ソードアート・オンライン stylish・story
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第三十五話 休憩時間での会話
前書き
遅くなって申し訳ありません!!
キリトが一時ログアウトすると意識を失うように眼を閉じ俯いた。
それを見たリーファはキリトにゆっくりと近づき、隣に腰を下ろすと覗き込むようにキリトの顔を窺っていた。シュウはリーファの隣に「よっこらせ」と呟きながら座ると尋ねる。
「どうした?リーファ。キリトの顔に何か付いてんのか?それとも落ちている隙を狙っていやらしい事でも企んでのか~?」
シュウはリーファを茶化すように言葉を投げかけるがそれを聞いたリーファは腰に帯刀していた刀の柄に手をかける。
「シュウ君・・・君はここで死を見てみたいのかな?」
リーファの顔は笑ってはおらず、今にも刀の錆にするぞと言わんばかりのオーラを発してた。シュウは少し冷や汗をかきながらリーファをなだめる。
「おいおい!本気にしすぎだぜ?リーファ」
「それでも少しは女の子に対する礼儀ってモノを覚えた方が良いよ」
「善処する。んでもキリトが気になる事はあながち間違っちゃいねぇんだろう?」
シュウはリーファのキリトを見ている眼は何か普段とは違う『何か』がある事に気付いていた。リアルで見た彼女のあの時の表情に酷似していたのも理由の一つではある。
「そう・・・だね。それは否定しないよ」
「まあ。リーファにどんな事情があるか知らねぇがあまり深く考え込まねぇ事だな。俺は辛気臭ぇリーファよりハキハキした元気なリーファの方が俺は好きだぜ?つっても会ってまだ一日しか経ってない奴に言われても説得力はねぇか」
「ううん。そこまで心配してくれるのは嬉しいかな。ありがとう、シュウ君」
リーファはシュウにお礼の言葉と軽い笑みを零し、それ見たシュウもフッと笑みを零した。
(やっぱり女子は笑顔が似合ってるな)
「ねぇ・・・シュウ君って誰かを『好き』になった事ってある?」
シュウが考え事をしているとリーファが唐突に質問してきた。表情も顔を赤らめながらも少し真剣な表情だった。シュウは少し黙り込んで考えたのちにこう答えた。
「そうだな。『好き』って概念は色々あるからな・・・友人として好きなのか、異性として好きなのか。でもいずれにしても他人を好きになった事はあるぜ。それはリーファだってあるんじゃないのか?」
「それは・・・私だってあるよ」
「人を好きになるって事は簡単な事であって難しい事だからな。でもそれに捕らわれて周りの人の信頼を無くすような事になったら、さっきのあのバカとなんら変わらねぇからな・・・それは注意するべきだ。時には割り切る事も大切だって事だ」
シュウが自分の考えを述べている途中、リーファは俯いた静かに呟く。
「それが出来るなら・・・私だってそうしたいよ・・・」
「ん?何か言ったか?リーファ」
「ううん。何でもないよ」
シュウはその呟きを聞き取れなかったのか再びリーファに尋ねたが彼女は気にしないように促した。シュウ自身も彼女の心情に深追いするのは無粋な行為だと取ったのかそれ以上は聞かなかった。
「なら良いんだが。まっ、何か悩み事や相談があったら俺に話すと良いさ。出来る限り相手になってやるからよ?さてと・・・」
シュウはリーファの質問答えた後にゆっくりと立ち上がり、ヴィオレット・コートの裏に収納していた小型の投擲ナイフを取り出した。
シュウは先程から視線を感じていたが気のせいだと思っていたがリーファとの会話中にもそれが感じており、感知スキルをMAXにして探っていたが一体だけ不可思議な生物を感知していた。
「シュウ君。いきなりナイフ何か取り出してどうしたの?」
リーファが尋ねるがシュウはその言葉に耳もくれずに目を閉じ、気配を探った。
そして目を見開くと森の林間を目がけて持っていた投擲ナイフを投げた。すると遠くから小さい鳴き声と消滅エフェクト音が聞こえた。
どうやら目的の相手を倒してようだった。シュウはSAOで投擲武器【ルシフェル】を使用していたため、投擲スキルもMAXだったため外しはしなかったようだった。
「どうやらモンスターに監視されていたらしいな。感知スキルで探っていたんだがやっと見つけ出して串刺しにしたって所だ。んでもALOではモンスターが監視なんてするのか?普通なら真っ先に襲いかかって来る筈なんだが」
「多分それは【トレーサー】・・・追跡魔法だと思うよ。術者の能力値が高いほど追跡する相手との距離を取れるから簡単には見つける事が出来ないんだけど、それに気付くってシュウ君・・・君って感知スキルってどの位あるの!?」
「それは企業秘密って事にしておいてくれ。んでもそいつが居るって事は此処に長居すると不味いって事だな・・・キリトが戻ってきたら此処を発つ方が良いかもしれねぇな」
その後キリトが還って来るとこれまでの経緯をキリトに説明し、急いでルグルー回廊へと向かった。
後書き
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