転生とらぶる
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機動戦士ガンダムSEED
0156話
結局俺達はマリューの指示に従って行動する事になった。キラ達へリオポリスの学生組は嫌々だったが、威嚇とは言え発砲したマリューの迫力に押されて納得してしまったらしい。俺の場合は元々アークエンジェルと行動を共にするつもりだったので逆に願ったり叶ったりだったのだが。
「アクセルさん、このトレーラーは貴方が?」
サイ達に運んできて貰ったトレーラーへと視線を向けながらマリューが尋ねてくる。ちなみに現在ここにいるのは俺とマリュー、ミリアリアの3人のみだ。キラはストライクでアークエンジェルに連絡を取ろうとしているし、サイ達はストライクの換装装備、ストライカーパックが積まれているトレーラーを取りに行っている。
傭兵と名乗った俺が何故アークエンジェルへの連絡を任されていないかといえば、話は簡単だ。ブリッツを曲がりなりにも操り、武器も使わずにあの出来損ないとも言えるOSでジンを撃退。おまけにブリッツの武器やバスター、デュエルの予備部品が残っているトレーラーを確保していた俺を、マリューが信用出来なかったからだ。
……確かに、マリューの立場になって俺の行動を考えてみると非常に怪しいのは間違いないが。
「ああ。何せ俺がザフトから守ったこの機体は武器が何も装備されていなかったからな。あのストライクとかいうのにはバルカンやナイフがあったというのに。……苛めか何かか?」
「機体特性によるものです」
俺の言葉にきっぱりと告げるマリューだが、その表情はどこか無理をしているようにも見える。無理に軍人らしく振る舞っているような……そう感じるのは、俺が原作を知っているからか?。
「なるほど。で、俺が乗ったあの機体の特性は?」
「軍事機密ですので、申し訳ありませんが教える事は出来ません」
「だがな、恐らくまたすぐにザフトが来るぞ?」
「え?」
「それはそうだろう。何せザフトのお目当ては地球連合初のMS5機だ。そのうち奴等が奪う事が出来たのは3機のみ。なら残り2機をどうすると思う?」
ようやくその可能性に気が付いたのだろう。マリューは真面目な顔をして考え始める。
そんなマリューに、悪魔の如く囁く。
「俺が乗った機体はキラにOSを調整して貰っているから戦闘行動は可能だ。そしてもちろん俺はこんな所で死にたくないからザフトが攻めてきたらあの機体は使わせて貰うぞ?」
「アクセルさんっ、貴方!?」
再び銃口をこちらへと向けようとするマリューだが、銃を握っている右腕を掴んで固定する。
「悪いが、俺はキラ達と違って平穏無事な生活をしてきた訳じゃない。それこそ硝煙香る戦場こそが我が故郷と言っても過言じゃない環境で過ごしてきたんだ」
「っ!?」
「さて、ここで問題だ。この状況で軍人として取るべき一番正しい行動は何だと思う? ヒントは俺の職業だ」
「……傭兵」
「そう。つまりは?」
「貴方を雇えって言いたいの?」
俺の言いたい事が分かったのだろう。銃を握っていた手から力を抜くのが分かった。
「簡単だろう? キラ達から聞いたと思うが、俺はナチュラルだがMSの操縦が可能だ。そして敵はザフトのMS」
「でも、報酬は……」
その言葉で言い淀むマリュー。それも無理はないだろう。今のマリューはあくまでもアークエンジェルの副長でしかないのだ。これが艦長ならある程度の裁量を振るえるのだろうが。……もっとも、既にマリューがアークエンジェルの生き残りの中では一番階級が高いのだが、ナタルからそれを聞くまでは知らないだろう。
「……いいわ、雇いましょう。でも報酬は確約出来ないけどそれでも構わないかしら?」
「そうだな。俺としては取りあえず生き残るのが最優先だ。あのMSを使わせてくれるというのなら多少の事は我慢しよう。それであの機体については?」
「あの機体はX-207ブリッツ。電撃侵攻を目的とした特殊任務用の機体よ。それよりもザフトがまた来るというのなら、ブリッツのバッテリーを回復しておいた方がいいわ。あのトレーラーに充電器がある筈だから、接続して頂戴」
「了解した。だがちょっと待っててくれ」
マリューへとそう返事を返し、ブリッツのコックピットに移動してOSを起動させる。キラがOSを設定してくれた為に、最初に乗った時の操作性と比べると雲泥の差だ。
そのまま操縦性を確認するかのように歩き、トレーラーとは違う方向へと向かう。
「アクセルさん!?」
「ちょっと待っててくれ。土産を持ってくる」
