転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0203話
モルゲンレーテのMS工場で行われた模擬戦。それはオーブの要人達の肝を冷やすのに十分なものだった。何しろ自信を持っていたオーブ製MSのM1アストレイが人型ですらないメギロートに負けたのだから。
それでもせめて僅差での敗北ならここまで暗い雰囲気にはならなかっただろう。だが、メギロートの損傷は皆無。それに対してM1アストレイはシールド破損、両脚破損、そして最後にはコックピットを噛み千切られそうになっていたのだ。性能で圧倒的に負けていると感じるのも無理はない。
それに今回の戦闘ではメギロートはあくまでも滑空しかしていない。その本来のフィールドである空中戦は封印しての結果だ。
「さて、この模擬戦で彼等シャドウミラーの実力も理解出来たと思う。彼等との同盟について異論のある者はいるかね?」
ウズミの言葉に司令室に集まっていたオーブの要人達は沈黙を保つ。実力差を嫌と言う程に思い知らされたのだからそれも無理はないか。そしてそんな連中の中でも一際顔を蒼白にして模擬戦が行われた場所を見ているのはユウナ・ロマ・セイランその人だ。
あれ程馬鹿にしていた人型ではない機体にあそこまでいいようにやられるとは思ってもみなかったのだろう。
ちなみにキラとムウに関しては感心したようにメギロートの方を見ている。あの2人は前回の交渉時にその場にいたのだから、このオーブがあと一月もしないうちに攻められるのを知っている。そんな2人にしてみればオーブの戦力が充実されるのは大歓迎な出来事なんだろう。
「すまないが、アクセル君。同盟について詰めておきたい事もあるのでこの後時間を貰えるかね? 正式な同盟の調印についてはまた後日の話になるが、例の件に関して情報を共有しておきたい」
「ああ、こちらとしては問題無い。……ただ、ちょっと待っててくれ」
ウズミの言葉に頷き、レモン達とユウナの方へと向かう。
自分に近づいてくる俺をみて『ひっ』とか悲鳴を上げているが、見下していた相手の戦力を完全に見誤っていたのだから無理はない。
「さて、賭けは俺の勝ちで構わないな?」
「あ、ああ。分かった。僕の負けを認める」
「その言葉に二言はないな?」
「もちろん!」
妙に甲高い声で頷くのを確認してからレモンへと声を掛ける。
「レモン、マリューと一緒にこのオーブで使えそうな機械を手当たり次第に買ってくれ。技術班の面々が喜ぶような奴も忘れないようにな。他にも生活雑貨とかで欲しい物があったらそれも買って構わない。もちろんツケはセイラン家だ。マリューはこの世界の技術についてレモンにアドバイスを。……ああ、それとキブツには牧場があったな。もし買えるようならそっちも見ておいてくれ。コーネリアは二人の護衛をよろしく頼む」
俺の言葉に笑顔で頷くレモン。そんな様子を見ながら、ユウナへと再び視線を向ける。
「二言はないな?」
「ああ、分かったから」
ユウナが頷いたのを確認して司令室から出て行く3人。俺の恋人達に手を出そうとしたのだから自業自得というしかない。
「次から絡む時は相手をきちんと見てからにするんだな」
最後にユウナの肩を軽く叩いてウズミの下へと向かう。
俺を待っていたウズミは苦笑を浮かべて俺達のやり取りを見守っていたらしい。そしてそんなウズミの側にはいつものようにキサカと……カガリ?
