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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第5章 X791年編
  X791年・妖精の尻尾

X791年 ハルジオン港

「・・・・・・。」

ここに海を見ている少年がいた。

「いつまで海を見てるんだい?」

「仕事も終わったし、ギルドに戻ろう。」

「・・・・・・。」

「ふう。」

「やれやれ。」

「早く帰らないと父さんが心配するよ。」

「マカオからアンタの事、頼まれてんのよ。ロメオ。」

「うん。」
 
海を見ていた少年はロメオ。妖精の尻尾(フェアリーテイル)の一員、マカオの息子であった。
服はナツに似ていたのを着ていた。
そしてロメオと話していた2人はアルザックとビスカであった。
2人はもう夫婦になっており、ビスカはコネルの苗字を持っていた。

「ロメオ・・・・・・気持ちはわかるけど。」

「ビスカ。」

ビスカが全てを言う前にアルザックが首を横に振った。

「(ナツ兄・・・。)」


































こちら、魔導士ギルド 妖精の尻尾(フェアリーテイル)
前にあった場所と場所の所にあり、少しボロかった。
さらに数分前にギルド 黄昏の鬼(トライライトオーガ)が借金を取り立てに来て、暴れ、去った後。
ここにいた現在妖精の尻尾(フェアリーテイル)4代目マスターのマカオ、
4代目マスターの補佐ワカバ、一員のジェットにドロイ、リーダス、ウォーレン、
マックス、ナブ、ラキ、ビジター、そしてキナナがいた。

皆、リーダスが描いた7年前のナツ達との思い出の絵を数名が見て泣いていた。

「あれから7年か・・・」

「懐かしいな。」

「グス。あれ以来、何もかも変っちまった。」

「天狼島が消滅したって話を聞いて、必死にみんなを探したよな。」

ワカバ、マックス、ウォーレン、ジェットがそう言う。

「だけど誰1人見つからねえなんて・・・」

「評議院の話が本当なら、アクノロギアってのに島ごと消されたんだ。」

「実際、いろいろな機関が捜査に協力してくれたけど、
 何も手がかりは見つからなかった。」

ビジター、ナブ、リーダスがそう言う。

「そりゃそうだよ。あの日・・・天狼島近海のエーテルナノ濃度は異常値を記録してる。
 あれは生物が形をとどめておけないレベルの・・・」

「何て威力なんだ!!!アクノロギアの咆哮ってのは・・・!!!」

「だって・・・大昔にたった1頭で国を滅ぼしたっていう竜なんだろう!!?
 人間が・・・そんなの相手に・・・生きていられる訳が・・・!!」

「何で俺達の仲間を・・・。」

ジェット、ナブ、ウォーレン、ドロイがそう言う。

「あいつらがいなくなってから、俺達のギルドは弱体化する一方、
 マグノリアには新しいギルドが建っちまうし。」

その新しいギルドが黄昏の鬼(トライライトオーガ)である。

()()()時が来たかもな。」

「そんな話やめて!!!」

ワカバの言葉に怒鳴るラキ。

「!どうした、マカオ?」

暗い表情のマカオにワカバは気づき、声を掛けた。

「・・・・・・俺はもう、心が折れそうだ。」

「お前はよくやってるよ、マスター。」

マカオの言葉にワカバはそう言った。

「あれ以来・・・・・・ロメオは1度も笑わねえんだ・・・。うえっ、ひっ。」

マカオはそう言い、泣く。

「「「「「「「「「「・・・・・・。」」」」」」」」」」
 
ここにいる全員、ついに無言となった。その時であった。


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・!!