それだけ言って、先程ジンを撃墜した場所へと移動する。パイロットがコックピットごと潰された為に自爆する事もなく頭部のトサカとコックピット以外は殆ど無傷と言ってもいい状態でジンは地面に寝転がっていた。
もちろんジンが使っていた突撃機銃や重斬刀もそのままそこにある。ブリッツ側のOSのFCS――火器管制装置――を調整しないといけないので今回のクルーゼ戦では使えないだろうが、調整さえ済めばその後の戦闘では使用可能だろう。
ブリッツはそもそも武器が右手に装備されている攻盾システムのトリケロスに集中しすぎており、そちらに何かあった場合は選択肢が極端に少なくなる。ガンダムに効果のない実弾兵器とは言え、それ以外の機体には効果があるのだから貰っておいて損はない。
倒れているジンを起こし、身体で支えるようにしてマリューのいる場所まで戻る。
「アクセルさん、それは……」
「俺がブリッツで倒した機体だ。上手くコックピットを潰したおかげで色々と使える部品も多いだろう」
マリューの言葉に返事を返し、トレーラーの近くへとジンを置く。その後はトレーラーの充電装置を使いブリッツのバッテリーを充電開始する。
「アクセルさん……」
地面へと降り立った俺を出迎えたのは、どこか怯えているような顔をしたミリアリアとキラだった。
……ああ、そうか。俺は戦場で人が死ぬのはもう慣れてしまっているが、この2人はつい数時間前までは一般人だったんだな。怖がられてもしょうがない。
苦笑を浮かべながら、2人を怯えさせないように少し離れた場所に座り込む。
そんな俺がどう見えたのか、マリューが近寄ってきて俺の隣に腰を下ろす。
「気を悪くしないで頂戴。あの子達は……」
「ああ、分かっているよ。つい数時間前まではただの学生だったんだろう。何、俺やあんたとあいつ等のどちらが正常な人間かと言われればキラ達が正常なんだろうさ」
「そう。……ねぇ、それよりも聞いていいかしら? あの状態のブリッツを動かして徒手空拳でジンを撃破。そんな事が出来るパイロットは超一流と言ってもいいでしょうね。……それがナチュラルなら。アクセルさん、貴方はもしかしてコーディネーターなのかしら?」
「なるほど、それが俺を警戒していた理由か」
「そうね、それは否定しないわ。それでどうなの?」
「少なくても遺伝子操作されて生まれてきた訳じゃないからな。ナチュラルと言ってもいいだろうよ」
「……」
言葉の真贋を確かめるかのようにじっと俺の顔を見つめるマリュー。だがすぐに溜息を吐いて軽く頷く。
「そうね。今は信じさせてもらうわ。でも、アークエンジェルに乗艦したら念の為にチェックを受けて貰うけど構わないわね?」
「ああ、構わない。それにしてもさすが軍艦。コーディネーターかどうかを確認できるのか」
「私達が戦争をしている相手はコーディネーターなのだから、そのくらいは当然でしょう」
そうこうしているうちに、トレーラーが近づいてくるのが見える。運転席にはサイ達の姿が見える。
「No.5のトレーラー、あれでいいんですよね?」
トレーラーから降りてきたサイがそう言うが、どこかぶっきらぼうなのはやはり力尽くで従わせているからだろうか。
「ええ、そう。ありがとう」
「それで? この後、僕達はどうすればいいんです?」
「ストライカーパックを。そしたら……キラ君! もう一回通信をやってみてくれる?」
少し離れた所で俺達の様子を見ていたキラへと声を掛けるマリュー。トールとカズイは俺が持ってきたジンを物珍しげに眺めていた。
「それと、アクセルさん。ブリッツの充電をしているトレーラーにブリッツ用の武装攻盾システムトリケロスとグレイプニールがあるから、充電が終わったらトリケロスを装備しておいて頂戴」
「グレイプニールとやらの方はいいのか?」
「あれは腕に取り付けないといけないから、相応の知識と人数が必要になるわ。少なくても貴方と私だけではちょっと無理よ」
「なるほど、了解した」
俺がブリッツのトレーラーの方へと移動している間に、キラもストライクでサイ達が持ってきたトレーラーの前へと移動してランチャーストライカーパックへと装備を変更している。
毎回充電しないといけないブリッツと違い、パワーパックと一体化している装備を変更するだけでいいというのはちょっと羨ましいな。
そんな風に思いつつも、ブリッツのコックピットへ乗り込んで機体状況をチェックしていく。
「バッテリーは60%か。一応クルーゼが来てもどうにかなるな」
ジンとの戦いであまりバッテリーを消耗していないというのも大きかったのだろう。ブリッツのバッテリー充電率はそれなりの数値になっていた。
ウー、ウーという避難警報がコロニーに流れている中、突然コロニーのシャフトの一部が爆発し、その衝撃と爆音が周囲へと響き渡る。
来たかっ!?
