IS インフィニット・ストラトス~転生者の想いは復讐とともに…………~
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number-48 epilogue
前書き
エピローグ。
あれから二年が過ぎた。
麗矢がいなくなって、半年は探し続けたが見つかることなく捜索は打ち切られた。
勿論楯無は反対したが、やはりどこかでもう見つかることはないと分かっていたのだろう。
涙を流しながら引き下がった。
半年探して見つかったものがある。
麗矢の専用機《アルティメット・バード》の待機形態であるブレスレットだ。
だが、動くことはなかった。
このISの深層心理にあるコア人格、名称《ルティア》がいるのかさえ分からなかったのだ。
楯無はそれでもよかったのだが、学園側がそれを態々確認したのだ。
結果、ブレスレットはISではなくなっていた。
コア人格というよりもまず、ISではないのだ。
もはやただのアクセサリー。
これは偽物ではないのかと当然のように学園側は疑う。
だが、期待に埋め込まれているビーコンがこのアクセサリーが反応しているのだ。
本物と認めるしかなかった。
そうして晴れて楯無のもとへ来たブレスレット。
今となっては麗矢の形見になるのだろうか。
それは楯無が肌身離さずに何時も麗矢が身に着けていた左手首に同じようにつけている。
◯
一夏は思うのだ。
楯無はどうしてあんな儚げな表情をするのだろうかと。
一夏はこの二年間の間に更識簪と更識楯無の中を回復させた。
その件で楯無に笑顔で感謝されたときはドキッとしたほどなのだ。
それからだろうか、ふとすると楯無を追っていることに気付いたのは。
一夏はこの感情がなんなのか知っている。
こうして自分がこういう感情を抱くことで箒、鈴がどんな思いだったのかが分かる。
――――そして、この想いは届かないことを知っている。
あの儚げな表情は麗矢を思っているときだろう。
会うことも叶わないあいつに嫉妬してしまう。
二年たった今でも一夏は楯無を追っているときがあるのだ。
叶わないと分かっているのに。
楯無の心の中には麗矢しかいないことを――――
思わず手を握りしめる。
それを痛いほど痛感したのに、まだ楯無を追い続けている自分が情けない。
これじゃあまるで――――
――――ストーカーと何にも変わらない。
◯
楯無は麗矢との短い日々を振り返る。
幼少期は無邪気に遊んで、笑って、泣いて、楽しかった。
高校生になって、麗矢と再会して、一緒に暮らして――――
幼かったときには分からなかったことが分かって。
小さなことで一喜一憂して。
思えばあのころが周りに景色が輝いて見えた。
色鮮やかに彩られていたあの世界が。
楯無は空を見上げる。
海にいなくなったけど、もう空の上にいるあの人に伝えたくて。
昔も今も変わらないこの想いを。
「麗矢、私は今も変わらないよ。私は――――」
――――好きだよ。
◯
物語は始まれば、必ず終わりを迎えるのだ。
運命の歯車と銘打って、綴った物語。
それはこの話を持って幕を閉じる。
だが、これからもみんなの物語は続いていくのだ――――
後書き
完結!!
さくさく進んだけどいかがでしたか?
暇つぶしになっていれば、それに勝る喜びはありません!
次はなのは――――と思ったのですが、何かこれ書いて! とかくれれば私が書ける範囲であれば頑張ります!
ありがとうございました!
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