ソードアートオンライン VIRUS
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再会と仮面の男の正体
前書き
コラボ小説を書くことにします。キャラを貸していただく先生方の期待にこたえられたら幸いだな
二十八層が攻略されると、私のところにあるギルドからの勧誘が来た。
「君に私のギルドに入ってもらいたいのだが」
「は、はあ」
急な展開で追いつけないから最初から話しましょう。今日の朝、いつもどうり朝食を取っていると一人の男性が話しかけてきた。
「君があの姫騎士かい?」
「……そうですが……どちらですか?」
少し警戒しながら言葉を返す。すると、赤いローブのような服を着た男は苦笑しながら答えた。
「そんな、警戒しなくてもいいよ。私は君を落としたくて話しかけてるんじゃないからね」
そう言われた。まだ少し警戒するが、この男は別の話しみたいなので目の前の席に手を出して座ってもいいよという表現をする。それを見た男は失礼するよ、といって席に座った。そして私がご飯を食べ終えて話を始める。
「話とはなんですか?」
「君の噂は聞いてるよ。戦場に咲く一輪のはなのように美しく、とても強い女性がいると聞いたんだ。その人とどうしても会ってみたくてね、足を運んできたんだ噂に違わぬ美貌だね」
「口説いてるんですか?」
少しきつめの口調で言うと、男は苦笑してから違うと言った。そして手を口の前で組んで話し始めた。
「私は攻略組と呼ばれるプレイヤーの一人だ。今はギルドを作っているんだがまだ人数が数人しかいなくてね。人数を集めているんだよ。それに一人は女性だから何としても君のような女性プレイヤーをギルドに加えたいんだよ」
攻略組。それはあの仮面の男がいると思われるこの世界のトッププレイヤー達。男は私をそこに誘っているのだ。
「君に私のギルドに入ってもらいたいのだが」
「は、はあ」
とにかく今は生返事を返しておく。しかし、その返事を聞くと男は言った。
「すまないが、生返事はやめてくれるかな。今ここで、入るか入らないかを聞かせてもらいたいんだ」
そしてユキは考える。今入っておけばいいかもしれない。他にも勧誘が来る時もあるが女性がいないとやりにくい所もあるし、ここは入っておこう。
「分かりました。入ります。でも、一つだけ知りたいことがあります」
「何かな?」
「あなたのギルドに入っている女性の名前を教えてください」
「そんなことか。私のギルドに入っているのは、アスナという女性だ。副団長をしている」
ユキはその名を聞いて、耳を疑った。アスナ、親友の名前だったからだ。しかし、ゲームなのだからそんな名前をつける人なんて何人もいるだろう。しかしユキは駄目もとで男に聞いてみる。
「そ、そのアスナって言う人の特徴は茶色のロングヘアーではしばみ色の瞳をしている人ですか!?」
そう言うと、男は少し驚くようなしぐさをした。
「アスナ君を知っているのかい?それなら彼女も喜ぶだろう」
そう言って立ち上がる。
「ようこそ、私のギルド。血盟騎士団へ。君を心より歓迎しよう」
そして、私は血盟騎士団に入隊した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「アスナ~!!」
ギルドホームに案内されたユキはホームでお茶を飲んでいたアスナに抱きついた。アスナは急に抱きつかれたことに驚いたが、ユキを見てさらに驚いていた。
「ユキ!!」
「アスナ~!!」
ユキはアスナに抱きついて泣きはじめた。アスナはユキを慰めるために頭をなでた。しかし、アスナも涙していた。見ていた団員は空気を読んだのかそそくさと出て行った。しばらく、アスナとユキは泣いた。そして、泣き終えるとアスナとユキは久しぶりの再開に話しに花を咲かせる。
「本当にアスナに会えてよかった」
「私もユキに会えてうれしかったよ。この世界に女の子が少なくて男の人がよく話しかけて来るんだもん」
「そうだよね~。でも、アスナに会えてよかった。話し合える人が出来たんだもん」
「私もユキに会えてよかったよ。女一人だと色々と居づらいからね」
ガールズトークを話し始めるユキとアスナは途中で話を変えた。
「でも、ユキはいいの?攻略組に入って……。死んじゃうかもしれないんだよ」
「そうかもしれないけど……、私は目標を見つけたから、それを目指しているんだ」
「そうなんだ。私も目標があるけど、どんな奴なの?」
アスナは目標が気になったようで聞いてきた。
「私の目標は、ある人と肩を並べること」
「ある人?強い人なの」
「うん、しかも物凄く強いんだ。えっとね、私が死にそうになった時に助けてくれた人なんだけど……」
「死に掛けた!!なんて馬鹿のことしてんの!!」
そう聞いた途端、アスナは鬼の形相で怒鳴ってくる。その瞬間、ビクッと震える。アスナはすぐに我に帰ってゴメンと謝った。
「ゴメンね。私、攻略組に入ってたくさんの人が死ぬのを見てきたから、少し気が動転しちゃったみたい」
「いいんだよ。私のために怒ってくれたんでしょ。ありがと、アスナ」
そう言ってユキは話を再開する。
「その助けた人がいたんだけど、その人がほんと無茶苦茶な人なんだよ。ほら、二十三層に武器破壊系のモンスターがたくさん出てくる不人気ダンジョンがあるじゃん」
「ああ、あのブレイクゴブリンみたいなモンスターがたくさんいる」
「そうそう、そこで、モンスターハウスに引っかかって死に掛けたんだけど、一人の男の人が助けに来てくれた、というよりは素材集めに来ていた人がいたんだけどその人に助けてくれたんだ」
アスナはそれを聞いて、何か引っかかるの顎に手を当てて考え出す。
「どうしたの?アスナ?」
「なんかどこかで聞いたような話しなんだよね。まだ思い出せないけど。で、どんな人だったの?」
「えっとねー、仮面を付けてて白色のコートに奇妙な持ち方をする両手剣士」
そう言うとアスナは、少し驚いてから言った。
「どうしたの?」
「私、その人知ってるって言うより攻略組の誰もが知ってる人だと思う」
「誰!?」
ユキはアスナに飛びつくように聞く。
「でも、違うかも知れないから、その人の特徴をもっと聞かせて」
「え、他に……あ!馬鹿みたいな筋力値してるって言ってた」
そう言うとアスナはやっぱりと言って安堵の息を吐いた。
「アスナ、大丈夫」
「大丈夫だよ。やっぱり、最近聞いたと思ったら彼がユキを助けたのか」
「彼って誰!!」
ユキはアスナに飛びついて聞く。
「その人はゲツガ君って言ってね、攻略組でも最上位くらいの強さを持っている剣士なんだけど……その人、かなりの戦闘好きなのかほとんどダンジョンに籠もってるの。しかも、自殺行為のようなレベル上げをしてるって。……でも、ゲツガ君は団長が言うには的確な指示も出せるから司令官に向いてるって言ってたし、ユキみたいに助けられたプレイヤーは結構いるらしいから信頼されているの」
「そうなんだ」
そう言って話を切り上げる。
「ありがとう、アスナ。おかげで自分の目標の人の名前聞けたし、アスナにも会えたし。それじゃあ、また明日」
「うん、また明日。これから一緒に攻略頑張ろうね」
「うん!!」
そしてユキは、ギルドホームから出て行った。
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