やはり俺の青春ラブコメはまちがっているかも
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やはり春夏秋人はぼっちである。
『高校生活を振り返って』
2年F組 春夏秋人
突然だが俺、春夏 秋人はこの学校において本来ならばリア充であるはずの男である。しかし入学式の日の朝、近所に住むぼっち仲間である比企谷八幡と共にこれから始まるリア充生活について熱く語り合いながら登校していた途中交通事故に巻き込まれ入学式早々2人仲良く病院送りになり、
三週間後に退院し登校した頃にはすでに友達同士のグループが形成されており、そのグループ形成に乗り遅れた俺は勇気を振り絞り複数ある友達グループの内の一つに加入しようと話掛けるも上手く溶け込めず
しかもそのグループのリーダー的存在である爽やかイケメンでいかにもリア充ですというオーラを周囲に撒き散らす葉山隼人に
「えっと………春夏秋冬君だっけ?」
と名前を間違われる。
クソッ確かに俺の名前は季節感溢れる名前だがな俺の名前は春夏秋冬ではない春夏秋人だ‼
あの爽やかイケメン葉山(笑)め中2の夏、初恋相手の水嶋さんに人生始めての告白をした時に水嶋さんに言われた一言と全く同じ事を言いやがって⁉クッだめだあの日封印した黒歴史がァァァァァァァァァァ⁉
…‥…オホン、とりあえず高校生活を振り返って思ったことは俺からリア充生活を奪ったリア充共は全員爆死しろ‼という事である。
放課後誰かと会話するというイベントも無くいつも道理家に帰ってモン○ンでもやるかなと考えていたら突然、俺のぼっち仲間である比企谷 八幡の首根っこを掴んだ国語教師の平塚静が現れ比企谷と共に生活指導室に連行、そこでこの間の国語の授業で出された課題である《高校生活を振り返って》という俺と比企谷の作文を音読するとため息を吐きながら平塚先生が話掛けてくる。
「フゥ……比企谷、春夏」
「何でしょうか平塚先生?」
『何ですか?平塚先生』
「この間の授業で私が君達に出した課題はなんだったかな?」
「…はぁ 《高校生活を振り返って》の作文ですが?そうだよな春夏?」
青筋を浮かべながら尋ねる平塚先生に比企谷は怪訝そうな顔をしながら答え、俺に確認をとってくる
『確かそのはずだが』
「では何故君達は犯行声明を書き上げているんだ‼バカなのか?それともバカなのか⁈」
「先生、バカって2回言ってます。」
「黙れ比企谷‼何だ君のこの作文はッ‼」
平塚先生は比企谷のツッコミを相手にせず怒鳴りながら机に比企谷の作文を叩きつける
『うわぁ…これはヒドイ』
「なッ‼お前には言われたくない‼よく読んで見ろ、ちゃんと高校生活を振り返ってるだろうが⁈」
『ハッ…これの何処が高校生活を振り返ってるんだ?途中から青春を謳歌してない事への言い訳になってるぞ?
やれやれ、これだからぼっちは』
「お前もぼっちだろ‼」
ギロリ……
平塚先生そっちのけで話す俺達に日本刀のように鋭い目線が向けられる。
ヒィィ⁈怖ぇ、なまじ美人なだけに目力がヤバイ、超怖い
平塚先生は3秒程比企谷を睨みつけたあと呆れたようにため息を吐き、そしてまるで可哀想なものを見るかのような目で俺を見てくる
やっやめて、そんな目で俺を見ないでぇーーー
「ハァ……比企谷はまだいい……いや良くわないが、それよりも春夏‼君のこのふざけた作文はなんだ今時中学生でもこんな作文は書かないぞ⁈」
『なッ‼バキャな先生、俺の作文は中学生にも劣ると言うんですか、もう一度よく読んで下さい完璧でちょう?ちゃんと高校生活を振り返ってるでちょうが‼』
噛みまくりだった。
どうやら平塚先生の可哀想なものを見る目線に俺のガラスのハートは耐えられなかったらしい。
平塚先生は俺の必死な言い訳を聞くと、さっきまでの可哀想なものを見る目線から一転し目線だけで人を殺せるんじゃないかと思うほどキツく睨みつけてくる。
「言い訳はよせ小僧」
『小僧って…嫌、確かに先生の年齢からしたら確かに小僧かもshぷげらっ』
ドンガラガッシャーン
グーだった、ノーモーションで拳を人体の急所の一つである水月に放ってきやがった。
「……次はコロス。」
「おっおい大丈夫か春夏⁉今5mくらいふっとんだぞ⁉」
『…比企谷……俺、明日から友達つくるんだ』
「…それは死亡フラグだ」
