問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
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第17話 北へとレッツゴーですよ?
前書き
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修也は1人で工房に籠っていた
なぜなら自分の召喚物の検査と手入れをするためだ
そんな時
「修也、入るよ」
耀が飛鳥、十六夜、ジンを連れて入ってきた
「どうした、こんな時間に」
「どうしたもこうしたもないわ! これを見て!」
修也は飛鳥に渡された手紙を目をとおす
「なになに? 火竜誕生祭の招待状?」
「黒ウサギが隠してた」
「へえ、こんなもんがあるのか」
「修也さん! 止めて下さい!」
ジンが必死の形相で修也に言う
しかし
「耀はどうする?」
「行く」
「よし、じゃあ行こう」
ペルセウスの一件以来すっかり耀を中心に動き始めた修也にジンの声は届かない
「と、その前に」
修也は紙とペンを召喚し、飛鳥に渡す
「置手紙は必要不可欠だろ?」
にやりと笑って修也は言う
飛鳥は「そうね」と言ってペンを紙に走らせる
そして
「出来たわ」
飛鳥の書いた手紙に目を通す一同
「はっ、いいじゃねえか。黒ウサギをたきつけるのには丁度良い材料だなぁ!」
「だ、ダメですよ! こんなのは!」
ジンが言うが
肝心の手紙はふわふわとそ外へと飛んで行った
修也のギフト【万物浮遊】だ
恐らく数分後には黒ウサギの元にたどり着いてるだろう
「よし、行くぞ」
「行くってどこへ?」
「とりあえずいつもの所へ」
修也がそう言うと、足元に魔方陣が出現する
「じゃあレッツゴー」
魔方陣の 光が強まり 一同はその場から姿を消した
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六本傷をかかげるカフェテラスへと、一同は来ていた
「あれ、いつの間に…」
「修也、お前なにやった」
十六夜が聞く
「なにって…転移しただけだけど?」
「転移?」
今度は耀が小首をかしげながら聞く
「俺の持つギフト【魔導の源】を使ったものでな。あらかじめ登録しておいた座標に飛ぶ魔法だ」
「すごいね」
「最も、俺が一度言った場所であることとヴォルザの補助がないと出来ないがな」
使い勝手が悪いと肩をすくめる修也
「さてと、今から北側に行くわけだが。せっかくの旅路だ、面白おかしく行くべきだと思う」
「賛成」
「「異議なし」」
飛鳥が手を上げていい、耀と修也と2人の声が重なる
「つーわけで、何かいい案はねえか? 我らがリーダー?」
十六夜がジンに言うと、ジンはため息をついて
「やっぱりと 思ってはいましたが 皆さんは北への距離を知らないんですね」
「おおざっぱに言うと98万km程だ」
「正解ですって知ってたんですか!」
「「「わお」」」
修也の言葉に三者三様の声を上げた
「遠いわね…こうなったら外門を繋い「境界門を起動させるのは無理だぞ」あら
どうして?」
飛鳥の言葉に修也は割り込みをかける
飛鳥は怪訝そうな顔で修也を睨む
「境界門の起動にかかる金はサウザンドアイズ発行の金貨で1枚、5人で5枚。これはコミュニティの全財産をオーバーしている」
「そうですよ! だから、皆さん、帰りましょう。今なら笑いば「だか!」修也さん!?」
ジンが帰ろうと説得しようとすると修也が割り込みをかける
「あの招待状はサウザンドアイズからの物だ、ノーネームに招待状を送る奴なんか白夜叉位だ」
「つまりは白夜叉の元に行けば何とかしてもらえるってか?」
十六夜の言葉に修也はうなずいて答える
「なら、黒ウサギにあんな手紙を送っておいて後には引けないわ! 行くわよ!」
飛鳥が立ち上がる
「おう! こうなったらダメで元々! 白夜叉の元に行くぞゴラァ!!」
飛鳥に続き十六夜も立ち上がる
「よし、早速乗り込みに行くぞ!」
「おー」
それに続き修也とよ耀が、握りこぶしを上げながら様も立ち上がる
問題児一同はジンを引っ張って白夜叉の元へと向かった
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というわけで招待者として北側まで連れてけやコラ」
