| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ソードアートオンライン VIRUS

作者:暗黒少年
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

コラボ~双大剣士・☤I'm Bloody Black Rabbit☤・氷の剣士~
  双大剣士との邂逅

 ダンジョンでアイテムを拾ったのだが相当高い鑑定スキルが必要だったため、どのようなアイテムかわからなかった。なのでゲツガはエギルの店で鑑定してもらうことにした。

「どうだ、エギル。どんなアイテムかわかるか?」

「ちょっと待ってろ。もう少しで鑑定が終わるから……よし、完了。えーと、なになに、トラベルチケット?旅行券か。使用用途がわからねえな。ゲツガ、これどこで拾ったんだ?」

「えーと、なんか壁からいきなりモンスターが出てきたからそいつ倒したら入ってた。何かレアアイテムなのか?」

「いいや、レアかどうかはわからん。いるか?それとも売るか?売るとしても俺はそこまで高額で引きとらねえが」

 ゲツガは一度考える。使用用途はわからなくとも何かのイベントアイテムということもあるかもしれないためもっといても損はないと思う。

「いいや、一応持っとく。なんやかんやで役に立つことがあるかもしれないからな」

 そう言ってゲツガはエギルからアイテムを返してもらう。

「じゃあな、エギル。イベントかなんかあったらメールで報告するわ」

「おう、じゃあな」

 そしてゲツガはエギルの店から出て行った。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 いつもどうり最前線の狩場に来てレベル上げに勤しんでいると不意にポケットの中に突っ込んでいたチケットがなにやら光を放っていることに気付いた。

「なんだ。何かイベント発生か?」

 何か起きるのかわくわくしていると、突然チケットがポケットから出てくると突然飛んでいく。ゲツガはそれを追って走っていく。スピードはゲツガにあわせているのかかなり遅めだ。しかし逆にそのスピードはありがたい。追いつけなかったら元もこうもないのでとにかくその後を追う。

 しばらくして行き止まりのほうまで飛んでいくがチケットは止まることを知らない。そして壁にぶつかりそうになると思いきや、すぅと壁の中に吸い込まれた。

 何かのイベントならばゲツガもあの壁にぶつかることはないだろうと考えて足を止めない。そしてゲツガは何のためらいもなく壁に吸い込まれて行った。

 目の前は真っ暗だがチケットが少し前のほうを照らすように飛んでいる。ゲツガはその後を追いかけていく。何があるかわからないが今はついていくしかない。ただ、真っ暗な道を賢明に走る。だが暗闇の奥に小さな光が見える。そこに近づいているのかどんどん大きくなっていく。そしてその光にゲツガは突っ込んだ。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 あまりの眩しさに目をつぶってしまったためにどこにいるかわからない。ゆっくりと目を開けて光が弱いことを確かめると目を開けた。そこは先ほどと変わっているが見慣れたアルケードの街並みであった。

「なんで俺、アルケードにいるんだ?もしかしてトラベルチケットって転移ようアイテムみたいのものだったのか?」

 ゲツガは前に落ちているチケットを拾う。しかし、そのチケットには今まで何もかかれていなかったのだが文字が浮かび上がっていた。

「なんだ?」

旅行先~双大剣士・目的1双大剣士に会う~

「旅行先、双大剣士?どういう意味だ?それに目的って?」

 ゲツガは意味がわからないで首を傾げる。双大剣士、つまり大剣を二つに持つ剣士のことだろう。しかし、それがどういう意味なのかわからない。

「まあ、とりあえずエギルのところに行ってみるか」

 ゲツガはアルケードの人ごみを縫うように歩きながらエギルの店に行く。いつもどおりに店のドアを開ける。

「いらっしゃい、お客さん。今取り込み中だから少し待っといてくれ」

 ゲツガはその一瞬で違和感を感じる。いつもならゲツガの名前を呼び返すはずなのにお客さんと言った。エギルは常連は砕けた口調で話すはずなのだがおかしい。

「おい、エギル。今回のアイテムどれくらいで売れるんだ?」

「これぐらいだったら一万コルが妥当じゃないか?リクヤ、これぐらいならどうだ?」

「よし、まあこれぐらいあれば大丈夫だと思う」

 エギルと親しげに話すリクヤという男を見てゲツガは思った。SAOを始めてこの男を見たことがないのだ。エギルがこれほど親しく話すぐらいなのだから一度はリクヤという男の話をしてもおかしくな。しかし、エギルは話していない。もしかすると、ゲツガをドッキリしようとしてるんじゃないか?しかし、そうとは考えられない。とりあえず聞いてみることにする。

「すまん、俺のこと知ってるか?」

「ん、俺に聞いてるのか?悪いがアンタは見たことがないな。しかし、突然何を言うんだ?」

 エギルはそう言うと訝しげな表情を浮かべる。ゲツガはすまんと言って店から出た。人のいない通りに入り込み、裏にある小さな空き地の壁に背中を預けて腕を組む。

 先ほどのエギルの表情は一切知らないと言った風な感じだった。この世界では嘘発見機みたいなものすらないのでどうすることも出来ないがとりあえずエギルは本当に自分のことを知らないとわかった。