いつもの元気が見えないカガリがそこにいた。
「カガリもM1アストレイには自信を持っていたようでな。それがああも見事に負けてしまったのが衝撃だったらしい。さて、それでは行こうか。以前君と面会をしたブリーフィングルームだ」
ウズミの言葉に頷き、ウズミ、キサカ、カガリ……そしてキラとムウも何故か俺と一緒にブリーフィングルームへと向かっている。
「何でお前等まで?」
「何、興味本位だ。オーブが戦場になればどのみち俺達も戦闘に参加するだろうからな。それに艦長はお前さんの所に移るんだろう? なら階級を考えると俺が艦長の後を引き継ぐ事になりそうだしな。……もっとも、連合軍を抜けた俺達に階級の意味があるのかどうかは分からんがね」
苦笑しながら軽く肩を竦めるムウ。……そう言えばそうか。マリューがシャドウミラーに来るとなると、アークエンジェルの艦長を務められる人材がいないな。まさかパイロットとして一流のムウを艦長職に回すというのは戦力ダウン以外の何物でもないし。
MAしかないのならともかく、原作通りなら修理されたストライクがある筈だからムウにはそっちで頑張ってもらいたい。
となると……マリューを一時的にアークエンジェルに派遣する形にした方がいいのか? 俺としてはギャンランド辺りを任せようかと思ってたんだが。
そんな風に考えているうちに、以前使ったブリーフィングルームへと辿り着く。模擬戦前から既にこうなるのを予想していたのか、部屋の前には2人の兵士が立っていた。俺達の話の邪魔をさせない為か、あるいは盗聴防止か何かの為か。
「緊急の用件以外は通さないようにしてくれ」
ウズミの言葉に頷いている兵士達を横目に、部屋の中へと入る。
それぞれが適当な席へと座るとまずはウズミが口を開いた。
「話には聞いていたが、確かにあのメギロートという機体の性能は認めざるを得まい」
「そうだな、これで同盟が無事結ぶ事が出来ればいいんだが……それよりもユウナ・ロマ・セイランとか言ったか、俺に絡んできたのは」
「次からはもう少しお手柔らかに頼むよ」
「アレが次代のオーブを担う若手か。そうなるとオーブとの同盟も長くはないのかもな」
「……何? どういう事かね?」
「セイラン家はブルーコスモスと通じている、と言えば分かりやすいか? いや、正確にはブルーコスモスを操っている存在とだが」
セイラン家は経済の専門家として名高い家だけに、ロゴスと繋がりが出来るのもそうおかしな話ではない。
「むぅ」
「オーブを滅ぼしたくなければ、セイラン家には気をつけるんだな」
ユウナはともかく、その父親であるウナトの方は能力自体はあるのだから上手く使いこなせばオーブの益になるだろう。
「馬鹿なっ! ブルーコスモスと繋がっているだと!」
アフリカでブルーコスモスのテロに巻き込まれた事のあるカガリは、テーブルを拳で思い切り叩いて声を上げる。その様子を溜息を吐きながら一瞥し、ウズミが口を開く。
「その情報はありがたく貰っておこう。だが、何の証拠もないのではこちらとしてもどうする事も出来ん。出来るのは監視をつけるくらいだ」
「取りあえずはそれでいいだろう。俺達の行動に余計な横槍を入れられなければいい。……今日の模擬戦に関しての情報漏洩は確実だろうがな」
「だが、幸いな事にアクセルが言っていた期日まではそう時間がない。その点は不幸中の幸いだな」
ムウの言葉に頷く。
「ああ。メギロートに対抗しようにも、時間が足りないからな」
出来るとすれば、メギロートの武器や性能を連合軍に伝えるくらいか。それにしたってサークルレーザーとシールドすら噛み千切る口の存在くらいだろう。いや、滑空能力から空を飛べるというのは予想出来るか?
「とにかくまずはこれからだな。ウズミ代表、パナマ基地攻略に関しての情報は何か上がってきているか?」
「いや、アラスカの件で手一杯らしい。……正直、君という存在を知らなければパナマ攻略なんて想像も出来なかった」
アークエンジェルがオーブに入港した日から考えると……
「恐らく1週間前後でパナマ基地が攻略される筈だ。そしてマスドライバーを全て失った連合軍はオーブに無茶な要求を突きつけ、それが拒否されると攻め込んでくる。G兵器の新型機を伴ってな」
「新型機だって!? つまりはストライクやブリッツの後継機と考えていいのか?」
「ああ。だが、これは逆にチャンスでもある。何せブルーコスモスの盟主であるムルタ・アズラエル直々に戦場に出てきてくれるからな。出来れば、この時に討っておきたい。そうすれば少なくても核ミサイルが使われる事はなくなる筈だ」
「ちょっと待て! 何で連合軍が核ミサイルを使えるんだ? Nジャマーがある限り、お前達の核融合……おい、もしかしてお前等」
