久遠の神話
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第四十一話 鍛えた結果その一
久遠の神話
第四十一話 鍛えた結果
上城は大石達と同盟を結んだ。それからだった。
この日彼は怪物を倒した。下校中に樹里と共にいると前から急に出て来たのだ。
それは蛇にいた竜だった。その竜を倒してだ。
金塊を前にしている時にだ。樹里がこう彼に言ってきた。
「何かね」
「何かって?」
「上城君戦い方が変わったわね」
「そうかな」
「何かね」
そう見えるとだ。受理は彼に言うのだった。
「そんな感じね」
「僕は別に」
「支えができたみたいで」
こうも言う樹里だった。
「そんな感じだけれど」
「支えが」
「さっきお話してくれたけれど工藤さん達と神父さんと」
「うん、戦いを止める為にね」
「同盟を結んだのよね」
「戦いを終わらせる為のね」
剣士の戦い、それ自体をだというのだ。
「同盟を結んだよ」
そうしたというのだ。
「四人でね」
「そう。剣士の人が四人で」
「強いよね、これって」
「一人でいるよりずっとね」
そうだとだ。樹里も言う。
「頼りになると思うわ」
「それに神父さんも工藤さん達も信用できる人だから」
それもあるというのだ。
「有り難いよ。本当に」
「よかったわね。それでね」
「それでって?」
「上城君はそれで安心してないわよね」
「していないよ。戦いを終わらせる為にね」
自分としてはどうするのかもだ。彼は樹里の言葉に対して答えた。
「これからも強くなるよ」
「そうしてね。強くならないとね」
「戦いを終わらせられないからね」
「そう。それにね」
さらに言う樹里だった。
「生き残れないから」
「他の剣士の人、戦って目的を達成しようとする人に」
「負けちゃうからね」
「そうなんだよね。確かに同盟は結べたけれど」
だがそれでもだとだ。上城は難しい顔で言う。それは剣士だからこそ彼が最もわかっていることだった。それはというと。
「自分自身がね」
「強くならないといけないものよね」
「同盟を結んでも戦いはあるから」
それでだ。消えないというのだ。
「終わらせる為の戦いがね」
「その戦いで生き残る為にも」
「うん、だからね」
「怪物達とも戦っていくのね」
「そうして強くなるよ」
このことはこれまで通りだtった。戦い自体は替わらなかった。
「そして手に入れた力で」
「生き残ってね。本当に」
「そうするよ。僕は最後まで生き残るからね」
「戦いで死ぬなんて」
そうした死に方についてはだ。受理は少し上を見て視線をそこにやって悲しい声で上城に対してこう言った。
「いい死に方じゃないと思うから」
「いい死に方じゃない、ね」
「具体的にいい死に方はどういったのかって言われるとね」
自分でだ。樹里は首を捻って述べた。
「これだって言えないけれど」
「それでもなんだ」
「戦死とかはいい死に方には思えないの」
それはどうしてもだというのだ。樹里にとっては。
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