「!」

「何の音?」

「またオウガがいやがらせに来たか?」

ギルド内にいた全員、外に出て見た。

「あ・・・あれは・・・!!」

「オオ!!?」

空の上にあるものが見えた。

青い天馬(ブルーペガサス)のクリスティーナ改!!!?」

それは、青い天馬(ブルーペガサス)が7年前の六魔将軍(オラシオンセイス)打倒の為に持って来て、
破壊されてしまったが、リオン達の協力により、ニルヴァーナを攻撃し、撃墜した。
あれから7年の時が経ち、クリスティーナは改良されて、クリスティーナ改となった。

「くん、くん、くんくん、くんくん。辛気くさい香り(バリファム)はよくないな。とう!」

「!」

キィーーーーーーーーン!ゴシャ!!

「メェーン!」

「「「「落ちんのかよっ!!!!」」」」

マックス、ウォーレン、リーダス、ビジターがそう言う。
そして、この落ちてきた男は・・・。

「あなたの為の一夜でぇす。」

髪の毛が長くなった青い天馬(ブルーペガサス)の中でもかなりの実力者、一夜であった。

「オマエ・・・!」

「一夜様、気持ちはわかるけど、少し落ち着いたら?」

「俺・・・空気の魔法使えるし。」

「みんな久しぶり。」

空気の魔法により、ゆっくりとクリスティーナ改から降り、マカオ達の元へある3人がやって来た。

「やあ。」

「ヒビキ!」

「フン。」

「レン!」

「マカオさん、また老けた?」

「イヴ!」

そう、六魔将軍(オラシオンセイス)打倒に一夜と共に来たヒビキ、レン、イブであった。

青い天馬(ブルーペガサス)、か・・・かっけー・・・!!」

「何なんだ一体・・・・・・。」

「ラキさん、相変わらず美しい。」

「お・・・お前眼鏡似合いすぎだろ?」

「「お姉ちゃん」って呼んでいいかな?」

「あの・・・」

「ナンパなら他でやれ!!」

3人の行動にマックスが怒鳴って言う。しかし今度は・・・

「え?」

「キナナさん、今夜時間がある?」

「お・・・お前の服、似合いすぎだろ?」

「決めた。僕は君の弟になるよ。」

「ええっと・・・。」

「何しに来たんだ!オメェ等!!!」

3人は対象を今度はキナナに変えて、マックスはまた怒鳴って言う。

「これ!!お前達、遊びに来たんじゃないんだぞ!!」

「「「失礼しやした!!」」」

一夜の言葉に3人はラキとキナナに謝る。2人はびっくりした。

「おい、一夜。」

「一体、何が・・・」

マカオとワカバは一夜達がなぜここに来たのかを聞こうとした。すると・・・

「メェーン!」

一夜がそう言うと、3人は一夜の後ろへ移動した。

「共に競い、共に戦った友情の香り(バリファム)を私は忘れない。」

古文書(アーカイブ)の情報解析とクリスティーナの機動力をもって、
 フィオ―レ中のエーテルナノ数値を調べたかいがあったよ。」

「なっ!」

「っ!!」

「天狼島は・・・まだ残っている!」

それは仲間達がまだ生きている可能性のある情報であった。





































とある場所にて・・・

「よし!今日、ここにいるみんなを助ける・・・!待っているよ、みんな!!!」

俺はそう言い、飛び上へ向かって行った。





























一方、天狼島があった近く海、フェアリーテイルの船にて・・・。

「本当にこの辺なの?」

望遠鏡を手に持ち、周りを見渡して言うビスカ。

「何も見えてこないじゃないか。」

アルザックがそう言う。

「天馬の奴等の話じゃ、この海域でエーテルナノが何とか・・・。」

「そもそもエーテルナノって何だよ?」

「知るかよ。魔力の微粒子的な何かだろ?」

マックスの言葉に適当な事を言うウォーレン。

「本当にロメオを連れてこなくて良かった?」

「無理矢理でも連れて来るべきだったかな。」

仲間達の帰還に1番心待ちしているロメオの事にそう思ったアルザックとビスカ。

「まだみんな生きてるって決まった訳じゃねえんだ。」

「ぬか喜びさせる訳には・・・。」

「「レビィに会える!!レビィに会える!!」」

「やかましい!!」

ジェットとドロイのうるささに怒るウォーレン。

「7年も連絡がねえんだぞ。最悪の場合も考えろよ。」

「お・・・おう・・・。」

「もしゃ・・・。」

「「・・・・・・。」」

ウォーレンの言葉に沈黙となる仲間達・・・

















その時・・・!





















