DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第2章:おてんば姫とチャラ王の冒険
第25話:権力欲って凄い…色んな人種がそれに群がってくる。
(エンドール城-コロシアム)
クリフトSIDE
私達が試合場へ上がると、既にアリーナ様の紹介が終了しており、最終予選を戦う選手達で舞台は盛り上がっていた。
「何だか皆さん強そうですね…」
気の弱い私は、周囲の雰囲気に飲まれたのか、リュカさんに小声で弱音を吐く。
「そうか? 予選だけだったら問題ないと思うよ…今のアリーナなら、全力を出し切れれば予選だけでなく本戦も大丈夫なはずだ。問題なのは決勝戦だね…相手の事を見た事ないけど、聞いた話じゃ強いらしいよ」
リュカさんは相変わらず飄々としており、アリーナ様に絶大な信頼を寄せている。
でも…リュカさんの仰る通りかもしれない。
何より我々が弱音を吐いては、実際に戦うアリーナ様に失礼だろう!
「そ、そうですよね! アリーナ様なら勝てますよ! 予選も本戦も軽く圧勝してくれますよ! きっと決勝だって…」
「う~ん…決勝はどうだろうか?」
「な、何を言われるんですか!? 何か『デスピサロ』の情報でも持ってるんですか?」
「うん。さっき鉄の爪を買いに行ったらね…『あれ? あんたデスピサロ選手では?』って、間違えられたんだ」
「………リュカさんがデスピサロに似ていた…って事ですか?」
「うん、そうなんだ! こんなイケメンに似てるなんてあり得ないよね!? …って事は、要注意だよ! イケメンは凄いから…体力が凄いからね!!」
「……………」
どうしよう…全然役に立たない情報だ…相手したくないな…
暫くするとアリーナ様が我々の下に戻り、早速試合が開始するみたいです。
緊張こそはしてない様子ですが、少し不安げな顔でリュカさんに近付き話しかけております。
「ねぇリュカ…本当に大丈夫かな?」
「何が心配なの? 今のアリーナなら、簡単に勝ち進めると思うよ」
「だって見てよ…対戦相手に女の子が居るよ…何でお姫様との結婚が掛かってるのに、女の子が出場してるの? もしかしたら私達と同じで、お姫様を助けるのが目的かもしれないわよ…倒しちゃっても大丈夫かな?」
確かに…良く見ると、対戦相手の中にはバニーガールの恰好をした可愛い女性が混じっている。
「女の子!?………あぁ、アレか!」
「“アレ”って言い方は酷いんじゃないの!?」
「だってアレ…男だよ! 匂いで判るよ…完全に男だね! 今はちょん切っちゃったかもしれないけど、昔はエノキが生えてたね!」
「えぇ!? アレが男ぉ~!? だってオッパイが私よりあるわよ!」
まさに驚きです!
あの方が男性とは…見る限りは可愛らしい女性なのに…何でこの距離から判るんでしょうか?
…って、匂いって何ですか?
「確かにオッパイ大きいねぇ~…でも僕の昔の知り合いに、アレより女みたいな男が居たよ。すんごく可愛い男が居たね!」
「はぁ~……リュ、リュカが言うなら本当なんでしょうね…」
些か信じられないと言った表情で、女の子もどき選手を見ながら呟くアリーナ様。
「それより…早速第一戦目が始まるぞ! 舞台中央に、初戦の相手が待ってるぞ! そっちに集中しなさい…他の事を考えるのは全てが終わってからにしなさい!」
ハッと舞台中央を見て慌てるアリーナ様…
「もう戦いは始まってまスカラ! 頑張って下さい!」
私は例の作戦をさりげなく発動させる。
リュカさん直伝の“語尾スカラ”作戦を…
クリフトSIDE END
(エンドール城-コロシアム)
リュカSIDE
う~ん…早速クリフトのスカラ炸裂。
普通に戦ってもアリーナが楽勝だろうが、少しでも決勝戦を楽にする為、俺も援護をしてやろうと思う。
俺って優しいね。
「おいアリーナ…最初の相手は『ミスターハン』って名前らしい…きっとフルネームは『ミスターハン人前』だと思うよ。半人前だから気楽に行け!」
俺は相手に聞こえる様な大きな声でアドバイスをする。
ミスターハン人前は案の定、茹で蛸の様に顔を赤くして怒っている…あれでは冷静な判断は出来ないだろう。
思った通り、怒りで単調な攻撃しか出来ず、アリーナのカウンターをもらい敢えなくKO…
楽に一勝出来た事で、アリーナの顔にも笑顔が戻った。
うん。女の子は笑顔の方が良い!
次なる相手は『ラゴス』と言うボーガン使い。
さて…どう怒らせようかなぁ…
苦手だなぁ…人を怒らせるのって(笑)
「アリーナ気を付けろ。相手は飛び道具を使う…きっと接近する事にはなれてないから、女の子を口説く事が出来ず童貞だゾ! 美少女が近付きすぎると、中二病が発病して押し倒しかねない! 避妊だけはしてもらえ(大爆笑)」
「え~…マヂ~…私の好みじゃないのになぁ…」
流石は我が弟子…
俺の挑発に乗っかり、両腕で体を隠す様な態度を取ると、小馬鹿にした口調で挑発をする。
「あんな男の子供を身籠もるのだけは反対でスカラね、私は!」
何とクリフトまでも挑発に乗っかりつつ、イカサマスカラで援護する。
良いチームじゃん!
そして結果は思った通り…ラゴスも怒りでまともな攻撃が出来ず、敢えなくアリーナに減り倒された。
奴…怒りで、俺に矢を放ったからね。アリーナに攻撃するフリをして、対角線上に居た俺に矢を打ち込んだからね。
まぁ、あんなゆっくり飛んでくる矢に当たってやる義理はないけどね!
さてさて…
気が付くと次の対戦相手が待っておりました。
お次の相手は先程話題に上った男の娘『ビビアン』です。
でも近くで見ると本当に女みたいだな…
匂いは男だから間違いなく男なんだろうけど…
あの股…どうなってるの? 全然膨らみがないよね!?
オッパイもどうやって大きくしたんだろうか?
この世界にも、それ系の技術は凄くて、ちゃんと処理してあるのかな?
お股はちょん切ってベホマをしただけじゃ、痕が哀れな事になるよねぇ?
「アリーナ様ならそんな男女は楽勝でスカラ!」
「うん、任せてよ! 本物の女の強さを見せてあげるわ!」
昔知り合いだった男の娘を思い出してたら、アリーナ・クリフト間でラブラブ・スカラ大作戦が発動していた。
やっぱ見た目女の子は侮辱しにくいね。
リュカSIDE END
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