平塚先生はそんな俺達の三流漫才など眼中になく、「私、年齢なんて気にしてないですわよ」的ないい笑顔で指をパキパキッと鳴らしながら近づいてくる。
……先生、目が笑ってないです。
美人が笑顔でブチ切れると本当に恐ろしいという事を俺と比企谷は今日学んだのである。
それにしても本当に怖ぇ、いい笑顔のはずなのに目が笑ってないから圧力がハンパない、先生の年齢に感して何の発言もしていない比企谷までもがガクブルッ状態である。
ズザッ‼
『「………すみませんでしたッ‼‼‼」』
土下座
「い、嫌、土下座はよせ、私は何も本気で怒っている訳では」
初速から既に最高速の一切の無駄のない動作でくりだされた俺と比企谷のTHE土下座を見た平塚先生は先程の怒りを忘れる程驚愕し2〜3回程目をパチクリした後、慌てたように言葉を紡ぐ
「…オホンッ、とにかく作文は書き直せ‼いいな?」
『「えぇ〜、」』
「書・き・な・お・せ♡」
「……」
『グハッ⁈』
クッ、小首を傾げながら上目遣いで脅迫する平塚先生に不覚にも萌えてしまった。
比企谷は平塚先生の余りの豹変にドン引きしているが
…静、恐ろしい娘‼
『先生‼俺と結婚しましょうッ‼』
「なっ///何を言い出すんだ君は⁈教師と生徒で結婚だなんて、それは困る///…嫌、君の事が嫌いというわけではないんだぞ。しかし結婚は君が卒業してからじゃなき……オホンッ‼」
「…先生本音がだだ漏れですよ」
「とっとにかく///作文は書き直せ‼いいな‼」
比企谷の指摘に顔を真っ赤にしながら冷静さを取り戻したのか反論を許さないような口調でピシャリと言い放った。
あれ?おかしいな先生がとてつもなく可愛く見えるぞッ⁈
俺が心の中で、俺って実は年上好きなんじゃ、とか考えていると平塚先生はこれ以上この話題で話したくないのか急に真剣な顔になると
「所で君達のような人間に友達はいるのか?」
『「グッ⁈」』
と、俺と比企谷のようなぼっちに絶対に言ってはならない禁句を堂々と言い放った。
なっ何なのこの人⁈俺が超気にしている事をッ‼
「いません」
『とっとととも友達ぐらいいますよ』
比企谷は友達が1人も居ない事を素直に認めるが俺は認める訳にはいかない‼
てか比企谷お前即答って、悲しすぎるだろうが。
「……すまない君達、……辛い事を聞いたな」
「いえ、ちっとも気にしてないんで」
『ちょっ⁈「君達」って何故に複数形⁈俺、友達居るって言ってるんですけど‼』
「嫌、少しは気にしたまえ」
『無視ッ⁈』
「うるさいぞ春夏、君や比企谷のように腐った魚の目のような濁りに濁った目をした人間に友達なんか出来るわけがないだろう」
『ヒドイッ⁉』
平塚先生はそう言うと胸元から愛用の煙草セブ○スターを取り出すと、そこらのおっさんと同じ様に煙草の葉を詰める仕草をし100均ライターで火をつける。
……おっぱいデカイな…ゴクリッ
俺と比企谷が不覚にも平塚先生のおっぱいに釘付けになっていると平塚先生は申し訳なさそうな顔で聞いてくる。
「ちなみにだが、彼女とかいるのか?」
なん……だと⁈
ふと中学時代の甘酸っぱい記憶が蘇る
放課後で生徒がほとんど帰宅し人の少なくなった夕暮れの教室、黒板の辺りで王様ゲームをしてる男女、窓際の最後尾の席に座る俺。
さて帰るかな、と欠伸をしていると王様ゲームのくじ引きが終わったであろう賑やかな声が人の少なくなった教室に響く。
「「「「「王様だーれだ‼」」」」」
「よっしゃ〜俺が王様〜」
「えーマジでー」
そのグループのカースト最上位に君臨しているであろういかにも不良っぽい男子が王様になり命令を言い渡す。
「3番が春夏秋人に話し掛ける‼」
「うわっ最悪〜」
「それマジやばいっしょ」
「てかっ3番だれよ」
「……私なんだけど……」
…マジで⁈ぼっち道を極めしキング・オブ・ぼっちの俺に話し掛けるだと‼しかも学年NO.1の美少女と名高い朝倉さんが‼
今までぼっちやってて良かった。
つか、俺と会話する事自体が罰ゲームって、
だがしかし、ぼっち道を極めし俺はこの程度で心はくだけん‼
いやぁー緊張するな、久しぶりの人との会話だし、しかも相手は朝倉さんだし。
…………良しッ俺の心の準備は整いましたよ朝倉さん‼さぁ遠慮なく話して下さい‼
俺が来るべき時をまだかまだかとワクワクしていたら、そんな俺の様子を遠目から見ていた朝倉さんは顔を赤くし俯く
あれ?もしかして朝倉さんって俺の事好きなんじゃね?