ザバァン!!

「何だぁ!?」

突然の音に全員驚いた。

「海から何か出てきやがった!!ん?何か背中に翼があったぞ!!?」

海をずっと見渡していたマックスが言う。

トン

「「「「「「!?」」」」」」

その現れた奴は船の上に乗った。

「すいませ~ん・・・ちょっと、船に上がって失礼しますが・・・。」

「・・・え?」

「まったく、()まで行って出れたと思ったら、
 海の中にあるって・・・まったく、びしょびしょだぜ。」

「こ、この声って・・・。」

全員が現れた者の声に戸惑いと驚きを現す。
その姿には白銀の髪と背中に白い羽根の翼と黒い蝙蝠のような翼を片方ずつもっていた。

「お前って・・・コー・・・ジ・・・?」


























「はい?何で俺の名前を・・・?」

そう、7年前にアクノロギアによって天狼島が消滅し、死んだと思われた仲間の1人、
髪の毛と身長が伸びてはいるが、コージ・フォレトロスだった・・・!




















「「「コーーーーーージーーーーー!!!!!!!!」」」

「うわっ!?何ですか!!?」

「俺だ!!ジェットだ!!!!」

「ドロイだ!!!」

「え・・・ええ・・・えええええええええええええっ!!!!!??」






































「7年・・・7年もですか・・・。」

俺は状況の確認をした。まさか7年間も経っていたとは・・・。

「ああ。まさか君だけが生きていたといは・・・。」

アルザックさんはそう言う。

「でも・・・他のみんなは・・・」

「生きてますよ。」

「「「「「「えっ・・・!?」」」」」」

俺の言葉にみなさんが驚く。

「本当か!!!」

「だた、少し眠っているので、これから起こすんですよ。」

「「「「「「?」」」」」」

「それっていたいどういう・・・。」

「まぁ、こういう事です。」

俺は(エーラ)を発動し、俺が出てきた場所に行く。

妖精の球(フェアリー・スフィア)、解除!」

ズパーーーーーーーーーーーーーーン!

俺との言葉と同時に消えたと思われた天狼島が球体に守られて、その姿を現した。

「て、天狼島!!?」

「そうです、天狼島は存在しています、そしてみんなも生きています!!」

「何っ!!」

「急ごう!!!」

























一方、ギルドの方では・・・

「ロメオ・・・ついてかなくてよかったのか?」

「もし天狼島がみつかっても、みんな・・・生きてるかわからねーんだろ。」

「そんな事ねーって!!!信じなきゃよ!!そこは!!」

「7年も連絡ねーんだぞ。」

ロメオの言葉マカオはため息をつく。

「おーいおい。」

ガコォ!

「今日はまた一段と人が少ねえなァ。」

「キヒヒ。」

「ギルドってよりコレ何よ?同好会?」

「ぶひゃひゃー!」

やってきたのは黄昏の鬼(トワイライトオウガ)の者達であった。

「ティーボ!!支払いは来月のハズだろ!?」

「ウチのマスターがさぁ・・・そうはいかねって。
 期日通り払ってくれねーと困るって。マスターに言われちゃしょーがねーんだわ。」

ティーボという男はそう言う。

「お前等に払う金なんかねえよ。」

「よせ、ロメオ!!」

「なんだクソガキ、その態度。」

「こんな奴等にいいようにされて、父ちゃんもみんなも腰抜けだ!
 俺は戦うぞ!!!このままじゃ妖精の尻尾(フェアリーテイル)の名折れだ!!!!」

ロメオはそう言い、手から炎を出す。

「フッ。」

フシュウ

「!!」

ティーボは軽く息を吐き、ロメオが出した炎を消したのだった。

「名前なんてとっくに折れてんだろ。」

スウ、オオオオ

ティーボは背負っていた棍棒に手をかけた。

「やめろォーーーー!!!!」

「てめえらは一生俺達の上にはいけえんだ!!!!」

ティーボはそう言い、棍棒をロメオに当てようとした。



しかし・・・




ドッゴォーン!

