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久遠の神話

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第四十話 同盟結成その七

「今日の五時に駅前の喫茶店で」
「あっ、マジックですか」
「そこでお会いしたいとのことです」
「そうですか。あれっ」
「そちらにもメールが来ましたね」
「はい、高橋さんからです」
 実際に上城の携帯に彼からメールが来ていた。そのうえでの返事だった。
「五時にマジックで」
「そうですね。それでは五時に」
「あのお店ですね」
「ではその時に」
「わかりました。しかしマジックですか」
 その店のことをだ。上城はここで言ったのだった。
「あのお店には時々行きますけれど」
「いいお店ですね」
「紅茶が美味しいんですよね」
「それにコーヒーもですね」
「スイーツも」
 店のメニューについてだ。上城も大石も携帯で笑顔で話していく。
「いいですね」
「はい、いいお店ですよね」
「本当に。ただお店のお兄さんですが」
「ああ、お菓子作ってる人ですね」
「あの人は愛想がありませんね」
 それが少し残念だとだ。大石は言うのだった。
「腕はいいのですが」
「あの人八条大学の学生さんらしいですよ」
「そうなのですか」
「黒と銀のサイドカーに乗っていまして」
 これは上城がその目で観たことである。だから言えるのだ。
「剣道部らしいですよ」
「そうなのですか」
「中田さん。時々お話してますけれど」
「あの人と同じ部活なのですね」
「いえ、剣道部は剣道部でも違う剣道部だそうです」
 八条大学、高校でもそうだが人気のある部活は一つではないのだ。複数ある場合もある、それは剣道部以外には野球部やサッカー部もである。
「そこにおられるそうです」
「そうだったのですか。あの人は」
「大学を卒業すればお店の娘さんと結婚されるそうです」
 このこともだ。上城は大石に話した。
「そんなことも聞いています」
「そうですか」
「あの人も剣士ですかね」
 ふとだ。上城はこんなことも言った。
「そんな感じがしますけれどね」
「そうですね。少し」
「剣道をやっておられるだけでなく」
「独特の雰囲気がありますね」
「戦っているというか」
 二人もそうしているからだ。彼から感じ取ったのである。
「そうした感じですよね」
「はい、私もそう感じます」
「剣士ってこの町に集まってますから」
 上城は何故そうなっているかはわからなかった。
「ですから」
「あの人もそうである可能性は零ではないですね」
「そうですよね」
「はい。ただ」
「ただ?」
「あの人の気配は剣士というよりは」
 どういったものかとだ。大石はここでこう言った。
「あれですね。天使ですね」
「天使ですか」
「はい、天使です」
 その気配だと言うのだ。彼から感じられる気配は。
「それも戦う天使ですね」
「そういえば天使も戦うんですよね」
「はい、人を救うと共に」
 キリスト教の天使についてもだ。大石は上城に話した。
「悪とも戦いますから」
「そうですよね」
「はい、ですから武装している絵もあります」
「何かそういう絵も見たことあります」
「後は。イタリアですが」
「バチカンのある国ですよね」
「はい、そのイタリアのローマの」
 他ならぬカトリックの総本山であるバチカンのある街だ。ローマ帝国の首都でもあった歴史ある街である。 
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