ハイスクールG×D 黄金に導かれし龍
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第6話
「昨晩はお楽しみでしたね」
「「ぶっ!!」」
鋼鉄聖衣の材料を集めるのに苦労してしまい、予定より遅くに自宅に帰ってリビングに居たイッセーとレイナーレにお約束の言葉を言ってみたのだが、人の家でやったのかよ。洗濯とかはしたみたいだから別に構わないが。
「まあいい。とりあえず決まった事だけ簡単に説明すると、今回の事件はレイナーレの部下の暴走と言う形に落ち着けた。レイナーレはそれを止める為にこの街に来て、部下達と交戦、負傷し、悪魔に転生する事で命を長らえた。またイッセーと私はレイナーレの協力者で、私達がレイナーレを悪魔にする為に契約したと言う形だ」
「そんなので大丈夫なのか?」
「幸い、レイナーレの部下だった者は逃走したはぐれ神父1名を除いて全員処分している。当事者である私達が口裏を合わせれば問題無い」
「そんな物なのか?」
「そんな物なんだよ。それからレイナーレ、お前の戸籍なんだがどっちで作るんだ?レイナーレか、天野か?」
「あ~、イッセーが友人に紹介しちゃってるし天野の方で良いわ」
「了解した。適当にそれらしい経歴も用意してやる。一応、グレモリー先輩も手を回してくれたおかげで来週から駒王学園に通える様になる。必要だと思うものは用意するが個人的な物は自分で用意してくれ。金はこれだけあれば十分だろう」
懐から諭吉の束を取り出してレイナーレの前に置く。
「ちょっ、どこからこんな大金を」
「ああ、我ら聖闘士の本拠地である聖域には色々な鉱石の鉱脈が有ってな、金には苦労しないのだよ。他にも私は神話学者もやっているし、人間の裏の仕事もいくつかしているからな」
「裏の仕事って、殺し?」
「運び屋だ。あまり知られたくない様な物を運んだり、それを護衛したリだ。運ぶ物は主に紛失したはずの絵画などだ。物によるが一回当たりこれ位の報酬が手に入る」
小宇宙で空中に数字を作り、イッセーにだけ見せる。
「げっ、こんなにかよ。今度紹介してくれよ。いざという時の為に稼いどきたいからさ」
「もう少し鍛えてからだ。中には本物が混じっている時がある」
「鍛えるってどれ位だよ。十分強いと思うんだけど」
「最低でも黄金クラスまでは鍛える。そこから先はお前が決めれば良い。時間的に余裕はできたからこの3週間の様な鍛え方をする必要も無いしな。悪魔としての仕事もあるだろうし、学園に在学中はなまらない程度に鍛えれば良いだろう。学園を卒業すればグレモリー先輩達の配下としてレーティングゲーム、命の危険が少ない模擬戦の様な物に出る必要が出てくるそうだから、その時にしっかり鍛えれば良いだろう」
「となると1~2年程は現状維持で良いんだな」
「そうなるな。その間の私生活に関して私は何も干渉するつもりは無い。ああ、あまりになまっていれば青銅クラスが命を落とす地獄の特訓を課すからな」
「分かってるさ。レイナーレを守らないといけないんだから怠けるつもりは無いさ」
「ならばいい。私は疲れたから休ませて貰う。イッセーは家の方に連絡を入れておけ。近いうちにレイナーレを連れて行くとな。どうせならそのまま兵藤家の一員にしてしまえ」
それだけを告げて私は自室へと戻りベッドに倒れる。この1週間、不眠不休で色々な事をしていたおかげで大分疲れが溜っている。いくら聖闘士が常人離れをしていると言っても限界はある。飢えもすれば睡魔にも襲われる……性欲が沸いた事は殆ど無いが、三大欲求は存在している。神をも上回る力を持っていても、この身は人間なのだ。だが、人間だからこそここまで強くもなれた。
人間は弱い。獣の中では最弱に近い。だが、他の獣には無い運命に逆らう強い意志がある。その強い意志が時に強大な小宇宙を産み出す。惜しむらくは寿命が悪魔達と比べて短い位だ。だが、人間は意志を受け継いでいく獣だ。何世代も、何世代も、技を、思いを受け継いで今の私が居る。私は人間である事を誇りに思う。
「はじめまして、天野夕麻と言います」
レイナーレ、いや、今は天野夕麻か。天野が私達のクラスに転校してきて挨拶をすると、教室の男子から歓喜があがる。休み時間になると噂を聞きつけたのか他のクラスの男子までやってきて告白合戦の様な事態に陥った。だが、そんな騒動も
「ごめんなさい。私、イッセー君と将来を誓い合った仲なの」
その一言で男子の怒りの矛先がイッセーに集中し、女子の興味の矛先が天野に向けられる。
「「「「死ねや兵藤!!」」」
天野の周りに集っていた男子がイッセーに襲いかかり、イッセーはそれを適当に捌いていく。悪魔に転生した事で基礎能力がアップした為に教科書片手に捌いていく。天野に格好悪い所を見せたくないと勉強をする様になり、エロ方面への熱意が全て天野への愛に変換された為に、イッセーの弱点はほぼ無くなったと言える。真人間になってくれて、あっ、人間辞めたんだった。真悪魔?……模範的な生徒になってくれてよかった。
天野の方は女子達が色々と質問をしているだけで男である私はあまり関わりたくないので放置する。惚気るだけ惚気れば良いさ。
新しく入った古文書の解読をしながら思う。今日も平和だな。
後書き
というわけで第1巻分の投稿は終了です。
次回投稿日は未定です。書き上がり次第、1日1話のペースで投稿します。
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