攻殻機動隊 アンブレラ・クロニクルズ
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第二話 始動Ⅱ
前書き
2話目です
草薙サイド
草薙は夢を見ていた。
いや意識がある時点で、それが本当に夢なのかと言われれば正直それは分からない。
でも恐らくコレは夢だと草薙は思う。何故だかは分からないが勘がそう告げていた。
そんな夢の中で草薙は今、一人の男を見つめている。
後ろ姿のため表情は良く分からないが、あれは男だと雰囲気で悟った。
「・・・下らない幕切れだったね。」
黒服の男が屍となって倒れ伏して居る老人の前に立ち見下しながら吐き出した。
大きなステンドガラスの窓の外では、男の心境を示すかの様に雷が轟いている。
そしてひときわ大きな稲光が起きた時だった。
ーー それは一瞬 ーー
稲光が、大きな雷鳴が木霊する。
そしてそれは部屋の中の光景を・・・彼の姿を鮮明と映し出した。
「ねぇ、オズウェル?」
そう黒服の男が言い終えて、老人の頭を踏み砕いた足を退ける。
勢い良く鮮血が飛び散り大理石で作られた床を赤く染め上げていく。
「神の資格?神に成る?」
嘲りとわずかな怒りが声が部屋中に響く。
「君みたいな愚か者が神になれるわけ無いじゃ無いか。」
窓の外で先ほどよりも雷鳴がひときわ大きく轟く。雲が、空が、天が彼の言葉に共感する様に轟々しく轟く。
「人間は決して、神には成れはしない。人が唯一成れるのは支配者だけだ。」
そう言い終えると男は動かなくなった老人から目を離し扉へと歩いて行く。
「・・・資格。」
彼の容姿は20代にも見える。が、青年の様な姿に似合わず威厳と風格を感じさせている。
「僕には” ”がある。」
彼にとっての力。世界を統べるのに必要なもの。
「世界を統べるのは君でもウェスカーでもない。」
ドアノブに手を掛けると男は扉を開ける。
「・・・この僕だ。」
そう言い終えると扉は静かに閉じられた。
草薙サイドEND
(・・・夢か、)
荒巻「少佐。来てくれ。」
草薙「あぁ、分かった。」
9課の職員達は、現在アメリカにあるラクーンシティに向かうためヘリで移動していた。
荒巻「内容を確認する。少佐は南部にあるゲートよりハイブに進入。アンブレラ社の特殊部隊と合流後、地下研究所にある、制御コンピュータ[レッドクイーン]のシャットダウンまたは破壊。追加任務としてレナード・W・テルミドールの捜索を並行でやって貰う。」
バトー驚きながら聞いてきた
バトー「レナード・W・テルミドールていやぁ、あの生きる伝説か?」
その疑問に荒巻が応える。
荒巻「そうだ。彼は、3日前にアメリカ政府よりアンブレラ社の調査の依頼を受けそれを機に行方が掴めなくなった。何らかのアクシデントに合った可能性がある。アメリカ政府からも捜索依頼が来ている。」
話をしていると青いボディが特徴のAIロボットのタチコマがバトーに話しを掛けた。
タチコマ「バトーさん、バトーさん!レナード・W・テルミドールってどんな人なんですかね?」
バトー「俺も会った訳じゃないから言えねえが、いろんな戦場に出ては連合軍を勝利に導いてきた英雄だそうだ。相手さんからは、[生きる英雄]とか[単独軍隊]とか言われてたらしいぜ。」
タチコマ「ヘェ〜、凄い人なんですね!」
タチコマが感心した様に振る舞うと少佐も付け加える様に話し始めた。
草薙「それだけでは無い。あの人の凄い所は戦場を生身で生きてきた事だ。戦場に出ていた奴らは、少なからず身体の一部を擬体化させていたが、あの人は電脳化以外は生身だ。」
トグサ「ちなみに、同じ立場だったら少佐は生き残れるか?」
草薙「生き残るだけならなんとかなる。あの人と同じ事をやれと言われたら無理だな。」
バトー「オイオイ!少佐にこんだけいわせるなんて、どんなバケモンだ。」
草薙「・・・それはわたしが化け物だと、言いたいのか?」
草薙は何時もより、ドスの効いた声で言いながら睨んだ。
バトー「いっいや、そんな事は言ってねえよ。そっそんな事より、少佐はテルミドールについて詳しいじゃないか、もしかして少佐のこれか?」
バトーはそう言うと、小指を立てた。それに対して草薙は訂正する。
草薙「・・・違う。あの人はわたしの師だ。」
バトー「少佐の⁉」
バトーが驚いていると、荒巻が話を切り上げる様に割り込んだ。
荒巻「お喋りは終わりだ。後2分でラクーンシティにつく。少佐、準備をしろ。」
草薙「了解。」
草薙は応えると、準備を始めた。
パイロット「降下ポイントまで約30秒」
草薙は機内アナウンスを聞くと、立ち上がり扉にむかい歩き出す。
荒巻「少佐。高度10000フィートから、アタックを駆けろ。」
草薙「了解。10000フィートから、アタックを駆ける。」
荒巻から指示が出されると扉の横に在るパネルを操作して扉を開ける。
パイロット「降下まで10秒‥‥‥‥5‥‥3‥2‥1‥GO!」
(バッ!)
草薙は合図とともに空に飛び込んだ。
END
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