッドクイーンへ向かう道を進んでいると草薙は足を止めた。
(浸水していて先に進むない。他の道を探すか?)
草薙がそう考えた、その時・・・
(カツン)
・・・通路に物音が響き渡った。
(つっ!誰かいる。この先か!)
草薙は誰かが居る事を確信すると、足音を出さない様に歩いた。
音がする扉の目の前まで行くと、僅かに開いている隙間から中を見た。
部屋の中には男が居た。
後ろ姿だけだが、あの体つきは間違いなく男で在ると確信出来た。
草薙が部屋に入ろうとした時、男が此方に振り向き銃を突き付けてきた。
此方も反射的に銃を向けた・・・が、直ぐに下ろした。
本来ならこの行動は愚策と言っても過言では無いだろう。
敵を前にして武器を下ろすなど自分を殺してくれと言って居るに等しい行為だからだ。
では、なぜ草薙は銃を下ろしたのか?・・・そんな事は分かり切っている。
何故なら目の前にいた男が・・・
草薙の命の恩人であり・・・
草薙の師である・・・
レナードだったのだから・・
END
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