「あ?」

ゴシャ!

ティーボは後ろから誰かに蹴られ、飛ばされた。

「んだァ!」

「コラァ!」

ティーボの近くにおった黄昏の鬼(トワイライトオウガ)のメンバーである4人は後ろを振り返った。

パキィ!

ドッ!

ザーン!

ゴッ!

ドサッ!!


4人とも倒された。




































こいつらに・・・

「ただいま!」

「よ!」

「今戻った。」

「フン。」

「みんなー!」

「帰ったよ~!」

「酒だ酒~!!」

「ただいま戻りました。」

「帰ってまいりました。」

「なんじゃ、この小さいギルドは・・・。」

「わぁ♡素敵じゃない」

俺達は帰ってきたのだ・・・妖精の尻尾(フェアリーテイル)に・・・!!!
場所は違う上にギルドは小さくなっていますが・・・仲間の所へ帰ってきました!!!

「お・・・おお・・・お前ら・・・!!」

「若いっ!!!」

「7年前と変わってねーじゃねーか!!」

「どうなってんだーーーー!!」

「えーっと・・・」

「話が長くなりますと・・・」











































数分前、天狼島にて・・・

「こっちです!」

天狼島が現れ、ナツさん達がいる場所まで俺は案内をした。

「あ、そこの木の下にナツさんがいます!」

そこには天狼島に行ったナツさん達がいた。

「ナツ!!しっかりしろ!!オイ!!!」

「ナツ!!!目ぇ覚ませ、コノヤロウ!!!」

「だーーーーっ!!!うるせえっ!!!!」

そりゃそうでしょ・・・。

「ナツーー!!!」

「うあああ!!」

「ああああ!!」

「んがー!!!」

少し落ち着いてください・・・。

「どうなってんだ一体・・・!!?何でオマエらがここに・・・
 つーか少し老けてねーか!!?」

「おまえは変わらねーな!!」

「てかドロイ、太・・・。」

ええ、俺もそれには驚きました・・・。

「本当に・・・生きていたんだ・・・!」

「俺達、さっきのアクノロギアの攻撃をくらって、えーっと・・・他のみんなは!!?」

「大丈夫です。みんあ別の所にいます!」

「コージ!お前も生きていたのか!!つうか髪伸びたな!!!」

「ええ、まぁ・・・。」

「それで、他のみんなは・・・。」

「こちらです。」

あ、そういえばこの人の事を言わないと・・・

「「「・・・・・・誰!?」」」

「あ、みなさん。こちらの方は・・・。」

「いえ、私が言います。」

俺が言う前に自分から言うみたいだ。みんな驚くぞ・・・。

「私は妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス。メイビス・ヴァーミリオンです。」

「「「「「「!!?」」」」」」

やっぱりな・・・無理もないか・・・。その後にナツさん達はルーシィさん達を起こしに行った。
俺は1人、ウェンディとシャルル、ミントの元へ行った。

「ウェンディ・・・ウェンディ・・・!!」

「・・・ん。」

「!!」

「お兄・・・ちゃん・・・?」

「ウェンディ!!!」

ウェンディが目覚めた事に俺は喜び、抱きしめた。

「お、お兄ちゃん!!?///////」

「よかった・・・本当によかった!!!」

俺は喜び、涙を流す。

「お兄ちゃん・・・。」

ウェンディは察したてくれたのか、ウェンディも俺に抱きしめてきた。

「わからないけど・・・お兄ちゃんがいて・・・よかった・・・。」

「ああ。そうだ、ミントやシャルルも起こそうぜ。」

「え?」

「何かあったかを話すよ。」

俺はそう言い、ミントやシャルルも起こした。
その後にナツさん達の元へ行き、初代マスターを紹介し、説明をしてくれた。

「あの時・・・私は皆の絆と信じあう心。その全てを魔力へ変換させました。
 皆の想いが妖精三大魔法の1つ妖精の球(フェアリー・スフィア)を発動させたのです。
 この魔法はあらゆる悪からギルドを守る、絶対防御魔法。 
 しかし、皆を凍結封印させてしまいました・・・ごめんなさい・・・。」

