DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第3章:武器屋トルネコと幼女騎士リューラ
第4話:年上年下
(レイクナバ)
トルネコSIDE
無事『鉄金庫』を手に入れる事の出来た私達は、次の地へ赴く前に一息入れようと思い、レイクナバへ戻り家族と夕食を共にしている。
ネネとポポロもリューラさんが心配だったらしく、無事戻ってきた事を心底喜んでいる。
まるで家族が一人増えた様だ…
娘というのも可愛くて良いものだなぁ…
犠牲にしなくて本当に良かったと、心底感じてます。
そう言えばリューラさんのお父上は、些か資産家の様な感じがする…
このままポポロとの仲を進めさせ、将来を約束させれば何かと都合が良いかもしれない。
彼女が他にどんな魔法を使えるのかも気になるし、今日は色々と質問してみるとしよう。
家族団欒状態であれば、気も緩み喋るかもしれない。
「そう言えばリューラさん…この時代に飛ばされた時、誕生日だったと言ってましたが、お幾つになったのですか?」
「じゅ…12…です…」
………じゅうに……?
「え、ポポロより2歳も年上だったんですか!?」
見えない…背も小さく、顔も幼い彼女…どう見たって7.8歳だ。
そりゃ態度は寡黙で大人っぽいが…恥ずかしがり屋だと思ったから、逆に子供っぽく見えてしまったし…
「よく…驚かれ…ます…」
ちょっと大きく驚きすぎたのだろうか…
恥ずかしそうに俯き黙り込んでしまった。
慌ててネネに膝を叩かれる…
「もう…そんなに驚かなくても良いじゃない! ねぇリューラちゃん…ちょっと背が低いだけよ…むしろ可愛くて良いじゃない!」
懸命にフォローしてくれるネネ…
「そうだよ。大人顔負けの強さだから凄いなぁって思ってたんだけど、僕より2歳も年上だったら納得だよ! リューラちゃん凄いなぁ!」
ポポロも頻りにフォローしてくれた。
良い家族に恵まれたなぁ……
だがしかし、私が大きく驚きすぎた所為で魔法の事を聞ける空気では無くなってしまった。
残念だが仕方ない…
一緒に旅をしていれば何れは聞く事が出来るだろう。
ホイミが使えると解っているだけでも、薬草を金に換える事が出来儲けものなのだ、今は別の事を聞いて気分を紛らわそう…
「そう言えばリューラさん…お父上等と共にこの時代に飛ばされてと言ってましたが、他にもご家族が一緒だったのですか?」
「………うん」
お父上に絡めた質問をすれば、饒舌になって話をしてくれるだろうと思い聞いたのだが…
顔を顰めて頷くだけ。
「どうかしましたか?」
「私とお父さん…それ以外は、お父さんの奥様と…腹違いの妹が2人…あとウルフ…」
“ウルフ”? 人の名前だろうか?
それと『お父さんの奥様』と言う言い方…
まるで他人の様…
腹違いの妹といい…複雑な家庭の様だな。
もしかしたら貴族なのかもしれない。
貴族の当主とその奥方…
そしてその貴族に使える騎士がリューラさんの母親なのか?
腹違いの妹2人というのも、正妻との間に生まれた娘で、母娘巻き込んだ不仲なのかもしれないな。
ウルフは……使用人か何かだろう。
「妹さんとは仲が悪いのですか?」
「………別に」
やはり喋らないか…深い事を聞きすぎたか?
「リューノは…うるさいんだ。……マリーは…偉そうだし…」
リューノ…マリー…妹2人の名前だろうか?
やはり仲が悪く、確執が絶えないのだろう。
「お二人とはどの程度お歳が離れているのですか?」
「1日ずつ…妹」
1日ずつ!? これは上手く取り込んでポポロと結婚させれば、家督相続に参入する事も出来るかもしれない!
「そうですか…でも大切なご家族です。一刻も早く再会できると良いですね! 私もご家族捜しに吝かではありません」
「ありがとう…ございます。でも…取り敢えず、お父さんとさえ会えれば……」
そうですね…私も資産家当主と早くお会いして、今後の人生設計を優位に進めたいですね!
「では明日は早めに出発し、この国の首都であるボンモールへと向かいましょう。此処の様な田舎とは違い、人も沢山居りますし情報も溢れていると思います。何処かにお父上の事を知っている人が居るかもしれません」
「ボンモール…」
「はい。もしボンモールで情報が無くても、更に南に赴けば世界一の都市エンドールです! そこでなら何かしらの事が分かるでしょう…」
「エンドール…?」
「えぇエンドールです。噂では今度そこで武術大会が催されるそうです。各国の強者が集結するそうですし、お父上の事を知っている人が居るはずですよ!」
よしよし…
リューラさんの瞳に輝きが戻ってきたぞ。
これでエンドールまでの安全は確保出来たと思って良いだろう。
私の目的の一つに、エンドールという大都市で自分の店を持つというのがある事だし…
あの町でなら私の“世界一の武器屋になる”と言う夢も、具体性を持たせる事が出来るだろう。
トルネコSIDE END
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