「いつも通り口が悪いのぉ。まぁ招待者としてそれぐらいはやるが少し話したいことがある」
「楽しい話?」
「それはおんしら次第だな」
白夜叉と十六夜の話に耀が混ざる
「本題の前に一つ聞く。フォレス・ガロの一件以降おんしらが魔王のトラブルを引き受けるとは真か?」
「ええ。本当よ。」
白夜叉の問いに飛鳥が答える
その後、白夜叉はジンの方を向き、問う
「ジン。それはコミュニティ全ての方針と受け取っても良いか?」
「はい。コミュニティの存在を広めるには一番いい方法だと思いました」
「リスクは承知の上か?」
「覚悟の上です。」
「無関係の魔王も呼び寄せるかもしれんぞ」
白夜叉がジンを心配して聞く
「それこそ大歓迎だ。魔王との経験も積めるし、隷属させてコミュニティの力になる。」
「そうなればノーネームの旗印を持ってる奴とも会いやすくなるしな」
「ふむ」
十六夜が得意げに説明する
それを聞き、白夜叉は何か考え込むように瞳を閉じる
しばの沈黙の後、白夜叉が口を開く
「それならば本題を話そう。これは東のフロアマスターからの正式な依頼だ。よろしいかな、ジン殿。」
「は、はい。承りました」
「さて、どこから話そうかのぉ…」
一息つく白夜叉
すると思い出したように話し始める
「ああ、そうだ。北のフロアマスターの一角が世代交代するというのはし知っておるか?」
「え?」
「急病で引退だとか。そのコミュニティは5桁・54545外門に本拠を構えるサラマンドラ――――それがマスターの一角だ。ところでおんしらフロアマスターについてどれくらい知っておる?」
「私は知らないわ」
「私も」
「ある程度は」
「階級支配者、フロアマスター。箱庭の秩序を守るためと下位のコミュニティの発展を促すための制度、そして、魔王と率先して戦う義務があり、その義務と引き換えに階級支配者には様々な特権が与えられる。だろ?」
「う、うむ。その通りだ。よく知っておるな」
「まあな」
修也が少し自慢げに言う
「今回の一件はサラマンドラの世代交代が端を発しておる」
「サラマンドラが!?」
ジンが驚きの声を上げる
「あら、ジン君知ってるの?」
「はい、サラマンドラとは親交があったのですが頭首が変わるとは知りませんでした。後継は誰なんでしょうか?」
「おんしと同い年の末の娘のサンドラらしいぞ」
「さ、サンドラが!?彼女はまだ十一ですよ!?」
「あら、ジン君だって十一で私たちのリーダーじゃない。」
「そうですけど…」
「なんだ?御チビの恋人か?」
「ち、違います!失礼なことを言ううのはやめてください」
飛鳥と十六夜が茶化すと、ジンが怒鳴り返す
「実は今回の誕生祭なんだがサンドラのお披露目もかねておるんだ。しかし、サンドラがまだ幼いので共同で主催者をやることになったのだ」
「あら、それはおかしな話ね。北には複数のマスターがいるのなら北同士で共同にすればいいじゃない」
「うむ、まあそうなのだが…」
急に歯切れが悪くなる白夜叉
「大方、幼い権力者を良く思わないっていった、ありきたりな理由だろう」
十六夜が隣で助け船を出す
「ん…ま、そんなところだ」
「そう、神仏が集う箱庭の長でも思考回路は人間並みなのね」
白夜叉の言葉を聞き、飛鳥が不満そうに言った
「うう、手厳しい。…共同でやる理由は他にもあるのじゃが」
「ストップ」
「その話って長くなる?」
その言葉を聞き、修也が待ったをかけ、耀が口を開く
「ん? そうだな…短くとも後、一時間はかかるかの?」
「それまずいかも。黒ウサギに追いつかれるかも」
その言葉を聞き、問題児たちとジンは気が付いた
「白夜叉様、このまま」
ジンはチャンスとばかりに身を乗り出すが
「ジン君黙りなさい」
飛鳥がギフトを使い阻止する
「白夜叉、このまま北に向かってくれ。事情は追々話す。何よりその方が面白い。俺たちが保証する。」
その言葉を聞き、白夜叉が笑う。
「そうか、面白いのか。ジンには悪いが面白いなら仕方ないの?」
ジンが何か言ってるような感じだが無視しよう
白夜叉が柏手を打つと途端に口を開いた
「ふむ。これで望み通り北側に着いたぞ」
「「「は?」」」
3人が素っ頓狂な声を上げた
疑問はあったが四人は期待を胸に外に出た
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