謝る初代マスター。

「なんと・・・初代が我々を守ってくれたのか・・・・・・。」

「いいえ・・・私は幽体、皆の力を魔法に変換させるので精一杯でした。
 揺るぎない信念と強い絆は奇跡さえも味方につける。よいギルドになりましたね、三代目。」

「ありがとうございます・・・初代・・・。」

初代マスターとマスターはそう言った。

「あの・・・1つ聞いていいですか・・・?」

「何でしょ?」

そう言ったのはレビィさんだった。

「ジェットとドロイから聞いたんですけど、
 この魔法を解除したのはコージ君だけど・・・
 何でコージ君だけが、みんなより早く・・・?」

レビィさんが気になっていた事を言った。

「実は・・・俺は半年前に先に目覚めたんです。」

俺の言葉に全員が驚いた。

「話せば長くなりますが・・・」
































































                                      
半年前・・・

「・・・ざ・・・ージ・・・。」

「・・・?」

真っ暗な所で、声が聞える・・・。

「目・・・めよ・・・コー・・・。」

「え・・・?」

聞いた事のある声・・・懐かしい・・・。

「目覚め・・・コージ・・・!」

「父・・・さん・・・?」

「目覚めよ、コージ!」

「父さん!父さんなの!?」

俺は大声でそう言う。

「目覚めるんだ、コージ!!お前は目覚めなければならん!!!」

「父さん、どういう事なの!?どこにいるんだよ!!
 父さん!!父さん!!!父さーーーーーーーーーーーーん!!!!」

























「父さん!!!!・・・っ!!?」

俺は目が覚めた・・・。

「夢・・・か・・・あれ?俺は確か・・・。」

先程・・・たしかアクノロギアの攻撃を受けたはず・・・。

「ぐうっ!?」

何だか・・・体の調子がおかしい・・・まるで暴走した後の様な感じだが・・・

「空も・・・おかしい・・・。」

何か違和感がある・・・。

「っ!そうだ!他のみんなは!?」

俺は周りを見渡した。

「ウェンディ!!」

ウェンディを見つけて、駆け寄った。

「ウェンディ!ウェンディ!!」

息はしてはいるが、目覚めない。
まるで、おとぎ話で出た眠れる森の美女のように・・・

「ミント!シャルル!!」

ウェンディの近くにはシャルルとミントもいた。
しかし、2匹もウェンディ同様、息はしているが、目覚めなかった。

「何が・・・どうなっているんだ・・・。ナツさん達は!?」

俺はナツさん達を探した。みんなを見つけたが、目を覚まさなかった・・・。
それどこか・・・この天狼島に生息する生物達も同じだった・・・。
この島で・・・今起きているのは・・・・・・俺だけであった。

「何で・・・何で俺だけが・・・俺だけが・・・!!!」

悔しい・・・悔しい・・・!!!
俺だけ目覚めて、他のみんなをどうにかする事ができないなんて・・・!!!!

「くそ・・・くそ・・・くそぉぉぉぉ!!!!」































「あなただけ、目覚めたのですね・・・。」

「!?」

突如、声が聞こえた。
女性のようだ・・・いや・・・前にも聞いた様な・・・でもなんでここに人が・・・!?

