DQ4TS 導く光の物語(旧題:混沌に導かれし者たち) 一~四章
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三章 トルネコおばさん
3-15念願のお店を手に入れました
「魔物もなんだか色々落としたし。また、かなり荷物が増えたわね。」
破邪の剣でさくさく切れたし、これならあんなに念入りに準備しなくてもよかったわね、そんなこといったらあの人に怒られちゃうかしら。
魔物も思ったほど出なかったし、こんなに簡単に稼げちゃっていいのかしらねえ。
などと思いながら、まずは銀の女神像の確認にと、エンドールに向かう。
「やや!そこに持っているのは、もしや銀の女神像ではっ!?二万……いや!二万五千ゴールド出そう!売ってくれまいか?」
「あら、そんなに。助かりますわ、どうぞお持ちくださいな。」
「おお!ありがたい!確かに受け取ったぞ!」
「いえいえ、こちらこそ。本当に助かりますわ。」
資金は十分に貯まったので、他の荷物は売らずに取っておくことにし、念のため店の売主の老人に挨拶して、キメラの翼でレイクナバに帰る。
翌日、仕事が休みの夫と、息子とを連れて、エンドールの物件を見に行った。
夫の気に入れば、そのまま購入するつもりである。
「うん、いいね。お店を出すにも、住むにもよさそうだ。いいところだね、さすがトルネコだ。」
「そうでしょう!」
手続きと支払いを済ませる。
「これで、今日からこの店は、あんたたちのものじゃ!」
トルネコとネネは、お店を手に入れた!
レイクナバの武器屋の親方には、祝福と共に送り出され、町の人々に挨拶を済ませて、トルネコ一家はエンドールに引っ越し、新しい生活と、店の営業を開始した。
国王に開店の報告をし、祝儀代わりにと武器防具の注文を受け、順調にこなして店も軌道に乗り始める。
トルネコが仕入れを担当し、ネネが売る。
思い描いた通りの夢が、そこにあった。
充実した日々の中で、時折、気になる情報に、人に出会う。
世界の果てに眠るという、天空の剣。
その剣を心正しき者の手に渡し、世界を救ってほしいと願うシスター。
探し人を求めて旅する、女戦士。
その女戦士は、休業中のカジノにいた。
「あら、戦士さま。こんなところで、なにをなさっていますの。」
そういうあたしも、ちょっと見物にきたんだけれど。そういう感じでは、ないものねえ。
佇み、考え込んでいた様子の戦士は、トルネコに顔を向け、微笑む。
「ご婦人。少し、静かなところで、考えたかったのです」
あらまあ、ずいぶんお綺麗な方だこと。女同士だっていうのに、ちょっとドキドキしちゃうわねえ。
でもそれよりも、なんだか気になるご様子ね。
「この町は賑やかだから、少し騒がしいこともあるものね。でも、それなら、お邪魔しちゃったかしら。」
「いえ。考えたところで、どうにもならぬことでしたから。かえって良かった」
「なにか、お悩みでも?失礼でなければ、うかがえないかしら。」
「ええ。探し人が、あるのです」
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