「早く行けよ朝倉、あいつソワソワしてんじゃん」
「…グスッ……ごめん…本当に…グスン…気持ち悪いから…無理」
『………………』
これは俺の中学時代のトラウマのほんの一部である。
『……生憎と俺と会話してくれる女子がいないんで……グスンッ』
「……今は居ません」
比企谷は顔を歪め、俺は半泣きで答えると平塚先生は目を輝かせ、うんうんと何度も顔を頷かせ
「そうか‼、そうだろうな‼君達の濁りに濁った目を見た瞬間にわかっていたよ‼」
「なら聞かないで下さい‼」
「そこでだ、君達の心無い言動で深く傷付いた私はいい事を思いついた」
平塚先生のいい笑顔を見ると嫌な予感しかしない、まるでクラスに1人はいるいじめっ子が、これまたクラスに1人はいるぼっちをどうやって虐めるか考えついた時のような笑顔だ。
ソースは俺。
『……嫌な予感しかしないんで、俺パスで』
何故かテンションが急上昇している平塚先生は俺の発言を華麗にスルーすると両手を自分の胸に当て語り出す。
「罪には罰をと、良く言うじゃないか?そこでだ、君達には奉仕活動を命じる‼」
「すみません俺、腰に持病を抱えてて、えっと…ヘ‥ヘル…ヘルペスッ‼」
「恐らくヘルニアと言いたいんだろうが安心しろ。少なくとも肉体労働ではないから。
それに春夏、君にとっても悪い話しでは無いと思うぞ?」
『その心は?』
「この学校一の美少女と仲良くなれるかしれないって言ったらどうする?」
なん…だとッ⁈
学校一の美少女だと‼だが生憎とそんな人物とは関わりがないし、つか人との関わりがないからどういう人物なのか全く想像がつかない。
しかし学校一の美少女か……もし、もしだが運良く彼女と仲良く…嫌、恋人同士になっちゃったりしたら俺もしかしてぼっちからリア充にジョブチェンジできんじゃね?
っと今後のリア充生活を脳内でシュミレーションしていると比企谷はその腐った魚の様な目で俺を見つめてくる。
「春夏騙されるな、俺達のようなぼっちが女子と仲良くなれる筈がない」
『ッ‼確かにッ‼』
「それにだ、リア充である女子がわざわざぼっちと仲良くなろうと思わんだろう?もし仮に仲良くなれたと俺達が思った所で、そう思っているのは俺達だけでその女子に俺達って友達だよな‼とかキメ顔で問いかければ「えっ?比企谷君と春夏君と私が友達?もぉー冗談キツイよ、マジで気持ち悪いんだけど…」っとか言われるのが落ちだ」
『ヤメロォォォォォォォォォォォォォッ⁈せっかく忘れかけていた中学時代のトラウマをォォォォォォォォォッ⁈』
「その勘違いで起きた悲劇をもう起こさない為に俺達は胸に刻んだはずだ、俺達のようなぼっちにラブコメ的な展開は絶対に無いと」
『………そうだったな、ありがとう比企谷…流石はぼっちを極めしぼっち界の帝王だな…』
「褒めるなよ、照れるだろうが」
俺達は、ぼっち同士の絆を確かめるようにガシッと効果音が聞こえてきそうな程、握手する。
「……あぁ君達、過去の辛い出来事を振り返るのもいいが、そろそろ行くぞ」
俺達の様子をずっと伺っていた平塚先生はまるでアホな子を見るような生暖かい目でこちらを見ると、話し掛けてくる。
『「…はい」』
「では、行こうか」
覚悟は決まった、たとえどんなに可愛い美少女が居ようとも今の俺はその見てくれに騙されないぞ‼ほっ本当だぞ‼絶対に騙されないんだからね‼
この後俺は雪ノ下 雪乃という少女に出会い奉仕部とかいう部活に強制入部させされる事となる。
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