「だ、誰だ・・・!?」

俺は攻撃態勢に入るが、その人は殺気は感じ上、戦う気はなかった。

「・・・何者ですか?」

俺は次の瞬間、その人の言った言葉に驚く。

「私は妖精の尻尾(フェアリーテイル)初代マスター、メイビス。メイビス・ヴァーミリオンです。」

「なっ!!?」

ば、馬鹿な・・・!?初代マスターだと・・・!?

「驚くのも無理はありません。今の私は幽体のようなものです。
 ですが、皆さんの一途な想いが私を出現させたと思います。」

「・・・・・・。」

信じれないけど・・・可能性としてはそうである・・・。
それに・・・この声、初代の墓で妖精の輝き(フェアリーグリッター)を返す時に聞いた声・・・!!

「初代マスター、先程は失礼しました。」

俺は先程の行動をした事を初代マスターに謝罪する。

「仕方ありません。突如、現れた私にもありましたから。」

「いえ・・・あ、そうだ!みんなを起こしてくれませんか!?」

俺は起きないみんなを何とかしたく、初代に頼む。

「今の私ではできません。」

「そ、そんな・・・。じゃあ、何でみんなは目覚めないんですか!?」

「・・・あのアクノロギアの攻撃の直後、あなた達の想いが1つになり、
 妖精三大魔法『妖精の球(フェアリースフィア)』が発動したのです。」

妖精の球(フェアリースフィア)・・・?」

妖精三大魔法、確か妖精の裁き(フェアリーロウ)妖精の輝き(フェアリーリッター)の2つもそうでしたね。

「この魔法はあらゆる悪からギルドを守る魔法なのですが・・・
 皆さんを凍結封印してしまったのです・・・すみません・・・。」

「なんで・・・なんで俺だけが・・・!?」

「実は、あなたの体から黒いオーラのようなものが出てきたのです。
 すぐに消えて、あなたが目覚めたのです。」

「・・・!」

黒いオーラ・・・俺が闇の魔法で暴走するときに黒いオーラが出てくる。
今回、どういうわけかそれが起きて、俺は目を覚ませたのか・・・。
それなら、起きた時に身体の調子がおかしかったのも納得いく・・・!