その言葉でカガリが何を言いたいのかが分かり、思わず苦笑する。以前の会談で俺が言った内容を完全に忘れ去っているように見えるのは、反射で物を言っているのか、あるいは物覚えが悪いのか……はたまた、重大な話が多すぎてうっかりしてしまったのか。オーブの同盟相手としては、せめて最後であって欲しい所だ。
「キラのフリーダムの事を思い出せ。ザフトは既にNジャマーキャンセラーを実用化してるんだ」
「けど、ザフトで開発されたんじゃ……」
「ザフトも一枚岩じゃないって事だ。それに連邦がNジャマーキャンセラーを手に入れるというのはこの前も話したと思うが?」
その一枚岩じゃない人物がクルーゼというのは……クローンの話も含めて今はまだムウに話すのは早いだろう。今それを教えたら、オーブでの攻防戦に集中出来なくなりそうだし。
「つまりはその戦いでアズラエルを倒す事が出来ればザフトと無意味に争う事はしなくてもいいんですね?」
「……ちょっと違うな。正確にはアズラエルを殺す事が出来れば、だ」
殺す、という言葉に眉を顰めるキラ。その様子を見ながら話を続ける。
「ただ、その戦いで俺達が勝ってもこの戦争はまだ終わらない。何せビクトリア基地が連合軍に落とされるからな。……理想を言えば、ここでザフトに援軍を送って連合軍を地球に閉じ込めるというのがベストだが……これはアズラエルを殺す事が出来ていた場合に限るな。アズラエルが生き残っていた場合は本来の歴史の流れに沿った方がいいだろう」
「何故かね?」
「アズラエルが生きている場合は、本来の歴史の流れに沿って奴がどこでNジャマーキャンセラーを手に入れる事が出来るのか分かる。つまりそれを阻止するのも不可能じゃない」
アズラエルを殺す事が出来た場合の最大の不安要素はDESTINYでブルーコスモスの盟主になっていたロード・ジブリールか。原作よりも早くアズラエルが死んだ事により、奴が表舞台に出てくるのが早まるという可能性もある……か?
「注意してもらいたいのは、アズラエルを殺した、取り逃がしたのどちらにも関わらず俺達は最終的にはザフトとも戦わないといけないという事だ」
「ジェネシス、だったか」
ムウの言葉に頷く。
「ああ。地球を滅ぼすのに十分な威力を持ったガンマ線レーザー砲。これがコーディネーター至上主義者であるパトリック・ザラの手にあるというのは危険すぎる」
実際、原作では地球をジェネシスで撃とうとしていたしな。その時はパトリック・ザラの側近らしい男が反逆して止めてくれたが、この歴史でもそうなるとは限らない。
「そうなると、アズラエルの生死に関係なくビクトリア基地に援軍を送るのはやめておいた方がいいんじゃないのか?」
「俺もそれは考えたんだが……そうすると宇宙での戦いが激化して、出なくてもいい死人が大量に出るぞ? だが……そうだな、この件に関してはウズミ代表に決めて貰いたいと思うが、構わないか?」
「何故私に?」
「俺達はオーブと同盟を結ぶと言っても、結局の所この世界の人間じゃない。この世界を滅ぼす可能性のあるジェネシスに関しては口を出させて貰うが、その心配がないのならこの世界の人間が選択するのが妥当だろう」
「……分かった。考えておこう」
「ビクトリア基地が陥落する、しないに関わらずオーブの次の戦場は宇宙になるが……ここまでイレギュラーである俺達が関与した結果、俺の知っている歴史通りにはならない可能性もある。つまりオーブ戦以降の俺の知識は参考程度にしかならない……いや、知識がある分、正常な判断が出来なくなる可能性も高いか。それでも言った方がいいか?」
アークエンジェルがオーブに匿われるまでは原作の流れを殆ど変えないままに進めてきた。だが、連合とオーブの戦争で俺達シャドウミラーが表舞台に立つ事により歴史の流れは大きく変えられる結果になる筈だ。そうなると、俺の知っている原作知識は本当に参考程度にしかならなくなるだろう。それにしたって、その知識を知ってしまえばどうしても先入観というものが生まれてしまう。
俺の言いたい事が分かったのか、ウズミは黙って首を振る。
「いや、先入観という物は厄介だからな。アクセル君から教えて貰う情報はそこまででいいだろう。……ただし」
「ああ。重要な情報を必要な時に出すというのは約束しよう」
取りあえず情報の共有についてはこれで話が終了し、次は実際の戦闘についての話となる。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:36
PP:165
格闘:254
射撃:274
技量:264
防御:264
回避:294
命中:314
SP:446
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
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撃墜数:288
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