コックピットから顔を出してそちらを確認すると、爆発のあったシャフトからはシグーとメビウス・ゼロが飛び出してくるのが見えた。シグーには殆ど損傷がないようだが、メビウス・ゼロはその最大の特徴とも言えるガンバレル4基を全て失っており、残っているのは機体に直接装備されているリニアガンのみとなっていた。
ブリッツとストライクを確認したシグーは、空中で姿勢制御をし、方向転換してこちらへと向かってくる。それを阻むかのようにメビウス・ゼロがシグーの進行方向へと割り込み進路を強制的に変更させ、そのままシグーとメビウス・ゼロによる空中戦が開始された。
「キラっ、装備を!」
ストライクへと通信を入れ、注意を促す。同時にバッテリーを充電していたケーブルを抜き、トリケロスを右手に装備してPS装甲を展開。
俺の声で我に返ったキラも、トレーラーに置かれてあったランチャーストライカーを装備する。
それと殆ど同時にメビウス・ゼロ最後の武器であったリニアガンの砲身がシグーの重斬刀により切り捨てられる。その勢いのままメビウス・ゼロを置き去りにし、地上にいる俺達へと重斬刀を構えたまま突っ込んでくるシグー。
しかしシグーが突っ込んでくると思われた次の瞬間、コロニーのドック方向で爆発が発生。同時に優美な白と赤の四つ足をもつ戦艦、アークエンジェルがその爆発の中から姿を現した。
その戦艦を狙い突撃機銃で攻撃を仕掛けるクルーゼのシグーだが、アークエンジェルはその艦体を斜めにする事で回避に成功する。今の一連の攻防でアークエンジェルを単機で沈める事は不可能と判断したのか、シグーは地上にいるブリッツとストライクへと狙いを変えて急降下してくる。
突撃機銃でこちらへと攻撃を仕掛けて来るシグーだが、PS装甲を持つストライクとブリッツに通じる筈もなく、一撃を与えて離脱していく。そしてその隙を突くかのようにアークエンジェルからミサイルが発射されるが、それはシグーに撃ち落とされ、あるいは誘導のミスによりコロニーを支えているシャフトへと命中する。
「素人がっ!」
思わず呟くが、すぐにそれが正しい事を思い出す。ザフトの攻撃によりアークエンジェルのクルーはその大半が死亡しており、現在はあり合わせの人材で操艦しているのだから素人同然なのは間違いない。
これ以上コロニーを破壊されては堪らないと思ったのか、シグーへと狙いを定めてキラの操るランチャーストライクが350mm高インパルス砲のアグニを構える。
本来ならここでの高威力攻撃はコロニーにも被害を与える為に止めるべきなのだろう。しかし現状のキラはMSの操縦技術ではクルーゼとは比べものにならない。俺としてもブリッツの操縦に慣れている訳でもないこの状況でクルーゼを仕留めきれるかどうかは五分五分といった所か。ならここは足りない腕の分はアグニの高火力で補って貰うしかないだろう。
ストライクの構えたアグニから赤いビームが発射され、クルーゼの操るシグーの右腕を突撃機銃ごと消滅させてそのままコロニーの外壁をも貫通する。
右腕から煙を上げながらも、そのままコロニーの外壁に開いた穴から逃げ出そうとするシグー。だがそれは甘いっ!
「愛」
精神コマンドの愛を使い、身体中に不思議な力が満ちあふれる。そしてその力を導かれるようにしてトリケロスに内蔵されている50mm高エネルギーライフルを発射する。放たれたビームはシグーのコックピットへと一直線に向かい……唐突にシグーが身を翻した事によりコックピットではなく左肩を貫通する。
……回避した、だと? 必中付きのビームライフルを?
いや、シグーに命中しているのだから必中の効果が発揮しなかった訳ではないのだろう。
攻撃を回避した理由として考えられるのは、クルーゼが持っている疑似ニュータイプのような力だろうか。その効果により、ギリギリの所でコックピットへの直撃を回避したと考えるべきか。
「……逃がしたか」
左肩を貫通した事により、コロニーへと突入した時に装備していたバルカンシステム内装防循ごと左腕を落下させながらも、シグーは両腕がない状態で穴が開いた外壁から宇宙へと脱出して行く。
ここでクルーゼを討つ事が出来ていれば、原作のような悲惨な戦いにはならないと思ったが……逃がした魚は大きかったな。
地面に転がっているシグーの左腕と、その左腕に装備されているバルカンシステム内装防循を拾い上げながらこれから先の事を思い、思わず溜息を吐いた。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:35
PP:490
格闘:246
射撃:264
技量:256
防御:253
回避:281
命中:303
SP:422
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:B
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
???
???
???
???
???
撃墜数:255
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