「(父さんの声がしたのは・・・暴走した闇が・・・俺を呼んでくれたからなのか・・・?)」

俺はそうを思った。

「(・・・今はよそう。それより・・・。)解除方法はないんですか・・・?」

「この魔法は解除をする事はできますが・・・。」

「だったら、早く解除を・・!!!」

「それが・・・簡単にはできません・・・。」

「どうして!?」

「この魔法を解除するのにはかなりの時間がかかってしまうのです・・・。
 何十年・・・何百年先かになるかと・・・。」

「そんな!?」

「ごめんなさい・・・。」

初代マスターは謝るしかなかった。

「(どうすれば・・・どうすればいいんだ・・・!)」

「私が、幽体でなく、本物の人間でしたら、可能ですが・・・。」

「・・・・・・。」

つまり、幽体だけではダメか・・・。

「(いや・・・一か八かだが・・・)初代マスター・・・1つお願いがあります・・・。」

「何でしょうか・・・?」






























「俺に妖精の球(フェアリースフィア)を教えてください。」






































「っ!?本気なの!!?」

「はい!妖精の球(スフィア)を覚えて、解除方法を探すのです!!」

「しかし・・・それには他の妖精三大魔法も絵としないといけまん!!」

「それでも、俺は何もしないよりましです!!お願いします!!
 みんなを・・・みんなを・・・助けたいんです!!!」

俺は土下座をして初代マスターに頼む。

「・・・いくなんでも無理があるわ。
 妖精三大魔法を習得には何年もの時間がかかるのよ・・・。」

「いつ解除が終わるかよりかはマシです!!お願いします!!!」

「・・・・・・。」





































「で、この半年で妖精三大魔法をすべて習得しました。」

俺は全てを説明した。ただし、夢で父さんに呼ばされ事はあえて話さなかった。

「最短記録よ。私も驚いたわ、この子の努力に。S級としても上出来と思うわ。」

「でも、コージ大丈夫なの?どちらかの魔法を上げすぎると、暴走が・・・。」

ミントがそう言う。
そう、俺は光と闇の魔法を使えるが、戦いの真っ最中に、
どちらか片方の魔力が多すぎたり少なすぎたりすると暴走が起きやすくなる。

「大丈夫だ。闇の方はこれでなんとかしました。」

俺は1冊の本を出した。

「何、その本?」

「実は悪魔の心臓(グリモアハート)の戦いの時に、本が1冊落ちてたので、
 何だろうって調べたら、闇の魔法が書いてあったので覚えました。」

「しかし、妖精三大魔法と同等の魔法なのか?」

「はい、悪魔三大魔法と書いてありました。」

「悪魔三大魔法じゃと!?」

俺の言葉に驚くマスター。

「どうしたのですかマスター?」

「悪魔三大魔法は妖精三大魔法と互角の魔法といわれた闇の失われた魔法(ロストマジック)じゃ!!」

「はい、俺も初代マスターから聞きました。」

「ちょっと待て・・・つまりコージは、
 1ヶ月で1つの強力な魔法を覚えるスピードで全部習得したのか!?」

「はい。」

これには全員驚く、さすがに・・・。

「1番驚いたのは私よ。まさか悪魔三大魔法も習得するなんてをもわなかったわ。」

「まぁ・・・頑張りましたから・・・。
 (おかげで、この2つの三大魔法で新しい魔法を考えましたし。)」

俺はそのことは口に出さなかった・・・まぁ、やってみないとわからないですから。

「しかし、少し気になるわね。」

「何が?」

シャルルが何か疑問に思う事があり、俺は聞いてみた。

「何でコージの闇の暴走が起きた事よ。
 闇の魔力が言って一定の量で多いか光の魔力が少ないかでないと暴走は起きない筈だわ。」

「俺もそれに疑問に負うもんだが・・・あるとすれば・・・」

「あるとすれば?」

「俺達魔導士は魔力の限界地を決める器がある。
 たとえ器が空になったとしても、大気中のエーテルナノを体が自由に摂取して、
 しばらくすれば器に魔力が戻ります。
 ところが、妖精の球(フェアリースフィア)がその接種を邪魔してたんですよ。」

「邪魔をした?」

妖精の球(フェアリースフィア)の場合、バリアの様に人などを守ります。
 解除するにはそれができる者か自然に待つかのどっちかなんです。
 しかも、妖精の球(フェアリースフィア)はまわりのエーテルナノを吸収して、
 つねに継続させてしまうのです。」

「じゃあ、その効果でエーテルナノの摂取があんまりできなかったの?」

「はい。俺達はこの天狼島で妖精の球(フェアリースフィア)によって俺達は凍結状態になった。
 その間に魔力は本の僅かですが回復していった。
 俺の場合は最後にシャイニング・レイをアクロノギアに向かって放った事で
 光の魔力が少なくなり、凍結状態中に闇の魔力が一定量に多くなり、
 暴走が起き、目が覚めた・・・と、思います。」

俺はそう説明をした。

「・・・まぁ、そういう事にしておくわ。」

「取りあえず、戻るか、ギルドへ!」

ナツさんの言葉に俺達全員頷く。





































「と、そういう訳じゃ。」

マスターがギルドにいたマカオさん達にそう説明をした。

「!」

ナツさんがロメオの方を見た。

「大きくなったな、ロメオ。」

ナツさんはそう言う。

「おかえり!!!!ナツ兄!!!みんな!!!!」

ロメオは泣いてそう言う。他の人達も泣いていた。

「帰ってきたんだな・・・俺達・・・。」

「そうだね。お兄ちゃん。」

俺とウェンディはそう言うのだった。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です。『第5章 X791年編』、始めました!!
コージがかなり強くなってしまいました。また、コージの聞こえた、父の声、
この話はああいう説明をしましたが、本当はちゃんと理由があります。まだ先になりますが・・・。
次回もお楽しみに~!! 
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