「つうことはここはどこになるんだ?俺は確か壁を通り抜けてここに来た……」

 そしてゲツガはポケットに入れてあるチケットを取り出す。ここに導いたのはこのチケットだ。このチケットなら何か知っているのかもしれない。しかし、先ほどの場所に双大剣士と目的しか書いていない。手がかりはこの双大剣士に会うしかないのか、そう思い息を吐くとNPCとは違う反応が二つこちらに近づいてきている。

 ゲツガはその二つの反応があるほうに視線を向けてからその人物がくるのを待つ。話し声が聞こえてきた。

「ねぇリクヤ。こんなところに入ってどうしたの?」

「いや、さっきな、エギルのところに居たんだけど途中客が来たんだけど少しおかしなことを言ってたんだ。俺のこと知ってるかって」

「なに、その記憶喪失みたいな言い方?」

「だからなんか俺に出来ることがあればそいつのためにやってやりたいなって思ったんだよ」

「ふーん。リクヤらしいわね」

 会話声がすぐそこまで迫っている。ゲツガはそのほうから視線を逸らす。そして数秒後空き地に入ってきた。

「あ、リクヤあの人じゃないの?」

「ん、あ、ホントだ。おーい、すいません!」

 そう言われてゲツガは反応する。すると二人はゲツガに近づいてくる。一人は緑色のパーカーを来た青年。装備はしっかりとしていて両手剣が背中にある。先ほどの会話からリクヤと言うことがわかった。もう一人はノースリーブの服を着てどことなくアスナに似た女性だった。しかしなぜか片手を後ろに隠している。

「何かようか?」

「いや、さっきエギルのところにいたときの言葉が気になったからさ」

「そうか、いや人違いだっただけだよ、似てたから」

「そうなのか?じゃあ、もう一つ質問いいか?」

 そう言うとどこか雰囲気が今までとは違うような感じになった。

「なんでお前にはカーソルが表示されないんだ?」

 その言葉を聞くと同時にゲツガはぽかんと口を開ける。その表情に呆気を取られたのか二人もぽかんとする。

「え、俺のカーソル表示が出ない?」

「あ、うん。なんかエギルのとこでは気付かなかったけど、今見るとカーソルが現れないし、索敵にも反応がないからさあ」

 ゲツガはその言葉に違和感を覚える。こちら側にはちゃんと二人のカーソルが出ているのにあちら側には出ていない。どういう矛盾だと考えるが一向に何も出てこない。しばらく無言が続いたが痺れを切らしたのか女性がゲツガに言った。

「答えてもらっていいかしら?貴方はGMなの?それともバグに犯されたプレイヤーなの?」

 いきなりの問いに少し驚くがリクヤも警戒しながらも頷く。ゲツガはどう答えるか考えてから短く言った。

「違う。まあ少しあってるがな」

 そう言うと女性はさらに質問してくる。

「あってるって言ったわね?じゃあ、前者と後者のどっち?」

「後者だ」

「ユカ、そこまで敵意をむき出さなくてもいいんじゃないか?こいつ、口数は少ないけど今のところは大丈夫そうだし。それにそれ以上はマナー違反じゃん」

「……ごめん、少し言い過ぎたわ」

「いや、別にいい。だけど、何で俺に構うんだ?」

「なんか、俺は人をほっとけないタイプの人間って言うかさ。それに、お前、さっきの質問でバグかなんかに合ってるって聞いたらさ、ほっとけないんだよ」

 ゲツガはをそれを聞いて頬を緩ます。

「俺もそういう奴だからわかる。なんかそっけない態度でゴメンな。俺はゲツガって言うんだ、バグではなくウィルスの感染者だ」

 そう言うと二人がビクッと反応して後ろに飛ぶ。それはあたりまえの反応といえる。もしもふれて感染してしまったらと思うと後ずさってしまう。

「ああ、言っておくけど感染はしないぜ」

 そう言うと二人は顔を見合わせて息を吐くとすまないと謝罪する。

「さっきはゴメン。いきなりあんなことを言われたからさ」

「いいって、ありゃ当たり前の反応だ」

「私もゴメンね。それと、そっちが名乗ったのに返さないのも礼儀がなってないから、返すわね。私はユカって言うのよろしく」

「俺はリクヤって言うんだ」

「ああ、よろしく」

 三人は握手する。そしてからゲツガはここまで来た経緯を二人に話す。
 
「なるほど、そのチケットに書かれている奴に会えばわかるのか?」

「多分、わかると思うんだが……」

「いや、わからないだろうな」

「うん、私もそう思うよ」

 二人はそう断言した。なぜそこまでいえるかを二人に尋ねた。

「なんで二人はそう言えるんだ?」

 そう言うとリクヤとユカは苦笑した。

「だって、俺がその双大剣士だから」

 これが、双大剣士と白い弾丸の邂逅だった。 
 

 
後書き
うわ、ヤバイ、ちゃんとユカとリクヤがかけてるか心配だ…… 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